現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新型3列SUV「EQB」の後席は使える? 乗って分かった「実用性」 異なる駆動方式も解説

ここから本文です

新型3列SUV「EQB」の後席は使える? 乗って分かった「実用性」 異なる駆動方式も解説

掲載 19
新型3列SUV「EQB」の後席は使える? 乗って分かった「実用性」 異なる駆動方式も解説

■新型「EQB」はEVでは珍しい3列シート仕様!

 メルセデス・ベンツにとって、日本で販売するモデルとしては「EQC」や「EQA」に続く3台目となるEV(電気自動車)が「EQB」。
 
 同車はSUVの「GLB」の車体をベースにEVしたモデルですが、実用面において先輩たち2台とは大きく異なる特徴が3列目のシートを備えた7シーターとなっていることです。
 
 果たして、その3列目は実用的に使えるシートなのでしょうか。

【画像】ドイツ製EV唯一の3列目シートSUV「EQB」が良い! 実車を見る!(27枚)

「GLC」がベースでEQAよりも車体がひとまわり大きなEQCでも、全車が2列シートで3列モデルはありません。

 実はアメリカのテスラが販売するモデル以外は日本においてSUVタイプで3列シートのEVはなく、またEQBは欧州メーカーが日本で販売するEVのなかで唯一の3列シートモデルとなるのです。

 まずパッケージングについて確認すると、エンジン車のGLBとEVのEQBはまったく同じではありません。

 床下にバッテリーを搭載する都合上、EQBの床は2列目から3列目にかけて2cmから4cm(筆者計測)程度高くなっているからです。

 また、高くなった床に対して座面の高さがそのままではヒール段差(床と着座位置の高低差)が不足して乗車姿勢が適切ではなくなってしまうので、着座位置も(地面に対して)1cmから2cmほど高くなっていることが確認できました。

 つまり、EV化に合わせてパッケージングは再構築され、居住性はエンジン車のEQBとは異なるものとなっているのです。

 では、2列目や3列目の居住性はどうでしょうか。

 結論からいえば、乗り比べなければGLBとの大きな違いは感じられないかもしれません。

 まず2列目は、床と座面の高低差がわずかに低くなっていること、その結果として足の収まりに若干の変化が起きているのは事実です。

 しかし、頭上クリアランスは十分でEQBでも居住性は問題がないので、不都合を感じることはないでしょう。

 一方で3列目は、頭と天井とのクリアランスが2cmほど狭まっています。

 それもあって居住性が優れているとはいえませんが、そもそもエンジン仕様であっても広くてくつろげる空間というよりは補助席的な空間に過ぎなかったので、居住性は低下しているもののシートの実用性としては大きな変化はないともいえます。

 もちろん、体格の大きい人は座るのは厳しいですし、長時間乗車もお勧めしません。

 一方で、「ちょっとそこまで人を乗せる」とか「年に数回だけ近距離移動用に使う」というニーズは満たしてくれるでしょう。

■2WDと4WD異なる駆動方式は何が違うのか?

 ところでEQBにはもうひとつ、同社の日本向けのEVとしてはじめての試みがあります。それは2種類の駆動方式を用意していることです。

「EQB 250」の駆動方式がFFなのに対し、「EQB 350 4MATIC」の駆動方式は4WD。

 バッテリーは同じタイプ(66.5kWh)を搭載しますが、FFモデルの最高出力は190ps、4WDは292psと出力に大きな差がつけられています。

 当然、走りのフィーリングも大きく異なり、FFモデルはスーッと車速が伸びるように加速するのに対し、4WDモデルは背中からグイグイ押されるような強引な加速を実現。

 ただし、加速力としてはFFモデルでも十分で不満はなく、4WDモデルはEVらしさをアピールする過剰な性能といっていいかもしれません。

 高性能エンジンを積んだエボリューション的なモデルのようなポジションだと感じました。

 繰り返しますが、一般的にはFFモデルで十分な動力性能といえます。

 ちなみに前後ツインモーターとなる4WDの駆動配分はFFベースかと思いきや、通常の加速はリアモーターと後輪が担い、アクセルを踏み込んでハイパワーが必要になる状況だけフロントモーターと前輪も駆動する制御。

 これはFFモデルと4WDではフロントモーター自体が異なること(FFモデルフロントと4WDのリアには高効率な永久磁石同期モーターを搭載し、4WDモデルのフロントモーターはEQAと同じタイプを搭載)が関係しているようです。

 4WDはリアにより高効率のモーターを使いって日常時にはそれを活用しています。

 これにより、必要な状況だけフロントの高出力モーターを動かす制御とすることで66.5kWhと昨今のEVとしてはそれほど大きくないバッテリーながら292psの高出力と468kmと十分な航続距離を両立しているようです(FFモデルは同じバッテリーを使い航続距離は520km)。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス

みんなのコメント

19件
  • 使う人が決めればいい事。
    6人も7人も乗る事ないなら要らないでしよ。
    ジジババ含めて家族6人なら買えばいいし
  • この手の3列車にフル乗車してるの実際に見たことねーぞ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1680.02480.0万円

中古車を検索
FFの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1680.02480.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村