大幅に中身が進化する可能性がある車種は新型を待て!
年度末商戦に向け、新車購入を検討しているという人は多いだろう。しかし、今買い換えるべきではない「タイミングの悪いクルマ」も存在する。そこで、後々後悔しないために、今はグッと堪えたい車種を5台ピックアップ。モータージャーナリストの渡辺陽一郎さんが解説する!
ボロくても問題なし!? 年度末の新車購入で「下取り車」が勝敗を分ける理由とは
1)マツダ・アクセラ
ミドルサイズのハッチバックでマツダの中心車種だが、2019年の中ごろにはフルモデルチェンジを受ける。
CX-5は先代型と現行型で同じプラットフォームを使うが、アクセラは違う。新しいスカイアクティブXが採用され、エンジンも自然着火方式の希薄燃焼方式で、スーパーチャージャーを併用する新型になる。すべてのメカニズムが飛躍的に向上するため、次期型を待つのが得策だ。
また今のマツダは意識的に値引きを抑えているから、フルモデルチェンジの直前になっても購入条件が大きく好転することはない。数年後に売却するときの金額も含め、いろいろな観点から見て次期型が買い得だ。
2)ダイハツ・タント
現行タントは2013年に発売された。緊急自動ブレーキを進化させるなど改良を受けているが、今ではモデル末期になり、フルモデルチェンジが近づいている。
ダイハツでは以前から新しいプラットフォームを開発しており、次期タントではこれが採用される。軽量化とボディ剛性の向上で動力性能と安定性が高まり、後席の座り心地なども改善されるから、次期型を待ちたい。
値引きについても、粗利の少ない軽自動車はもともと少額だから、現行型を選んでも金額の大幅な上乗せは期待できない。そうなると仮に値引きが大幅に引き締まっても、次期型を買うのがトクだ。数年後の査定額でも新型が有利になる。
3)日産デイズ&デイズルークス/三菱eKワゴン&eKスペース
デイズ&eKシリーズも設計が古くなった。緊急自動ブレーキは歩行者を検知できるようになったが、ノーマルエンジンは動力性能が低く、燃費、走行安定性、乗り心地には設計の古さが散見される。
そして今は次期型の開発が進められている。現行型は三菱が開発と生産を受け持つが、次期型は日産が開発、生産は三菱が行う。先に挙げた走行性能や燃費の欠点は、日産によって大幅に改善されるはずだ。次期型はまずデイズとeKワゴンが2019年には発売されるから、これを待つのが良い。その後にデイズルークスとekスペースが投入される。仮に現行型を選ぶなら、商品力の高いN-BOXと入念に比べて判断したい。
あの大人気ミニバンも今は待つのが得策!
4)トヨタ・ヴィッツ
ヴィッツは2010年の発売だから、基本設計が古い。緊急自動ブレーキは歩行者を検知できるようになったが、内装の質感とデザイン、後席の快適性、荷室の広さと使い勝手、乗り心地、運転支援の機能などは、ライバル車のフィットにかなわない。
そこで次期型は、プラットフォームを大幅に刷新して走行性能や乗り心地を向上させる。フォルクスワーゲン・ポロのような欧州車と直接比較できるようなクルマに仕上げる可能性もあるから、これを選ぶのが得策だ。
また現行型は発売から8年以上を経過するため、中古車市場には同型の車両が大量に流通している。設計も古くなって数年後に売却する時の金額も下がるから、現行型は見送って次期型を選びたい。
5)トヨタ・アルファード&ヴェルファイア
大人気のLサイズミニバンだが、2018年10月に実施されたマイナーチェンジの影響を受けて、納期が約4カ月に伸びているから注意したい。
現時点でアルファード&ヴェルファイアのエコカー減税対象車はハイブリッドだけなので、2019年4、5月に新しい減税基準が施行されても、購入時の免税は維持されて変更はない。
しかし購入から3年後の車検時に納める自動車重量税は、2019年のエコカー基準変更で免税対象外になることも考えられる。購入を諦める必要はないが、納期が長いために現行エコカー減税の期間中には登録できず、減税面では不利になってしまう。
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