2024年WEC第4戦ル・マン24時間レースを前にした6月9日、フランスのサルト・サーキットでは『テストデー』のセッションが行われた。午前3時間、午後3時間という6時間の走行枠では、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963が最速タイムを記録している。
晴天に恵まれたテストデーのパドックから、各種トピックスをお届けする。
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■テストデー“高速化”の理由
6月9日のル・マン24時間テストデーでポルシェのケビン・エストーレがマークした最速タイムは、昨年のテストデーで記録されたベストタイムと比べ、約2.6秒速いものだった。エストーレが6号車ポルシェ963で記録したのは3分26秒907。2023年にフェラーリ499Pのアントニオ・ジョビナッツィが記録したベンチマークは、3分29秒504だった。
LMP2では、今回ユナイテッド・オートスポーツのオリバー・ジャービスが記録した3分34秒704は、ピエトロ・フィッティパルディが2023年に残した最速タイムよりも速いものだった。
一方でマシンがGTEからGT3へと変更されたGTカテゴリーでは、TFスポーツのセバスチャン・バウドが82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rをクラス最速の座へと導いた。彼がテストデーで残した3分59秒883は、昨年のLMGTEアマのベストラップよりも約3.8秒遅くなっている。
トヨタGAZOO Racingのテクニカルディレクター、デビッド・フルーリーは、ハイパーカーが全体的に軽量化されていることと、そして路面コンディションが良好だったことが、日曜日に見られた速いペースの理由である可能性があると述べた。
「すべてのクルマが昨年より軽量化されているため、違いが生まれていいる」とフルーリー。
「路面もかなり速くなった。今朝、始まってすぐに路面はかなり良好だった。これは必ずしも予想していたものではないが、路面は昨年のテストデーよりも良好だった」
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージングディレクター、ジョナサン・ディウグイドも、予想よりも速いラップタイムについてコメントを残している。
「まず、気温のせいだと思う」とディウグイド。
「今日はほぼ完璧なコンディションで、風は弱く、とても涼しい。タイヤは良好な作動ウインドウに収まっていた。また、多くのチームが2年連続でマシンを投入しているので、全体的に全員がはるかに賢くなっている」
■ロペスの好走に「昨日も運転していたのではないか」
フルーリーはまた、直前でマイク・コンウェイの代役を務めることになったホセ・マリア・ロペスが、トヨタGR010ハイブリッド7号車のドライバーに抜擢されたパフォーマンスにも感銘を受けたと述べた。
ロペスの最速ラップは3分28秒827で、同じ車両で走行した小林可夢偉が残したベストラップから0.4秒以内だった。ロペスは昨年の最終戦以来の、ハイパーカーのドライブであった。
「ラップタイムを見ると、(ロペスは)昨日もクルマを運転していたのではないかと感じられる」とフルーリー。
「すぐにペースをつかんだし、明らかにやる気にみなぎっている。車両の全システムに慣れるために一生懸命努力しており、すべてを注ぎ込んで走っている。レースでは問題が起きないと確信している」
■15号車BMW、エンジン交換で走行時間を失う
BMW Mモータースポーツのディレクター、アンドレアス・ルースは、チームが「エンジンに何らかの異常」を検知したため、ドリース・ファントールは午前のセッション中に15号車BMW Mハイブリッド V8を停止するよう指示されたとSportscar365に語った。
その後、予防的なエンジン交換が行われ、午後のセッション後半にようやくコースへ戻り、12周を走行した。
ルースはテストデー中に信頼性の問題は発生しなかったと報告。BMWは1999年にV12 LMRで総合優勝して以来初めて、サルト・サーキットでトップカテゴリーを走行した。
「今日は大事な日だと言わざるを得ない」とルース。
