多くのクルマ好きから愛されるBMWのMモデル。その中でも特に熱心なファンを持つのが、3シリーズと共に進化を続けてきた「M3」だろう。その最新モデルが、ついに日本上陸を果たした。
先代3シリーズよりクーペが独立し、「4シリーズ」へと昇格したことで、新たに「M4」というボディ違いの兄弟を持つことになったが、最新世代でも、そのいずれもが日本導入されるのは朗報である。
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アクの強さで賛否を呼んだ大型の新キドニーグリルを備えた新型M3/M4の日本仕様についてお届けしよう。
文:大音 安弘、写真:BMW
【画像ギャラリー】BMW MハイパフォーマンスモデルのM3/M4の全て
高性能であり、最先端なM
BMWは、2020年1月26日、BMWの高性能モデルであるMハイパフォーマンスモデルの最新作「M3」及び「M4」の発売を発表した。価格は、1298万~1460万円となる。
BMW M3セダンとBMW M4クーペは、3シリーズセダンと4シリーズクーペの性能と価格の両面で頂点に位置するフラッグシップスポーツだ。その守備範囲は、公道からサーキットまでと幅広い。
つまり、標準車でもサーキット走行を楽しめる性能を備えている特別なモデルであり、そのライバルとなるのは、世界の一流スポーツカーたちだ。
Mの中核的モデルでもあるM3とM4
個性的なマスクの意味するものは!?
新型M3とM4で最も注目されるのは、新しい縦長のキドニーグリルによる個性的なスタイリングだろう。4シリーズで初採用された縦長のキドニーグリルだが、水平基調のダブルバーを採用した専用デザインに改められる。これはエンジン冷却性能を高めるのも狙いだ。
サイドビューは、ワイドトレッド化によるブリスターフェンダーに加え、フロントフェンダーのサイドギル、ツインアームのドアミラーなどが特別感を演出。
さらにリヤビューは、迫力の4本出しのMスポーツエキゾーストとディフューザーの組み合わせが、低重心と安定感ある走りを予感させる。
癖のあるキドニーグリルは、迫力だけでなく、エンジン冷却性能の向上も大きな目的だ
二つの味付けを持つ直6ツインターボ!
新型Mのパワーユニットには、従来型同様に3.0L直列6気筒DOHCツインターボエンジンが採用されるが、その性能は大幅に向上されている。標準仕様は、最高出力480ps/6250rpm、最大トルク550Nm/2650~6130rpmを発揮。これに6速MTが組み合わされる。
上位仕様となるコンペティションは、最高出力510ps/6250rpm、最大トルク650Nm/2750~5500rpmを発揮し、その差は最高出力で30ps、最大トルクで100Nmにも及ぶのだ。トランスミッションは、8速DCTのMステップトロニックのみとなる。
BMW伝統のシルキー6は、最大510psを叩き出す。従来型コンペティション比だと70psもの差となる
日常性能も犠牲としないM
先進の運転支援機能は、他モデル同様に搭載されており、高性能3眼カメラ&レーダーのセンシング機能を搭載。衝突被害軽減ブレーキやACCなどはもちろんのこと。高速道路渋滞時にドライバーの疲労を軽減させる「ハンズオフ機能付き渋滞子運転支援機能」まで備える。
またテレマティクスサービス「BMWコネクテッドドライブ」やAI技術を活用した音声操作機能「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」など、他の最新BMW同様の先進機能をしっかりと押さえている。
アグレッシブな存在のMだが、他のBMW同様の最新機能もしっかりと搭載する
ストイックなトラックパッケージ登場
もちろん、よりサーキット走行を意識したストイックな仕様も用意される。それが「コンペティション トラックパッケージ」だ。運動性能を高めることを目的に、先進安全運転機能をレス化し、約25kgの軽量化を実現。
さらにMカーボンセラミックブレーキ、Mカーボンバケットシート、M Drive プロフェシェナルなどの走行性能を強化するアイテムも標準化される。
レーシーなMカーボンバケットシート。4点式ベストにも対応する形状だ
日本仕様についてまとめ
最後に日本仕様についてまとめておきたい。M3セダンは、右ハンドル仕様のみで全仕様がATだ。グレードは、「コンペティション」と「コンペティション トラックパッケージ」の2種類となる。
いっぽう、2ドアという趣味性から、M4クーペは、より細やかなバリエーションを揃える。
まず標準仕様は、M4のみの設定で、6速MTとなるのが大きな魅力。上位の「コンペティション」と「コンペティション トラックパッケージ」が用意されるのは、M3同様で、いずれもAT車のみ。
ただしM4では、全グレードでステアリング位置が左右共に選択可能となる。
公表されたラインアップは、従来型同様にFRのみだが、今秋には、4WD仕様の「M xDrive」も追加される予定だ。
最新のMモデルでは、ハイパワーを活かすべく、4WD化にも積極的。すでにトップオブMであるM8は、すべてが4WDとなっている。
選択が可能なM3とM4の日本仕様では、FRと4WDがどのように棲み分けが図られるかは、気になるところだ。
特殊なモデルだけに、FRのラインアップ縮小も十分にあり得るだろう。それだけにFR狙いのファンは、今後の動向にも注視してほしい。
新生M3/M4は、FRに拘るか、4WDのトランクションを活かした走りを楽しむかも新たな楽しみとなる
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やっぱベンベーサイコーッ!