軽自動車区分の小型トラックが軽トラックで、略して軽トラと呼ぶ。
軽トラは全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mm以下、エンジンの排気量は660cc以下という軽自動車規格に加え、最大積載量が350kg以下と規定されている。
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1949年に初めて軽自動車規格が制定されてからこれまで排気量拡大、ボディサイズの大型化などが行なわれ現在に至る。
軽乗用車が制限のあるサイズ内でいかに広い室内スペースを確保するかに注力してきたのに対し、軽トラはできるだけ長い荷室長を確保し、広い荷室スペースを実現すべく切磋琢磨してきた。
言ってみれば軽トラは道具としての機能を追求してきたわけで、農作業やデリバリーといった仕事に使われることがほとんどで個人ユースは少数派だ。
軽トラ=白といっていいほど売れているのは白だ。会社名を入れたり、汚れやキズを気にせずにすむから白が売れるのは当たり前だが、軽トラながら個性的なボディカラーを纏ったモデルを紹介していく。
文:ベストカーWeb編集部/写真:DAIHATSU、HONDA、SUBARU
軽トラのイメージを大きく変えた! ダイハツハイゼットトラック
ハイゼットトラック
デビュー:2014年9月(2019年5月現在販売中)
価格:84万2400~140万9400円(ボディカラー選択可能なモデル)
販売台数(2019年4月):6432台(白、シルバー以外の6色:全体の15%にあたる965台)
ダイハツハイゼットトラックは2010年から9年連続で軽トラ販売ナンバーワンに君臨し続け、2018年は7万9123台を販売。2018年軽トラ全体の販売台数が約18万台だから、ハイゼットトラックのシェアは40%オーバーにもなる。押しも押されぬ軽トラのナンバーワンブランドなのだ。
現行ハイゼットトラックは2014年9月にフルモデルチェンジ。道具として乗降性の向上、豊富な収納スペースなど基本性能を進化させたのは当然ながら、注目はパックオプションを豊富に設定したことにある。
ハイゼットトラックは需要の高い白、シルバーに加えヴィヴィッドなオレンジメタリックなど6色の珍しいボディカラーを設定しユーザーが選べるようにしたのはすばらしい
農林水産省『農業女子プロジェクト』との連携により、ハイゼットトラックにはこれまでの軽トラックの常識を覆し、イメージを大きく変えるチャレンジがふんだんに盛り込まれている。
UV&IRカットガラスやスーパークリーンエアフィルターといった女性が喜ぶ装備を満載した『ビューティパック』を筆頭に、『スタイリッシュパック』、『農業女子パック』、『キャビンパック』、『荷台パック』、『安全パック』、『省力パック』、『ストロング防錆パック』、そして今回紹介する『選べるカラーパック』だ。
軽トラは会社名を入れたり、作業車として使うからのボディカラーはほとんどが白かシルバー。それに対しハイゼットトラックは白、シルバーのほかに6色のボディカラーをラインアップし、カラードドアミラー&ドアハンドルを組み合わせるなどスタイリッシュ。
燃費もいいし、自動ブレーキ装着モデルも設定されているし、LEDヘッドランプも選ぶことができるので、作業車としてのニーズだけでなく普段のアシとして使う人も増えているというのも頷ける。
ボディカラーが白じゃないだけで軽トラがスタイリッシュかつオシャレに大きくイメチェンすることに成功した功績は大だ。
白、シルバー以外の選択肢なし、という軽トラにおいて15%が白、シルバー以外を選択しているというのは快挙と言っていいかも。ダイハツの遊び心、ナイスです。
白、シルバーの標準色以外で最も人気があるのはシブいオフビートカーキメタリック。2番人気がブラックマイカメタリック、3番人気がミストブルーマイカメタリック
どっちを選ぶか悩む!! ホンダアクティトラックスピリットカラースタイル
アクティトラックスピリットカラースタイル
デビュー:2018年11月(特別仕様車:2019年5月現在販売中)
価格:113万5080~126万4680円
販売台数(2018年11月~2019年4月):480台(アクティトラック7996台の6%)
ダイハツハイゼットは、トヨタ、スバルに、スズキキャリィは日産、三菱、マツダにそれぞれOEM供給され、それぞれのブランドで販売されている。それに対しホンダはオリジナル軽トラのアクティトラックを販売中。
1963年に当時2輪メーカーだったホンダが初めて作った4輪車がT360で、2018年11月にT360誕生55周年を記念した特別仕様車『スピリットカラースタイル』を発売開始。
