■新型「EQB」はEVでは珍しい3列シート仕様!
メルセデス・ベンツにとって、日本で販売するモデルとしては「EQC」や「EQA」に続く3台目となるEV(電気自動車)が「EQB」。
同車はSUVの「GLB」の車体をベースにEVしたモデルですが、実用面において先輩たち2台とは大きく異なる特徴が3列目のシートを備えた7シーターとなっていることです。
果たして、その3列目は実用的に使えるシートなのでしょうか。
【画像】ドイツ製EV唯一の3列目シートSUV「EQB」が良い! 実車を見る!(27枚)
「GLC」がベースでEQAよりも車体がひとまわり大きなEQCでも、全車が2列シートで3列モデルはありません。
実はアメリカのテスラが販売するモデル以外は日本においてSUVタイプで3列シートのEVはなく、またEQBは欧州メーカーが日本で販売するEVのなかで唯一の3列シートモデルとなるのです。
まずパッケージングについて確認すると、エンジン車のGLBとEVのEQBはまったく同じではありません。
床下にバッテリーを搭載する都合上、EQBの床は2列目から3列目にかけて2cmから4cm(筆者計測)程度高くなっているからです。
また、高くなった床に対して座面の高さがそのままではヒール段差(床と着座位置の高低差)が不足して乗車姿勢が適切ではなくなってしまうので、着座位置も(地面に対して)1cmから2cmほど高くなっていることが確認できました。
つまり、EV化に合わせてパッケージングは再構築され、居住性はエンジン車のEQBとは異なるものとなっているのです。
では、2列目や3列目の居住性はどうでしょうか。
結論からいえば、乗り比べなければGLBとの大きな違いは感じられないかもしれません。
まず2列目は、床と座面の高低差がわずかに低くなっていること、その結果として足の収まりに若干の変化が起きているのは事実です。
しかし、頭上クリアランスは十分でEQBでも居住性は問題がないので、不都合を感じることはないでしょう。
一方で3列目は、頭と天井とのクリアランスが2cmほど狭まっています。
それもあって居住性が優れているとはいえませんが、そもそもエンジン仕様であっても広くてくつろげる空間というよりは補助席的な空間に過ぎなかったので、居住性は低下しているもののシートの実用性としては大きな変化はないともいえます。
もちろん、体格の大きい人は座るのは厳しいですし、長時間乗車もお勧めしません。
一方で、「ちょっとそこまで人を乗せる」とか「年に数回だけ近距離移動用に使う」というニーズは満たしてくれるでしょう。
■2WDと4WD異なる駆動方式は何が違うのか?
ところでEQBにはもうひとつ、同社の日本向けのEVとしてはじめての試みがあります。それは2種類の駆動方式を用意していることです。
「EQB 250」の駆動方式がFFなのに対し、「EQB 350 4MATIC」の駆動方式は4WD。
バッテリーは同じタイプ(66.5kWh)を搭載しますが、FFモデルの最高出力は190ps、4WDは292psと出力に大きな差がつけられています。
当然、走りのフィーリングも大きく異なり、FFモデルはスーッと車速が伸びるように加速するのに対し、4WDモデルは背中からグイグイ押されるような強引な加速を実現。
ただし、加速力としてはFFモデルでも十分で不満はなく、4WDモデルはEVらしさをアピールする過剰な性能といっていいかもしれません。
高性能エンジンを積んだエボリューション的なモデルのようなポジションだと感じました。
繰り返しますが、一般的にはFFモデルで十分な動力性能といえます。
ちなみに前後ツインモーターとなる4WDの駆動配分はFFベースかと思いきや、通常の加速はリアモーターと後輪が担い、アクセルを踏み込んでハイパワーが必要になる状況だけフロントモーターと前輪も駆動する制御。
これはFFモデルと4WDではフロントモーター自体が異なること(FFモデルフロントと4WDのリアには高効率な永久磁石同期モーターを搭載し、4WDモデルのフロントモーターはEQAと同じタイプを搭載)が関係しているようです。
4WDはリアにより高効率のモーターを使いって日常時にはそれを活用しています。
これにより、必要な状況だけフロントの高出力モーターを動かす制御とすることで66.5kWhと昨今のEVとしてはそれほど大きくないバッテリーながら292psの高出力と468kmと十分な航続距離を両立しているようです(FFモデルは同じバッテリーを使い航続距離は520km)。
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みんなのコメント
6人も7人も乗る事ないなら要らないでしよ。
ジジババ含めて家族6人なら買えばいいし