先日9月20日、累計販売台数が1,000万台突破したと発表された、トヨタのクロカン ランドクルーザーシリーズ。その起源は1951年にまで遡る。
右を見ても左を見てもSUVの現在の自動車マーケットだが、実はこの源流にあるのがランドクルーザー、あるいはスズキ ジムニーなどに代表されるクロカンの存在だ。
【コンパクトカーの世界標準を変える!】ヴィッツ改め新型ヤリス 世界初公開!!
そもそも「クロカン」てなんなんだ? という話だが、クロカンは「クロスカントリー」の略で、じゃあクロスカントリーてなんだ? という話になると、スキーのノルディックなどを思い浮かべてみるとわかりやすいのだが、「未舗装の道」のことを言う。
未舗装の道をガッシガッシ走破するためのクルマがクロカン。
ではクロカンとSUVと何が違うの? と言われると、その線引きは正直曖昧なのだが、決定的な違いは「ラダーフレーム」と呼ばれる車体構造を採用して、SUVよりもスーパー頑丈にできているのが部分だと言える(そのかわり、路面などの衝撃は伝わりやすいといったデメリットもあるのだが)。
ちなみにラダーフレームに対して現在SUVなどその他のクルマたちには「モノコック型」と呼ばれる車体構造が用いられるのが主流と言える。衝撃吸収性などに優れ、ラダーフレームよりも軽い、などがその特徴だ。
では、クロカンはどうしてそこまで頑丈でなければならないか? だが、これはクロカンの起源が、戦争時代に開発されたどんな状況だろうが戦場を走り抜けることのできるクルマたちにあったからに他ならない。
今回はその歴史を紐解いてみよう。
●【画像ギャラリー】ランクル ジムニー Gクラス…いま手に入るクロカンをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2019年9月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年*月*日号
■すべては戦時に始まった
●1941年│ウィリス・ジープ
クロカンの元祖ともいえる戦中のウィルスジープ。すべてはここから始まった。戦場を駆け抜けるために4WDを採用。戦中約65万台が生産された
●1940年│キューベルワーゲン1970年│
ウィルスジープと同時期にドイツがその後のVWタイプ1のシャシーを利用して作ったキューベルワーゲン。4WDも試作された
●1936年│くろがね4起
日本も負けてはいなかった、1936年に作られたくろがね4起。初期のエンジンは1.2LのV2。大日本帝国陸軍の軍用乗用車だ
■戦後、その技術は世界に、日本に
●1970年│ランドローバー レンジローバー
今ではラグジュアリーなクルマになったが、レンジローバーはもともと質実剛健なクロカンモデルだ。3ドア、4ドアがあった
●1970年│スズキ ジムニー
日本の軽規格のなかに誕生したジムニーは、世界的に見ても稀な存在。軽量というメリットを生かし、走破性は他車を圧倒していた
●1978年│JEEP ワゴニア
JEEPは時代を先取り、クロカンにラグジュアリーな要素を盛り込んだワゴニアを登場させる。当時、大当たりして人気モデルに!
●1980年│トヨタ ランドクルーザー
古くは1951年のBJ式から発達した60系ランドクルーザー。レトロな雰囲気は現代の若者たちの憧れの的にもなっている
●1980年│メルセデス Gクラス
もともとはNATO制式採用という軍用車両。それが民生化されたのがメルセデスのGクラス。ドイツでは1981年から販売された
●1980年│日産 サファリ
ランクルのライバルだった日産サファリ。ディーゼルエンジンは3.2L直列6気筒OHVの95馬力。ガソリンもあった
●1983年│三菱 パジェロ
日本のRVブームのきっかけとなった三菱のパジェロ。当時は写真のような簡素な3ドアモデルもラインナップされていた
●1983年│ランドローバー110
既出のレンジローバーの兄貴分に当たるランドローバー110。後のディフェンダー。今年、その役目を終え生産終了となった。残念!