TOWNというタイプをベースにT360のオマージュした『ベイブルー×ホワイト』、ホンダパワープロダクツ(耕耘機、除雪機、発電機など)をイメージした『フレームレッド×ブラック』という2タイプのツートーンカラーを新設定している。
『ベイブルー×ホワイト』はレトロな感じもありながらスッキリ爽やかなイメージに仕上げられている。いっぽう『ブレームレッド×ブラック』は贅肉のないアスリートのカラダを想像させ派手でカッコいい。
スピリットカラースタイルは特別仕様車とはいうもののそこはホンダ。期間限定でも台数限定でもない。
ホンダは特別仕様車がそのままカタログモデルとして残るケースが多く、アクティトラックのスピリットカラースタイルもそうなる可能性はある。実際に2019年5月現在でもほとんどカタログモデルのように販売されている。
2018年11月~2019年4月まででアクティトラックは7996台を販売していて、スピリットカラースタイルはその6%の480台となっている。『ベイブルー×ホワイト』、『フレームレッド×ブラック』の比率はほぼ半々だという。
少数派ではあるが、スピリットカラースタイルは存在感抜群。ホンダには今後もチャレンジを続けて楽しませてもらいたい。
ホンダの4輪車第1号のT360のイメージカラーを纏ったアクティトラック。どことなくレトロだが、スッキリ爽やかなイメージで好感度は高い
機能美を突き詰めたようなイメージに仕上げられている。赤と黒のコントラストがスパルタンでカッコいいので業務用だけで使うにはもったいない
8年たっても新車価格より高い!? スバルサンバートラックWRブルーリミテッド
サンバートラックWRブルーリミテッド
デビュー:2011年7月(バンと合計1000台の限定販売)
価格:89万9000~111万8450円(新車時・税込)
販売台数:570台(バンは430台)
スバルサンバーの初代モデルは1961年にデビュー。リアエンド荷台床下にエンジンを搭載し、駆動方式はRRと4WDをラインアップ。抜群のトラクションと操安性で走行性能でライバルを凌駕。
そのサンバーもスバルが軽自動車の自社開発・自社生産から撤退したことで、ダイハツハイゼットのOEMとなってしまった(駆動方式はFF)。7代目がOEM版のサンバートラックの初代となり2014年はハイゼットトラックのフルモデルチェンジに合わせ8代目が登場している。
今回注目したいのは、スバルオリジナルの最終モデルである6代目のサンバートラックに設定された特別仕様車のWRブルーリミテッド。2019年5月現在では8年が経過することになるが、オリジナルカラー軽トラの象徴的モデルだ。
このWRブルーリミテッドはサンバーデビュー55周年を記念したモデルで2011年にデビュー。スバルのWRC時代からのアイデンティティとなっているWRブルーマイカのボディカラーが目に眩しい1台だ。
内装もブラックのシートにイエローのステッチが入るなどセンス抜群。
トラックとバンを合わせて1000台限定で発売(トラックが570台、バンが430台)。オリジナルサンバーの最終モデルであること、WRブルーのカラーリングなどマニア垂涎の1台
バンとトラック合計で1000台が限定で販売されたが、あっという間に完売。あまりの人気に若干増産したという情報もあるくらい欲しい人が続出。
スバルオリジナルのサンバーの最終型は今でも人気が高く、8年落ちでも新車価格と変わらない90万円前後の価格を付けている中古車が多いことにビックリするが、WRリミテッドの相場は新車価格の約1.5倍の150万円前後!
[usedcar-search carname="サンバートラック" limit="2"]
デビュー直後に完売し、中古車マーケットではプレ値がついていたサンバートラックWRリミテッドは今でもプレ値がついて超高値安定、一部ではコレクターズアイテムとなっているという。
★ ★ ★
軽トラックにおいて販売台数は王道の白に比べると微々たるものかもしれないが、鮮やかなボディカラーは道具としてだけでなく、新たなライフスタイルを提案するアイテムになる可能性を秘めている。
実用性重視の軽トラだからこそ、遊び心によって新たな魅力を付加される。今後販売台数が伸びなくても、カラフルな軽トラを作り続けてもらいたい。努力、チャレンジする姿は美しい!
ハイゼットトラックの目にも鮮やかなトニコオレンジメタリックは販売台数は少ないが、商用車ながら華やかで見る者を元気にしてくれる効果あり。存在するだけで価値がある!
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