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トヨタ7号車駆る可夢偉が“敵地”でポール獲得。凱旋フェラーリは0.017秒及ばず/WECモンツァ予選

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トヨタ7号車駆る可夢偉が“敵地”でポール獲得。凱旋フェラーリは0.017秒及ばず/WECモンツァ予選

 7月8日、WEC世界耐久選手権第5戦の予選がイタリア、モンツァ・サーキットで行われ、小林可夢偉がタイムアタックを担当したTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が、モンツァ6時間レースの総合ポールポジションを獲得した。

 8日(土)午前中に行われたプラクティス3回目に引き続き、夏の日差しが降り注ぐなかで迎えたWECモンツァの予選。ハイパーカーとLMP2クラスの予選に先んじて行われたLMGTEアマクラスの予選セッション開始時のコンディションは気温が30℃に達し、路面温度は50℃まで上昇している。

【順位結果】2023年WEC第5戦モンツァ 予選

 14時40分からオンスケジュールで開始されたGTE予選は7分が経過したところで赤旗が提示された。これは56号車ポルシェ911 RSR-19(プロジェクト1・AO)がアスカリ・シケインでスピンを喫したことで大量のグラベルが撒かれたため、コース上をクリーンにするための中断だ。この赤旗前の時点でのトップタイムは25号車アストンマーティン・バンテージAMR(ORT・バイ・TF)の1分48秒545だった。

 セッション再開後、ベン・キーティングの33号車シボレー・コルベットC8.R(コルベット・レーシング)が1分48秒658を刻み暫定2番手に。直後、サラ・ボビー駆る85号車ポルシェ911 RSR-19(アイアン・デイムス)が1分48秒182でトップに浮上した。さらに、ボビーは連続アタックで1分47秒632までタイムを縮めてみせる。

 セッション終盤、続々とタイムが更新されるなか25号車アストンマーティンが1分48秒058を記録し、83号車フェラーリ488 GTEエボ(リシャール・ミル・AFコルセ)も1分48秒221で3番手に続く。しかし、これを77号車ポルシェ911 RSR-19(デンプシー・プロトン・レーシング)がわずかに上回りトップ3を確保した。

 15分間で行われたセッションの最終盤、ランキング首位につけるコルベットのキーティングはセクター1で全体ベスト、セクター2でも自己ベストを刻み自身のタイムを更新する1分48秒519を記録するも、順位は6番手からひとつしか上がらず。決勝は5番手からのスタートとなっている。

 日本勢は木村武史がドライブした57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)がクラス9番手、星野敏がステアリングを握った777号車アストンマーティン・バンテージAMRは同11番手で明日の決勝を迎えることとなっている。

■ロバート・クビサが速さをみせる

 オレカ07・ギブソンの実質ワンメイクとなっているLMP2クラスでは、チームWRTの41号車が2年連続のポールポジションを獲得した。

 セッション中盤以降に活発となったアタック合戦のなかで先陣を切ったのは、シャルル・ミレッシのドライブで1分40秒214を記録した36号車オレカ(アルピーヌ・エルフ・チーム)だった。これをユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ、ドリアーヌ・パンがアタッカーを努めた63号車オレカ(プレマ・レーシング)らが塗り替えていくなか、JOTAの28号車オレカに乗り込んだピエトロ・フィッティパルディが1分39秒730で暫定トップに立つ。

 ロバート・クビサの41号車オレカも1分40秒を切り0.005秒差でこれに続く。さらに、ベクター・スポーツの10号車オレカ、インターユーロポル・コンペティションの34号車オレカも1分39秒台に入れてくるが、いずれもクビサのタイムはに及ばず。

 残り3分を切ってそのクビサがタイムを更新、1分39秒679の全体ベストでクラストップに浮上した。元F1ドライバーは残り1分強となったところでさらにタイムを更新。1分39秒354を記録して後続を突き放した。これで勝負あり。3番手には最終盤にフィル・ハンソンが1分39秒790に入れた22号車が入っている。

■プジョーが2列目を確保した一方、ル・マンウイナーはトップ5を逃す

 13台での争いとなったハイパーカークラスは定刻から2分遅れてセッションがスタートした。こちらは序盤からタイムを出してくるマシンがあり、ジャン-エリック・ベルニュ駆る93号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)が早々に1分35秒733をマークし、これが最初ターゲットタイムとなった。

 残り時間9分を切ったところでトヨタの2台がこれを上回る。7号車を駆る可夢偉が1分35秒549、姉妹車8号車GR010ハイブリッドはブレンドン・ハートレーのドライブで1分35秒640を記録したのだ。続いてアントニオ・フォコが乗り込んだ50号車フェラーリ499Pも1分36秒を切ってきたが93号車プジョーを上回れず。

 トップに立つ可夢偉は1分35秒358へとタイムを縮め、ハートレーも自己ベストを更新した。直後50号車フェラーリが1分35秒375を記録。8号車を抜いて首位7号車に0.017秒差に迫った。また、ベルニュも1分35秒662へタイムを伸ばしたが、こちらは4番手から変わらず。

 セッション終盤にかけては上位でタイムアップする車両が現れなかったため、このトップ4がそのまま予選結果となっている。5番手はアレックス・リンのドライブで1分35秒720というタイムをを刻んだ2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラックVシリーズ.R)だ。

 ル・マンウイナーの51号車はフェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)は6番手。94号車プジョー9X8がこれに続き、フレデリック・マコウィッキがドライブした5号車ポルシェ963が8番手でドイツメーカーの最上位となった。今戦がWECデビュー戦となるプロトン・コンペティションの99号車ポルシェ963は、初の予選をクラス12番手で終えている。

 2023年シーズン後半戦のオープニングイベント、WEC第5戦モンツァの決勝レースは9日・日曜の12時30分(日本時間19時30分)にスタートが消られる予定だ。

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