フェラーリは、F1第19戦アメリカGPの週末の開始時点で、マシンに新しいパーツを導入したことを公表しなかった唯一の上位チームだった。一方でマクラーレン、レッドブル、メルセデスは、いずれもマシンにかなりの数の目に見える変更を行ってきた。
しかしFIA国際自動車連盟が各チームに申告を義務づけているのは、ファンやテレビカメラから見えるパーツに限られている。つまりF1チームは新たなパーツを持ち込んだことを申告しなかったとしても、必ずしも規則違反にはならないということだ。
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当然ながら、冷却システムやステアリングコラムなど、ボディワークで覆われている機械的なパーツがこれに当てはまるが、以前から使用されていたものと同一ではあるが異なる素材で作られた部品もこの扱いとなる。こうしてフェラーリは、オースティンでひっそりと新たなフロントウイングを導入した。
アメリカGPで使用されたフロントウイングはイタリアGP以来見られているのと同じデザインだが、マクラーレンやメルセデスが長く使用してきたものと同様に、より柔軟性を高めるために異なる複合材を組み合わせて作られている。
『SF-24』に施された変更について尋ねられたチーム代表のフレデリック・バスールは、次のように認めた。「アップグレードについて話すとき、それは我々が公表していることについて話すだけだ」
「なお、我々が公表しなければならないのはマシンの外観だけだ。言うまでもなく、誰もが目に見えない部分のあらゆる種類の開発を推進している」
ライバルたちが新しいアップグレードの影響を全体的に把握しようとしている一方で、セットアップを完璧にするためのフリー走行がたった1時間しかなかったスプリントの週末において、チームが熟知している空力プラットフォームを走らせたことが有利だったのかと問われたバスールは、「私には分からない。なぜなら他のチームのアップグレードがどのようなものだったか、それが操作性やパフォーマンスにどのような影響を与えたか知らないからだ」と答えた。
彼はその後、「何かを公表していないから何かを持ち込んでないというわけではない。アップグレードは外部形状についてのみ公表すればいいためだ」と再度主張した。
それでもバスールは、「過去2年間を振り返ってみると、今でこそ100分の1秒や10分の1秒をもたらすことについて話しているが、そういったものを持ち込むとセットアップに少々苦戦することが多く、パフォーマンスというよりも結果の面で前進できるかどうか明らかではないのも事実だ」と認めた。
同氏とって先頭集団での戦いは非常に熾烈であるため、どんなに小さな改善でもあらゆる可能性を探る必要がある。
「今は、チームが何かを持ち込むときに10分の1秒を超えることだけではなく、セットアップから得られる改善について、より多くのことを思案する開発段階にいると考えている」とバスール。
「また、シーズンの初めからチームが何か新しいものを導入するとき、純粋なパフォーマンスの面では進歩となることもあるが、セットアップの面で多少の混乱も生じる。だから結果の面では必ずしも前進するとは限らない」
バスールはまた、SF-24の空力パッケージに目に見える変化がすぐに起こるとは期待できないと語り、次のように説明した。
「メキシコに限っては標高が特別なので、ブレーキやエンジンの冷却の面で大きな課題がある。しかし、ブラジルはおそらくアップグレードに関してチームと一致するだろうと思う」
「我々には素晴らしい選択肢がある。だが、何かをもたらすために最善を尽くすものの、それは現時点ではラスベガスのためというよりも、カタールのためということになるだろう」
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