現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > すばらしきタルガの世界(3) ポルシェ911タルガ vs トライアンフTR5

ここから本文です

すばらしきタルガの世界(3) ポルシェ911タルガ vs トライアンフTR5

掲載 更新
すばらしきタルガの世界(3) ポルシェ911タルガ vs トライアンフTR5

もくじ

ーポルシェが選んだタルガという「手法」
ートライアンフ ルーフの構造
ーサリートップ ふたつの効用
ー2台のスペック比較/もうひとつの選択肢

すばらしきタルガの世界(2) トヨタMR2 vs ランチア・モンテカルロ・スパイダー

ポルシェが選んだタルガという「手法」

コンバーチブルはボディの補強で重量がかさむ。それを最小限にすべくポルシェが考案し、67年型911に導入したのがタルガトップだ。

74年までのサテン仕上げのステンレス製ロールバーなら、見栄えはさらに美しい。

初年度は樹脂製のリアウインドウをジッパーで開閉できるタイプだったが、翌年にはより文明的なガラス製リアウインドウがオプションで用意され、71年からそれが標準になった。

今回の取材車はジョン・ウィリアムズの73年型2.4Sタルガ。911のなかでも最も希少価値の高い1台だ。初めて右ハンドルで英国に輸入された49台のひとつであり、そのうち現存している6台のひとつでもある。

ポルシェ愛好家の彼も、6桁(10万ポンドの桁)の価格にはなかなか手を出せないでいたという。

「最初にこれを見たのは26年前のことです。当時のわたしの上司の愛車でした。21年かけて彼と交渉し、ようやく手に入れたんです。今は自宅の居間に同居していますよ!」

ポルシェが我々にもたらしたのは、タルガというスタイルと名前だけではない。

テンションを効かせて張ったビニール製トップを取り外すと、小さく畳んでフロントのラゲッジスペースに収納できる。これは特許技術だ。

しかし実はトライアンフがポルシェより5年早く、サリートップで同様のコンセプトを採用していた。

トライアンフ ルーフの構造

61年9月にTR4に導入されたのは、ボルトオンのガラス製リアウインドウに2タイプのルーフを組み合わせるオプション。

ひとつは4本のボルトで固定するスチール製のハードトップだが、取り外したときに収納する場所がない。

もうひとつがビニールレザー製のサリートップで、幌骨を折り畳むと後席スペースに収まるというものだ。このサリートップはTR4A、TR5に受け継がれたが、TR6では選べなくなった。

かつて3台のTR6を所有していたアンディ・マコナンは3年前、それらを売り払った資金をTR5に注ぎ込んだ。

「TRレジスター」というトライアンフのオーナーズクラブのイベントで今年、銀賞を得たクルマである。

「ちょっとズルをして、レストアが完了したクルマを買ったんだ」とマコナン。「クラブの仲間達と、これまでにスパやニュルブルクリンク、ル・マン・クラシックに出掛けたよ」

サリートップにはふたつの効用がある。

サリートップ ふたつの効用

サリートップのひとつ目の効用は、固定式のリアウインドウがボディ剛性を高め、トライアンフには付き物の振動やボディシェイクを軽減してくれることだ。

スチールトップをボルトオンすれば、この効果はもっと大きくなる。

しかし、やはりトップは開けて走りたい。嬉しい発見だったのは、風がほとんど入ってこないこと。これがふたつ目の効用だ。

帽子を深く被らなくても、トライアンフの古き良き伝統を楽しめる。軽いと言われる911よりさらに軽量なTR5は、トルクもより太く、走りはいつでも活発だ。

それに加えてアシストのない正確なステアリング、挙動を予測しやすいハンドリングがあるのだから、TR5が引っ張りだこなのは容易に想像できるだろう。

911は究極的にはTR5より速いが、その能力をフルに引き出すには高回転域を使う必要がある。

ボディの剛性感も高いし、ドライバーとコミュニケートする能力は感嘆もの。ステアリングインフォメーションはあり余りほどで、自信を持ってハードに攻めることができる。

エンジンがフロントにないことも、クルマが実際以上に軽く感じる要因だ。風の巻き込みは911もわずか。

だからこそ、エンジンが生み出すメカニカルな推進力のすべてをダイレクトに感じ取れるし、キャビンに響くエグゾーストノートに心を熱くすることもできるのである。

2台のスペック比較

モデル名ポルシェ911 2.4S タルガトライアンフTR5
生産台数 1894台 2947台
シャシー スチールモノコック スチールモノコック
エンジン SOHC水平対向4気筒2341cc OHV6気筒2498cc
エンジン配置 リア縦置き フロント縦置き
駆動方式 後輪駆動 後輪駆動
最高出力 193ps/6500rpm 152ps/5500rpm
最大トルク 22.0kg-m/5200rpm 22.7kg-m/3500rpm
トランスミッション 5速マニュアル 4速マニュアル
乾燥重量 1167kg 1052kg
0-97km/h加速 6.6秒 8.8秒
最高速度 230km/h 192km/h
もうひとつの選択肢

