現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > “雪道4WD車最強説”本当? 2WD車ではダメ? FFとFRなら雪道が得意なのはどっちなのか

ここから本文です

“雪道4WD車最強説”本当? 2WD車ではダメ? FFとFRなら雪道が得意なのはどっちなのか

掲載 179
“雪道4WD車最強説”本当? 2WD車ではダメ? FFとFRなら雪道が得意なのはどっちなのか

■4WDなら全部無敵!…と言うわけでもない?

 いよいよ本格的に冬が到来し、降雪地帯では道路に積雪や凍結が発生する季節になりました。雪道と聞くと、安全に走行できるか心配になる人もいるでしょう。雪道は乾燥路とは違う条件になるため、初心者だけでなく、熟練ドライバーも注意をしなくてはなりません。

あれ?「スマートキーが作動しない!」 突然発生する「車の鍵トラブル」 電池切れじゃない「意外な原因」があった?

 安全に雪道を走る対策としては、まず冬用タイヤを準備する必要がありますが、その前に愛車の駆動方式を気にする人もいるでしょう。果たして駆動方式は、雪道運転にどんな違いを生むのでしょうか。

 雪道で強力なのはやはり四輪駆動車、いわゆる4WD(AWDや4×4ともいう)です。四輪に駆動力を伝える4WDは、前輪の「引く力」と後輪の「押す力」の両方を発揮するため、雪道で発生しやすくなるスリップを最低限に抑えてくれます。

 では、2WDの場合はどうなのでしょうか。まず、昨今のクルマのスタンダードとなる駆動方式「FF(フロントエンジン・フロントドライブ)」は、比較的雪に強いと言われています。エンジンの重さが駆動輪に荷重されるFFは、発進時にタイヤのトラクションがかかり、空転せずにスタートすることができます。

 また操舵輪と駆動輪が同じであるため、コーナーも安定して曲がることができ、登坂能力もなかなかに優れているところを見せてくれます。そこそこの深雪も、FFであれば前進することができます。

 一方で、下り坂ではフロントタイヤに荷重が一気にかかってしまうため、タイヤ性能のキャパシティを超えてしまうとコントロール不能に陥る可能性があります。さらにコーナーの途中でアクセルペダルを一気に戻してしまうと、リアのタイヤ荷重が抜けてしまう“タックイン”という現象が発生し、リカバリー能力のない人には手に負えない状況になることがあります。

 雪道でFFを安全に運転するコツは、まずアクセルの開閉を少なくし、ステアリングを切る時はゆっくりと早めに。スピードコントロールの時も、慌ててアクセルペダルから脚を離さないということがポイントになります。

 FR(フロントエンジン・リアドライブ)は、もっとも雪道に弱い駆動方式と言われています。操舵輪と駆動輪が別々なため、駆動輪が後ろから押してしまって、操舵輪のトラクションやグリップを低下させてしまうからです。いゆわる「プッシュアンダー」という現象で、下り坂では特に注意が必要です。

 登りでは後輪に過度な荷重移動がおこなわれることが多いため、あまりに酷い凍結路の場合はタイヤが空転して登れない、もしくは車体が左右に振られるという事象が発生します。さらに深雪では、後ろから押す力が働くため、車体のノーズが埋まり気味になって、スタックしてしまったりするのです。

 雪道ではいいところがない気がするFRですが、コントロール性で見れば、むしろ4WDよりも上。テールスライドや四輪ドリフト状態になっても、ある程度慣れたドライバーであれば、アクセルとブレーキでリカバリーすることが可能です。

FRはアクセルを戻すことでタイヤのトラクションが復活し、テールスライドをコントロールすれば、クルマの向きを早めに変えることもできます。むしろ、こうした状態を楽しんでいるFR車オーナーもいるかも知れませんが、公道ではリスクが非常に高いので、無理をするのは絶対にやめましょう。

 さて、雪道最強と思われている4WDですが、決してそういうわけではありません。例えば、スタンバイ4WDと呼ばれるタイプのフルタイム4WDは、通常はFFで走り、駆動輪がスリップするとようやく後輪に駆動トルクを伝えます。つまり、普通に走っている状態ではFFと変わらないのです。

 最近のフルタイム4WDは、各センサーからの情報を基に早めに各輪の駆動トルクを制御して、セーフティファーストにする傾向にありますが、決してスリップしないというわけではありません。

 また悪路全般に強いパートタイム4WDは、深雪を力強く進むがゆえに、性能キャパシティを超える深雪にハマる恐れが高くなります。気がついたら、車体下に雪がごっそりと詰まり、亀の子になって脱出できないということもあり得ます。

 どんな駆動方式でも、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンのトラクション・グリップ性能、そして車体構造を超えてしまうと、危険域に入ってしまいます。反対に、どんな駆動方式であろうとも、その運動原理を理解しながら、細やかに運転してやれば、楽しく安全にドライブすることができます。

 気象庁の発表によれば、2023シーズンの冬は例年よりも寒く、降雪量も多いかもしれないとのこと。降雪地帯に出かける前に、駆動方式の違いによる車両の動きやスタッドレスタイヤの働きを復習してみてはいかがでしょうか。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

179件
  • 登り坂は4WDの圧勝。
  • 要は、その車に合わせた運転だけど、やっぱり四駆の方が楽。
    あっ、FF.FR.AWD.四駆っと乗ってきた者で北東北の人間です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1680.02480.0万円

中古車を検索
FFの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1680.02480.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村