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【最新モデル試乗】本格電気自動車時代の到来! トヨタbZ4XとSUBARUソルテラ、すべてに自然体の実力車が切り開く未来とは?

掲載 更新 18
【最新モデル試乗】本格電気自動車時代の到来! トヨタbZ4XとSUBARUソルテラ、すべてに自然体の実力車が切り開く未来とは?

2台は期待の新星。斬新SUVルックのBEV

 昨年末のトヨタの「バッテリーEV戦略に関する説明会」はなかなか衝撃的だった。大量に公開されたコンセプトカーの中で最前列にあったのがbZ4Xである。そのbZ4XとSUBARU(スバル)のソルテラが、そう遠くないうちに発売されることが公表された。
 bZ4Xとソルテラは、2018年ごろにトヨタでプロジェクトが始動。それにスバルが合流する形で、両社合同チームが開発を進めてきた。生産はトヨタが担う。

トヨタBEV戦略(1):トヨタが2030年までに30車種のバッテリーEVの展開を予告。まずは「ゼロを超えたその先へ=beyond ZERO」を謳うbZシリーズが始動

 発売前のプロトタイプに試乗した。bZ4Xはサーキット、ソルテラは雪上でチェックした。
 外観はSUVルック。基本フォルムこそ同じだが、わかりやすく作り分けられている。ボディサイズは全長×全幅×全高4690×1860×1650mm。全高をSUVとしてはやや低めに設定したのは、居住性を確保しつつ前面投影面積を小さくするため。それでいてスバル側の強いコダワリにより210mmの地上高を確保している。ホイールベースは2850mmと長めの設定になる。

 インテリアはなかなか先進的だ。ステアリングホイールの奥側に配されたトップマウントメーターは視認性に優れ、ダッシュも低いおかげで見晴らしがよい。ヘッドクリアランスはさほど大きくないが、足元のスペースは広く確保されている。なお、両車は内装色や一部の装備で違いを演出。走りに関しては「ダンパーと電動パワーステの味付けが微妙に異なる」という。

FWDは中間加速が軽やか。ともに走りは高水準

 bZ4Xはフロントに150kWのモーターを搭載するFWD車と、前後に80kWのモーターを積む4WD車に試乗した。車重はFWD車が1920kg、4WD車が2005kgと伝えられている。
 動力性能はまずまず。高性能BEVに乗り慣れた身にとっては驚くほどのものはないにせよ、リニアなアクセルレスポンスと伸びやかな加速フィールなどBEVの強みは十分に体感できる。0~100km/h加速タイムはFWDが8.4秒、4WDは7.7秒と異なるが、軽量なFWD車のほうが中間加速は軽やかに感じられた。

 フットワークは素直だ。フロア下にバッテリーを搭載する効果で重心の高い感覚は小さく、全高を抑えたことも効いてコーナリング時のロールは小さめ。最低地上高が210mmもあるとは思えない動きを見せる。
 VSCの制御が非常に的確な点にも感心した。存在を感じさせないほど介入はスムーズで、何かに邪魔される印象はない。イメージしたラインが正確にトレースでき、まさしく意のままに走れた。

 VSCをOFFにして攻めると、VSCがいかによい仕事をしているのかを実感する。FWD車は、ややフロントヘビーの傾向で、前で引っぱる感覚が強い。アンダーステアやオーバーステアが出やすい。4WD車はその度合いが圧倒的に小さく、挙動が乱れにくい。それだけバランスがよいのだろう。

雪上でも光る走り。完成度の高さを実感!

 走りの高バランスは、雪上のソルテラ(4WD)でいちだんと顕著に感じた。VSCをOFFにしてオーバーアクションぎみに走ると、暴れるとまではいかないが、それなりに挙動が乱れる。対してONNにするとピタッと収まる。
 ドライビングを楽しむにはTRCをOFFにするのがベター。意図的にテールスライドさせながらもフロントは狙ったラインを大きく外れることはない。意のままの走りが、積極的に味わえる。
 アクセルペダルを緩めると減速度が増して滑らかに減速させる「回生ブースト機能」は両車が採用。ソルテラはパドルで回生の強さを選べるようになっていた。雪道ではこれが重宝した。

 装備では、ソルテラにはリアシートヒーターの設定があり、フロントシートヒーターの面積も広くなっている。一方、bZ4Xには前席乗員の足元にトヨタ車初となる輻射ヒーターを採用した。
 BEV専用のプラットフォームを活かしたパッケージは、「全席等価値」がコンセプト。前後席間距離が1mというだけあって後席のひざ前はかなり広い。

 bZ4Xとソルテラは、全体として非常にそつのない仕上がりであることが印象的だった。今後トヨタ、そしてスバルは、さまざまなBEVを展開する予定。まずは上々の滑り出しといえそうだ。

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