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定期チェックの「サボり」や交換の「ケチり」で大惨事! 故障したら「高額出費不可避」のクルマの消耗品

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定期チェックの「サボり」や交換の「ケチり」で大惨事! 故障したら「高額出費不可避」のクルマの消耗品

 ケチったことでかえって高くつくことも!

 クルマの部品は約3万点。困ったことにどれもこれも消耗品だが、定期消耗部品を上手に交換することで、より大きな出費を防ぎ、良好なコンディションを保つことができる。

【ケチった結果が大惨事に!】クルマの消耗品を交換しないと何が起こるか「10のポイント」別に解説

 そうした重要部品を守るためのメンテナンスをおさらいしておこう。

 エンジン編

 エンジンの寿命はクルマの寿命に直結する部分。

 そんなエンジンを長持ちさせるには、オイル交換が欠かせない。エンジンオイルはエンジンのストレスを吸収できる唯一の消耗品で、潤滑性能だけでなく、密閉作用、応力分散性能、冷却性能、清浄分散性能、防錆性能といった役割がある。

 オイル交換を怠ると、エンジン内部が汚れ、摺動部が摩耗し、メタルの焼き付きなどにもつながるので、メーカーが指定する交換サイクルで交換するのがベスト。とくにターボ車はオイルの管理がターボの寿命を左右するので、オイルはケチらず交換するのが大事。

 もうひとつ、クーラントの交換もかなり重要。ラジエターの冷却水は、防錆効果のある不凍液を水で希釈したものを使っているが、通常、2年もすると防錆効果が低下してしまう。

 それをそのまま使うと、エンジン内部が錆びてきたり、ウォーターポンプが壊れたり、ラジエター内部が詰まったり、ホース類が傷んでくるので、定期的に交換することを忘れずに。

 最近は、5~6年交換不要の長寿命タイプのLLCも登場しているので、これを利用するのもひとつの手だ。

 あとはベルト類。

 Vベルトが劣化すると、“鳴き”が出たり、切れるとパワステが効かなくなったり、オルタネーターが回らなくなって充電できなくなるので、伸びやひび割れに気づいたら早めに交換。

 タイミングベルトは切れてしまうとクルマが動かなくなるだけでなく、ピストンとバルブが干渉し、本格的なエンジンオーバーホールが必要になる場合があるので、メーカー指定の10万km以内に交換したい。またタイミングベルトが無事でも、ベルトのテンショナーのベアリングがダメになることもあるので、点検が必要。タイミングベルトの交換時にはこれらのベアリングとウォーターポンプ、シール類を一緒に交換するのがセオリーだ。

 駆動系

 エンジンと同じように駆動系も油脂類の交換が基本。とくにミッションが壊れると高くつくので、ミッションオイルも定期的に交換し、ミッションのストレスを軽減してあげることは有効だ。

 MT車なら乗り方にもよるが1万5000km~2万kmごとに換えると、良好なシフトフィールが保てる。AT車のATFは、2~3万kmが目安。ATFはメーカー純正が一番無難。

 またMT車なら、クラッチ本体やクラッチフルードも要注意。クラッチの摩耗が進み、寿命を迎えてしまうと、クラッチが滑り出すだけでなくフライホイールまで傷つけて、クラッチ交換だけでは済まなくなるので早めの交換がおすすめ。

 クラッチフルードも劣化したり漏れたりすると、クラッチが切れなくなるので、シリンダーのオーバーホールやクラッチフルードの交換も定期的にやっておきたい。

 最後にドライブシャフトのブーツについて。ドライブシャフトのブーツが破れると、中からグリースが飛び散り、放置しておくとベアリングがダメになり、ドライブシャフト一式の交換となる。ブーツが切れる前に交換すれば部品代が安く済むので、オイル交換などでリフトアップしたときに小まめに点検しておくといい。FFや4WDの前輪のブーツはとくに消耗しやすいので気をつけよう。

 一切お金のかからないメンテナンスでもクルマが長持ち!

 タイヤ

 消耗品といえば、なんといってもタイヤ。

 無料でできる空気圧のチェックを怠ると、偏摩耗の原因になったり、燃費にも悪影響が出るので、月の一度のエアチェックは確実に。また5000kmごとにローテーションすることで、タイヤが長持ちするのはよく知られている話。偏摩耗が見つかった場合は、アライメント調整することでタイヤがきれいに使えるようになるし、走安性も向上。タイヤ交換の時には併せてエアバルブも新品に交換しておくと、エア漏れのリスクなどを減らすことができる。

 バッテリー

 バッテリー上がりほど身近なトラブルはない。バッテリーの平均寿命は2~3年。高性能バッテリーほど予兆なく寿命を迎える『突然死』の傾向があるので、出先でJAFなどのお世話にならないよう、車検ごとに新品に交換してしまった方が得策だ。

 ブレーキ

 ブレーキパッドはギリギリまで使うと、フルードにエアを噛みやすくなったり、ローターを傷めたり、キャリパーのシールにも悪影響が出るので、最後まで使い切ろうとせず残り1/3ぐらいになったら交換したほうがいい。

 フルードも鮮度が命なので、ブレーキタッチが悪くなる前に、2~3年に1度は交換しよう。

 その他

 エアコンの効きが悪くなると、とりあえず冷媒ガスを充填となりがちだが、エアコンが効かなくなる理由はコンプレッサーのトラブル、内部圧力の異常(ガスの詰まり)、センサーのエラー、ファンの故障など、いろいろあり、過充填もその原因のひとつになっている。

 応急処置でなんとかなるものではないので、電装専門店に点検を依頼し、総点検してもらうのが正解。

 ダンパーも消耗品で賞味期限は3万km以内。純正ダンパーでもビルシュタインなどオーバーホール可能なダンパーもあるが、あまり劣化が進むとオイルやシールなどの基本的な消耗品だけでなく、ロッドなどまで交換が必要になり費用が高くなることがあるので、くたびれたダンパーを使い続けるのはおすすめできない。

 最近では少なくなったが、ボディの錆や水漏れ(テールレンズのシールが劣化し、トランクに雨漏りなど)は、気がついたときにすぐに対処した方がいい。ボディは交換できない最重要パーツだからだ。

 細かいところでは、ワイパーのゴムなどは拭き取りが悪くなったら即交換。たった2~3000円雨の日に良好な視界が取り戻せるのなら安いものだろう。

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