●1987年│JEEP ラングラー
冒頭で紹介したウィルスジープの血を受け継ぐJEEPラングラー。フロントの7スロットグリルは現代にも受け継がれている
●1986年│日産 テラノ
ダットサントラックをベースにした日産テラノ。搭載するエンジンは2.7L直列4気筒OHVのディーゼル。パワーは85ps
●1987年│日産 2代目サファリ
新設計のフレームとサスペンションを奢られたY60系にモデルチェンジした2代目サファリ。全長の短い2ドアモデルもあった
●1989年│トヨタ 2代目ハイラックスサーフ
トラック、ハイラックスのフレームを利用した中型クロカン、トヨタハイラックスサーフの2代目。テラノのライバル車だった
●1993年│日産 2代目テラノ
4ドアのみの設定となった2代目テラノ。巨大なカンガルーバーが懐かしい。トルクスプリット方式の4WDメカを搭載していた
●1993年│日産 ミストラル
スペインの日産モトールイベリカで生産され、日本に逆輸入されていた日産ミストラル。ガソリンエンジンは2.4L
●1997年│いすゞ ビークロス
こちらもクロカン界の異端児、いすゞビークロス。コンセプトカーが現実になったモデル。エンジンはV6の3.2Lで215ps
●1997年│日産 3代目サファリ
3代目サファリ。今のVモーショングリルの原型ともいえるフロントグリルを持っていた。ガソリンエンジンは直6のTB45E、173ps
●1997年│三菱 パジェロエボ
クロカン界の異端児、パジェロエボ。ランエボのノリでカッ飛びマシンを作ってしまった三菱らしい1台。再登場すれば人気間違いなし!
●1998年│スズキ 3代目ジムニー
新しい軽規格に合わせた3代目ジムニー。ラダーフレーム構造ながら、衝突吸収構造になっている。ターボエンジンは64psを発揮
●1998年│三菱 ジープ
戦後、1953年からライセンス生産されていた三菱ジープ。この年ついに45年の幕を閉じた。上の写真は最終の記念モデル
●2002年│トヨタ 4代目ハイラックスサーフ
4代目ハイラックスサーフ。この頃から兄貴分のランクルプラドとの部品共用化が進められている。上級エンジンは3.4LのV6
●2002年│トヨタ ランドクルーザーシグナス
フルモデルチェンジしたランクル100系の上級モデルとして誕生したランドクルーザーシグナス。今でいうところのレクサス版
●2002年│トヨタ 3代目ランドクルーザープラド
3代目プラド。国内向けのガソリンエンジンはV6、3.4Lの「5VZ-FE型」と、直列4気筒、2.7Lの「2TR-FE型」の2種だった
●2005年│スズキ 3代目エスクード
3代目エスクード。ラダーフレーム構造ながら、フレーム一体型のモノコックボディになった。エンジンは2Lと2.7Lの2種類
●2006年│トヨタ FJクルーザー
トヨタのFJクルーザー。かつてのFJ40をモチーフにしたネオレトロモデル。日本では残念ながら2018年の1月をもって販売終了
●【画像ギャラリー】ランクル ジムニー Gクラス…いま手に入るクロカンをギャラリーでチェック!!!
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ「新型4ドアオフロードSUV」登場! 車高アップ×ド迫力「ブラック仕様」がカッコイイ! 新「LANDSCAPE」 クラウン通常モデルとの違いは?
「次期型スカイライン」!? 日産の新型「高級スポーティセダン」! 超“流麗”4ドア「Vision Qe」中国初披露!
美しすぎる新型「スポーツセダン」と「高級SUV」同時発表! 斬新「3連ライト」と「伝統の車名」採用した特別モデルが凄い!
アンダー200万円! スズキが5速MT搭載の「スポーティハッチ」発売! 新型「スイフト」何がいい?
全長4.3m! 斬新すぎるトヨタの小型「スライドドアSUV」に注目! 流行りの「ゴツゴツ」デザインに“悪路走破性”実現した「Tjクルーザー」とは
みんなのコメント