現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > クラシック・ミニを電動化 エレクトロジェニック・ミニへ試乗 楽しい個性はキープ 後編

ここから本文です

クラシック・ミニを電動化 エレクトロジェニック・ミニへ試乗 楽しい個性はキープ 後編

掲載
クラシック・ミニを電動化 エレクトロジェニック・ミニへ試乗 楽しい個性はキープ 後編

インテリアもサスペンションもオリジナル

エレクトロジェニック・ミニは、内燃エンジンが載っていないという1点を除いて、オリジナルの雰囲気を見事に保っている。インテリアも基本的には手が加えられておらず、サスペンションも円錐形のラバーコーンのままだ。

【画像】クラシック・ミニを電動化 エレクトロジェニック・ミニ BEV化事例はほかにも 全102枚

BEV化は重量増を招きがちだが、この例では数kgのプラスに留められている。寒い時にエンジンの始動で用いるチョークケーブルも、機能していないが残っている。ダッシュボードの水温計もそのままだが、コスト次第では別の機能を与えることもできるだろう。

システムオンは、従来的なキーを回して。駆動用バッテリーのインジケーターが灯り、出発可能な状態にあることを教えてくれる。

ギアを入れてクラッチペダルを放しても、エレクトロジェニック・ミニはピクリとも動かない。アクセルペダルを踏んで、やっと進み出す。

ギアは繋ぎっぱなしでも構わないが、クラッチペダルを踏んで半クラッチにした方が、滑らかにスタートできる。発進前に、筆者は担当者から2速が良いと聞いていた。静止する際も、クラッチを切り離す必要はない。

駆動用モーターのコントローラーは一般的な量産モデルほど洗練されておらず、急発進になりがちだった。エレクトロモッド社は、より滑らかな制御が可能なモジュールを用意しているが、1500ポンド(約25万円)のオプションだという。

走行中に、3速へシフトアップもできる。意外にも走りの印象が良くなり、ミニを運転しているという気分を濃くしてくれる。

オリジナルのミニらしく活発に走る

シフトダウンには注意が必要。どのくらい駆動用モーターが回転しているのか、音だけでは把握しにくいためだ。クラッチペダルを緩めるポイントも。

といっても、駆動用モーターからは明確な回転ノイズが響いてくる。面白いことに、それがオリジナルのミニのように感じさせる特徴にもなっている。独特のサスペンションと組み合さって、本当にミニらしく走る。

タイヤは、ヨコハマ・クラシック。27歳のミニのシャシーを限界まで攻めるようなことはなかったものの、ビスター・ヘリテージ社のテストコースに敷かれたアスファルトを、粘り強く掴んでいた。

パワーアシストの付かないステアリングホイールは重い。しかしコミュニケーションが取りやすく、バンプを超えてもキックバックなどは皆無。小さなミニを、勢いよくコーナーめがけて飛び込ませていける。

洗練されたフィーリングとはいえない。だが、運転を楽しくしている要素の1つだ。

最高出力51psでも、数字以上に速く活発に感じる。あと20psくらいパワーがあっても歓迎できるが、不満と感じるほどではない。

121psを発揮するとしたら、オーバーパワーかもしれない。その場合は、摩擦ブレーキのアップグレードも必要になるはず。エレクトロジェニック社は、ノーマルのまま手を加えていないためだ。

ブレーキにはサーボアシストは備わらず、制動力を強めたい場合は、ブレーキペダルをそのぶん強く踏む必要がある。51psなら、充分に効くと感じる。

回生ブレーキと摩擦ブレーキとの制御に感心

発進時は洗練不足に思えた駆動用モーターのコントローラーだが、回生ブレーキは機能する。アクセルペダルを放すと、エンジンブレーキのような減速感が得られる。効き具合いは走行中に変更できないが、オーダーする際に強さを指定はできるらしい。

感心したのが、回生ブレーキと摩擦ブレーキとのバランスのさせ方。ブレーキペダルのストロークには途中で感触が変わるポイントがあり、軽く踏んでいる限りは回生ブレーキが働く。更に強く踏むと、徐々に摩擦ブレーキが効き始める。

とても自然に減速できる。一部の量産BEVより、印象は良いほど。

エレクトロジェニック・ミニの運転はとても楽しい。30年もののガソリンエンジンをいたわる必要もないし、エンジンオイルやファンベルトの交換といった手間もなくなる。ミニらしさも、ちゃんと残っている。

もしベース車両から探す場合は、完全に仕上げて乗り始めるまでに、6万ポンド(約1002万円)近くは必要になるだろう。新車で買えるミニ・エレクトリックの2台分だと考えると、確かに安くない。合理的とまではいいにくい。

だが、美しくレストアされたオリジナル・ミニは、強く惹かれてしまう魅力を備えている。市街地をクリーンに小気味よく移動したいなら、悪くない出費だと筆者には思えた。

エレクトロジェニック・ミニ・クーパー(英国仕様)のスペック

英国価格:3万2000ポンド(約534万円/ベース車両を除く)
全長:3051mm(標準ミニ)
全幅:1410mm(標準ミニ)
全高:1346mm(標準ミニ)
最高速度:−
0-100km/h加速:12.0秒(予想)
航続距離:160km(予想)
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:710kg(予想)
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
バッテリー:21.0kWhリチウムイオン
最高出力:51ps(121psまで対応)
最大トルク:23.8kg-m
ギアボックス:5速マニュアル

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
motorsport.com 日本版
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
くるまのニュース
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
VAGUE
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
バイクのニュース
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
モーサイ
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
Webモーターマガジン
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
バイクブロス
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」  理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
くるまのニュース
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
レスポンス
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
AUTOSPORT web
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
乗りものニュース
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
くるまのニュース
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

178.9209.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.0495.0万円

中古車を検索
ミニの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

178.9209.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.0495.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村