「誰もがこの日を待ち望み、BMW Mハイブリッド V8で最初のラップを走るためにここ数年準備をしてきた。我々はとても幸せだ」
■午前はテスト、午後はオランダで優勝
マルコ・ウィットマンは午前中のセッションで20号車BMW Mハイブリッド V8に乗って15周を走行し、その後、飛行機とヘリコプターでオランダのサーキットまで移動し、ザントフォールトで行われたDTMのレース2で優勝した。
この件について、ルースはこんな冗談を口にしている。
「このクレイジーな計画についてみんなと話したとき、みんなが私に尋ねてきたのは『ああ、ハイパーカーから出たら、どうやって直接DTMのレースに出場すればいいんだ?』ということだった。正直言って、かなりうまくいったと思う」
ウィットマンと彼の仲間のDTMドライバー、シェルドン&ケルビン・ファンデルリンデ、レネ・ラスト、ジャック・エイトケン、ミルコ・ボルトロッティを乗せた飛行機は、午前のセッションがまだ続いている間、12時30分頃にサルト・サーキットに隣接するル・マン・アルナージュ空港を離陸した。
注目すべきは、JMWモータースポーツのドライバー、ラリー・テン・フォールドは、DTMドライバーたちとは反対方向に移動したことだ。ザントフォールトでDTMサポートパッケージの一環としてポルシェ・カレラカップ・ドイツで連続優勝を果たしたオランダ人ドライバーは、その後ル・マンへと飛び、ジャコモ・ ペトロベリ、サリ・ヨルックとともに66号車フェラーリ296 GT3でテストデーの走行に臨んだ。
午後のセッションに間に合うようにル・マンに到着したもうひとりのドライバーは、クール・レーシング のLMP2ドライバーであるフレデリック・ベスティだ。彼はカナダ・グランプリでメルセデス・フォーミュラ 1チームのリザーブドライバーを務めた後、モントリオールからの夜間フライトでル・マンに到着した。
■“皮肉な”2年連続クラッシュ
GMのスポーツカーレース・プログラムマネジャー、ローラ・ウォントロップ・クラウザーは、先月のスパ・フランコルシャン6時間レースでアール・バンバーがクラッシュした後、2号車キャデラックVシリーズ.Rを走らせるチップ・ガナッシ・レーシングが、スペアのシャシーを持ち込んだことを確認した。これは昨年のWECでフルシーズンのシャシーとして使用されたものである。
クラッシュに巻き込まれたキャデラックVシリーズ.R(皮肉なことに、昨年のスパでレンガー・ファン・デル・ザンデがクラッシュしたシャシーと同じ)は現在、イタリアのダラーラ本社にあり、キャデラックの広報担当者によると、ショーカーに改造される可能性が高いという。
一方、CGRの3号車キャデラックは真新しいシャシーで、5月中旬にインディアナ州パトナムパークでチームのリザーブドライバー、トリスタン・ボティエによってシェイクダウンされ、その後フランスに空輸された。
一方で311号車をオペレートするアクション・エクスプレス・レーシングは、レースウイークのスペアとして使用する追加のキャデラック・シャーシを製作しており、チームのレース運営ディレクター、クリス・ミッチャムによると、テストデーの後に到着する予定だという。
ル・マンの翌週、ワトキンス・グレン・インターナショナルで開催される次のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権までのターンアラウンド時間が短いため、両チームは先週末のデトロイトラウンドの後にすでにIMSA用の車両を準備していた。
テストでキャデラックのベストラップを記録した311号車のピポ・デラーニは、この日の走行は2023年のVシリーズ.Rのデビュー時よりも「はるかにスムーズ」だったと述べた。ブラジル人ドライバーは次のように語っている。
「1年前にここに来て、今年は学び、より準備が整ったことは大きなプラスだ。昨年よりも改善を続けながら、プログラムをスムーズに実行している。今日はやりたいことはすべてできたので、僕らにとってはポジティブな一日となった。水曜日にサーキットに戻ってそこから先に進むための良い基盤ができた」
レースウイークの走行は12日水曜日に開始される。
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