2019年5月10日、スバルは連結決算での純利益の32%減益を発表した。大規模なリコールや群馬製作所の操業停止などが響いた形だ。
3期連続の減収、そして7期ぶりの減収となるも、「日本市場は下げ止まり、北米市場も好調を維持」と前を向く(中村社長・10日午後の会見より要約)。
【メーターパネルは情報のデパート状態】ここまで進化したメーターのハイテク化!!
ここまでの長いトンネルを抜け出ることは、果たしてできたのか。寄せられた数々の新車情報をもとに、今後の展開を読み解く。
※本稿は2019年3月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年4月26日号
■日本導入確実! スバルの新型SUVは流麗かつ大胆!
●スバル NEW SUV(2021年登場)
現在、日本におけるスバルSUVラインナップは、フォレスター、XV、レガシィアウトバックの3モデル。だが、近年中に第4のSUVモデルが追加されることになる。
そのベースモデルとなるのが、先のジュネーブショーで発表された「ヴィジブ アドレナリン コンセプト」だ。
ボディサイズ的に次期XVのデザインスタディではないかとも言われるが、スバルは昨年7月に発表した新中期経営ビジョン「STEP」にて、2025年までにSUVモデルのバリエーション拡充を公表しており、そしてそのクーペライクなデザインからも、XVとは異なる、まったくの新型と考えるほうが自然だ。
特徴はなんといっても、ご覧のとおりの大胆なデザイン。ブラックの樹脂製フェンダーが醸すタフでラギッドなイメージと、クーペSUVが本来持つ流麗なイメージが見事に融合している。
ジュネーブショーに出展されたコンセプトモデル。ボディサイズは全長4490×全幅1900×全高1620mm。特にリアアングルがカッコいい
その大胆ボディに搭載されるパワーユニットについての情報は、ジュネーブでも明かされなかったが、これはXVにも搭載される2Lハイブリッドの「e-BOXER」と、「2L NA」が有力視される。
が、せっかくアグレッシブなデザインを与えられたのだから、ぜひ「2Lターボ」を積むモデルも設定してほしいところだ。
市販型デビューは2021年が予想されている。
■スバルのスポーツ戦略をこのクルマから読み解く
●スバル インプレッサSTI スポーツ(2019年11月登場)
2019年1月に開催された東京オートサロンに出展された『インプレッサSTIコンセプト』の完成度は高く、市販を望む声が多く寄せられたのも当然だろう。
写真は東京オートサロンに出展されたコンセプトモデルだが、ほぼこのままのスタイルで市販バージョンが登場することになろう
11月に登場が計画される『インプレッサSTIスポーツ』はほぼこのコンセプトモデルがベースとなる。
エンジンをはじめとしたパワートレーンは基本的に手を入れられることはなく、ビルシュタイン製サスペンションやパフォーマンスダンパーなどによるSTIのテクノロジーを活かしたシャシーチューニングが主。
SGPを採用するインプレッサだから、より高次元の操安性能が生み出される。内外装もコンセプトモデルのデザインを踏襲することになろう。
■スバルワークスの威信をかけた究極のコンプリートカーが示すものとは
●スバル STI20B(2019年8月登場)
昨年、設立から30周年を迎えたSTI。
今さら説明するまでもないが、正式名称は「スバル・テクニカ・インターナショナル」といい、WRCをはじめとするスバルのモータースポーツ活動の拠点として、さらにはモータースポーツで培った技術を活かしたチューニングパーツ、コンプリートカー開発を行う会社。
スバル直系……というよりも、まさに「スバルワークス」そのものだ。
現在では「S208」に代表される「S」モデルコンプリートカーの開発プロデュースでその開発能力の高さを示しているが、その祖となったのが1998年、スバルWRC3年連続マニュファクチャラーズチャンピオン獲得を記念して開発、400台が限定発売された『インプレッサ22B STiバージョン』である。
このモデルは2Lの水平対向4気筒EJ20型を2.2Lに排気量アップし、またクーペボディの前後フェンダーを大きく張り出させた当時のWRカーをイメージしたフォルムが特別感を放っていた。
水平対向4気筒のEJ20型は、1989年に登場した初代レガシィとともにデビューしたエンジンで、今年で登場から30年。現在のスバルエンジンは同じ水平対向4気筒ながら新設計されたFA系、FB系が主流で、EJ20はWRX STIのみに搭載。ラリー車をはじめモータースポーツでの実戦投入も多く、耐久性やチューニングの幅も広く、チューニングベースとしてのポテンシャルは大きい
スバルはSTI30周年を記念して、これを上回るスペシャルコンプリートカーを開発しており、それが8月にデビューが予定される『STI20B』なのだ。
Sシリーズ開発で積み上げてきたボディチューニングの集大成ともいえる「剛性としなり」をハンドメイドで芸術の域までチューニング。
慣熟の域に達したEJ20ターボは完璧なまでの重量合わせとダイナミックバランス取りでレースエンジンのごとくスムーズに回るという。350ps程度の最高出力もさることながら、このフィーリングこそがSTIの仕事の妙味だ。
前後のブリスターフェンダーとカーボンルーフなどでルックスもSシリーズとはひと味もふた味も違う。価格は700万円程度になるというが、それだけの価値はある!
■高い実力を控えめな外見に秘める大人のSUVワゴン
●スバル NEWレガシィアウトバック(2020年初頭登場)
セダンのB4と同時に日本に登場する
ボルボのクロスカントリー系やアウディのオールロードクワトロなど、輸入車メーカーには多くのワゴン型SUVが見られるが、その元祖といえるのが、2代目時代の1995年に設定されたレガシィグランドワゴンだ。
そのグランドワゴンから数えて6代目となる新型が、2019年4月のニューヨークショーで世界初公開された。
ボディサイズは現行同等で、最低地上高もヘタなSUVが裸足で逃げ出す200mmをキープ。改良された2.5L NAに加え、B4も積む2.5Lマイルドハイブリッドも用意されるだろう。
SUVの性能と車格感、そして通常のSUV以上の大人っぽさを持ったクルマを探している人には最適だ。
■人気と実力を兼ね備えた4代目の栄光を再び!
●スバル NEWレガシィB4(2019年10月登場)
2月に開催されたシカゴショーで公開された7代目レガシィ。
基本的にキープコンセプトのモデルチェンジだが、現行よりわずかに寝かされたフロントグリルが、よりスポーティな印象を強めてくれる。
搭載エンジンは新開発の水平対向4気筒2.5Lと同エンジンをベースとしたマイルドハイブリッド。質の高い走りを予感させる。
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