ランボルギーニ・ジャルパ

シルエットの進化型で、スターウォーズ的なスタイリングはややおとなしくなったが、ミッドに積むV8は500cc拡大されて3.5ℓ。

着脱式ルーフパネルは、シルエットの黒いFRP製からボディ共色のスチール製に変更されている。

こんな記事も読まれています

日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
くるまのニュース
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
VAGUE
総長のビュイックで練習し、運転免許を取得!?|長山先生の「危険予知」よもやま話 第30回
総長のビュイックで練習し、運転免許を取得!?|長山先生の「危険予知」よもやま話 第30回
くるくら
コンパクトバッテリーで小型軽量化!「18V XR ブラシレス・インパクトドライバー」がデウォルトから12月上旬発売
コンパクトバッテリーで小型軽量化!「18V XR ブラシレス・インパクトドライバー」がデウォルトから12月上旬発売
バイクブロス
2024年新型イプシロン登場で高らかに復活したランチア!! 10年前は消滅の噂が絶えない大ピンチだった[復刻・2013年の話題]
2024年新型イプシロン登場で高らかに復活したランチア!! 10年前は消滅の噂が絶えない大ピンチだった[復刻・2013年の話題]
ベストカーWeb
ポルシェがサーキットで最高のパフォーマンスを発揮する、モータースポーツテクノロジー
ポルシェがサーキットで最高のパフォーマンスを発揮する、モータースポーツテクノロジー
LE VOLANT CARSMEET WEB
ドゥカティ スクランブラー・アイコン試乗「初めての大型車にもアリ!? 軽い車体に元気なエンジン、日常的な速度域が楽しい」
ドゥカティ スクランブラー・アイコン試乗「初めての大型車にもアリ!? 軽い車体に元気なエンジン、日常的な速度域が楽しい」
モーサイ
トリッキーなステージに苦戦の声「どれも本当に過酷」「ハードでもオーバーヒート」/ラリージャパン デイ3コメント
トリッキーなステージに苦戦の声「どれも本当に過酷」「ハードでもオーバーヒート」/ラリージャパン デイ3コメント
AUTOSPORT web
斬新なのは顔だけじゃない! キアの3列シートSUV最強『EV9 GT』発表…ロサンゼルスモーターショー2024
斬新なのは顔だけじゃない! キアの3列シートSUV最強『EV9 GT』発表…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
EUROCARBODY 欧州のエンジニアが選んだ1位はホンダN-VANe
EUROCARBODY 欧州のエンジニアが選んだ1位はホンダN-VANe
Auto Prove
「個人的な想いは捨ててきた」と勝田。ラリージャパン最終日で、タイトル防衛のための葛藤を明かす
「個人的な想いは捨ててきた」と勝田。ラリージャパン最終日で、タイトル防衛のための葛藤を明かす
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツ CLEカブリオレにボディを拡大したAMG53 4MATIC を追加
メルセデス・ベンツ CLEカブリオレにボディを拡大したAMG53 4MATIC を追加
Auto Prove
「永遠に有料…?」 とっくに無料化されている“はず”の道路たち なぜまだお金とるの?
「永遠に有料…?」 とっくに無料化されている“はず”の道路たち なぜまだお金とるの?
乗りものニュース
トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
くるまのニュース
結局さぁ……日産[GT-R] とヒョンデ[IONIQ5 N]って結局どっちが良いの??
結局さぁ……日産[GT-R] とヒョンデ[IONIQ5 N]って結局どっちが良いの??
ベストカーWeb
直6のMシリーズが欲しいならE34型「M5」が狙い目! BMWのヤングタイマーで最高の1台を600万円で手に入れられる!?
直6のMシリーズが欲しいならE34型「M5」が狙い目! BMWのヤングタイマーで最高の1台を600万円で手に入れられる!?
Auto Messe Web
【このAMGゲレヴァーなんぼ?】V12を搭載したゲレンデヴァーゲン 生産台数わずか5台の「メルセデス G63 AMG V12」の価格は?
【このAMGゲレヴァーなんぼ?】V12を搭載したゲレンデヴァーゲン 生産台数わずか5台の「メルセデス G63 AMG V12」の価格は?
AutoBild Japan
トヨタ、2025年のWRC参戦体制を発表。勝田貴元含む4名のフルタイムドライバーを揃え全タイトル獲得目指す
トヨタ、2025年のWRC参戦体制を発表。勝田貴元含む4名のフルタイムドライバーを揃え全タイトル獲得目指す
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1943.02614.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

363.06380.0万円

中古車を検索
911 カブリオレの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1943.02614.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

363.06380.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村