■最強ドンカーブート「D8 GTO」誕生
「No compromise=妥協しない」という言葉を企業哲学に掲げるオランダのドンカブート・アウトモビーレン社は、創業者のヨープ・ドンカブートによって(オランダ語での発音では、正確にはドンケルフォールトに近い)設立されたメーカーだ。
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当初ドンカブートがおこなっていたのは、ケータハム製セブンのキットカー販売だったのだが、おもに安全上の理由で政府によって禁止されると、独自のセブン・レプリカの開発と生産をおこなうことになる。そうした経緯から1978年にデビューしたのが、ファーストモデルの「S7=スーパー・セブン」であった。
1978年に生産を開始したS7は、その後「S8」、「S8A」、「S8AT」と、1990年代半ばまで進化を続けるが、ここまでのモデルに搭載されていたのはフォード製2リッター直列4気筒、もしくは2リッター/2.2リッター直列4気筒ターボで、もっとも高性能だった2.2リッターツインターボのS8ATの最高出力は190psにも達していた。
彼らの企業哲学をそのまま具現化したかのようなクルマは、限られたパワーで走りの極限を追求するために、快適性などに妥協しない硬派な造りが徹底されていた。
1999年になると、ドンカブートは新たにドイツのアウディとエンジン供給の契約を締結。1.8リッター直列4気筒ターボで始まったアウディ製エンジンの搭載は、ドンカブートの速さ、そして信頼性に対する評価を一気に高める直接の理由となり、多くのセブン・レプリカが市場から消えていくなかで、ドンカブートは残された数少ない選択肢として人気を集めることになる。
さらに21世紀を迎えると、ドンカブートは続々と高性能モデルを発表。2005年に25台の限定車として誕生した「D8 270RS」は、車名のとおり270psのアウディ製1.8リッターターボを搭載するモデルで、さらにはE-Gasの使用も可能となっていた。この270psユニットは2008年発表の「D8 270」や「D8 GT」にも受け継がれている。
●ラスト「D8 GTO」は435馬力!
そして今回発表されたのが、2013年にデビューを飾った「D8 GTO」の最終モデルだ。
このGTOにはアウディ製の2.5リッター直列5気筒ターボエンジンが採用されており、最高出力はカスタマーの選択で340psから380psまでを発揮させることができた。
さらにアウディのチューニングではドイツでもっとも多くの実績を誇るABTスポーツラインが、このGTOをベースに420ps仕様という究極のスポーツモデル「D8 GTO-JD70」を限定生産したこともある。
そのD8 GTOがニューモデルへと進化したのである。エクステリアはよりスピード感とシンプルな造形を意識させるものに徹しており、インテリアも例によってレーシーな雰囲気だが、カスタマーは自分の好みによってインテリアの素材や6速のシーケンシャル・ギアボックス、スポーツサスペンション、4輪ABSなどのオプション装備を加えていくことが可能だ。搭載されるエンジンは、ABTスポーツラインの435ps仕様である。
車両重量が680kgということもあって、リア駆動でありながら0-100km/h加速は2.6秒と、最新のスーパーカー並みもしくはそれ以上の俊足である。ただし最高速度は280km/hと、300km/h超えが当たり前の最新スーパーカーには及ばないものの、ドンカーブートのケータハムセブンのようなボディならば、体感速度は相当なものであることが容易に想像できる。
参考までにこのD8 GTOのベース価格は16万2900ユーロ(税別)。邦貨に換算すれば1800万円ほど。これにオプション装備の価格が加わっていくため、いわゆるセブン・レプリカのライバルと比較しても、ドンカブートがいかに高額であるかがわかるだろう。
余談になるが、ドンカブートではミニチュアモデルも積極的にリリースしている。メインとなるのは1/43スケールで、GTOだけでも数タイプのカラーバリエーションが揃う。
ドンカブートによれば、今回のGTOでロード仕様のモデルは最終型になるという。はたしてヨープ・ドンカブートの次なる策とは、どういうものなのか。もしかするとそれは、近く明かされるのかもしれない。
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みんなのコメント
ドアの開き方もアレだし…
こうゆうので電子制御一切なしで
全部アナログ仕様で乗ると難しいだろうけど楽しそう
面圧少ないけど、タイヤグリップしてくれるのかしら?