全長3400mm×全幅1480mmという小さなボディサイズの中にあれだけの内容を盛り込んだ軽自動車。
その軽自動車と並び、日本車のミニバンはシエンタやフリードといったコンパクトサイズでも3列目までシッカリ使えて、ラージクラスのアルファード&ヴェルファイアでは高級車の新しい形になりつつあるなど、日本メーカーの大得意ジャンルになっている。
人気車はオラオラ顔ばかり!? 優しい顔のデザインはなぜ受けない??
当記事では、アルファード&ヴェルファイアとベンツVクラスの比較を例に日本車のミニバンのアドバンテージを考えてみた。
文/永田恵一、写真/TOYOTA、Daimler AG
【画像ギャラリー】日本の超得意ジャンル、乗れて運べて使えるミニバン!!
■ベンツVクラス VS アルファード&ヴェルファイア
●どんなクルマ?
Vクラスのエントリー価格は789万円からで、アルファードの上級グレード「エグゼクティブラウンジ」の759万9000円よりやや高い
・Vクラス
Vクラスは一時期ビアノの車名だった2代目モデルを含めると現行型で3代目モデルとなるFR構造のラージミニバンだ。
ラインナップは全長がそれぞれ4905mmの標準ボディ、5150mmのロングボディ、受注生産となる5370mmのエクストラロングボディ(エクストラロングはホイールベースも230mm延長、全幅はすべて1930mm)の3つを持つ。
乗車定員は7人乗りのみで、パワートレーンも2.2リッターディーゼルターボ+7速ATのみとなる。
トヨタ アルファード。選択肢の少ないVクラスと比べ、バリエーションは豊富だ
・アルファード&ヴェルファイア
アルファード&ヴェルファイアはトヨタの原則全ディーラー全車種扱いの開始もあり、3代目モデルとなる現行型ではここ3年ほどアルファードが絶好調となっているFF構造の高級ラージミニバンである。
ラインナップは2列目が3人掛けベンチシートとなる8人乗りと、キャプテンシートとなる2列目が三種類ある7人乗り、パワートレーンもそれぞれ2WDと4WDがある2.5リッター直4ガソリンNA+CVT、3.5リッターV6+8速AT、リアはモーター駆動となる2.5リッターハイブリッドの3つを設定。
グレードも含めるとバリエーションは非常に多い。
■乗るとどう?
●高速道路はVクラス、実用性はアルヴェルに軍配
アルファードは着座位置が高く若干乗降性に難があるが、高く見晴らしがよいので運転しやすい
・Vクラス
先代モデルまでのVクラスはよくワゴン車といわれていた頃の日本のミニバン同様に「商用バンを乗用車化した」という印象が強かった。
それに対し現行モデルはCクラス以上のFR系のベンツのような高級感、重厚感こそないものの、横風の強い高速道路での走行安定性もよく、華美なところがないインテリアも含め質実剛健という言葉が似合う。
・アルファード&ヴェルファイア
3.5リッターV6の迫力ある加速感が印象に残るくらいで目立つところはないが、目立った欠点もなく、少なくとも日本の交通環境で乗る分にはよくまとまっている。
また着座位置の高さが1列目への乗降性をスポイルしているのは事実ながら、その高さが周りを見下ろすようにも感じるアルファード&ヴェルファイアらしさにもなっている。
●使うとどうか?
アルファード車内。多彩なシートアレンジと高級感のある内装を持つ
・Vクラス
Vクラスの質実剛健は使ってみても同様で、一例としてすべてのシートがガッチリとしている点は好印象だ。シートアレンジも2列目の回転機能やロングボディのみながら3列目をフルフラットにできベッドのように使えるという日本車のミニバンにはないものも備える。
またロングボディとエクストラロングボディには86万9000円のオプションながら、2列目シートが飛行機のビジネスクラスのシートのようになり、アルファード&ヴェルファイアのエグゼクティブパワーシートに相当するエクスクルーシブシートパッケージも設定される。
Vクラスのシートは堅牢そのものだがスライドには男性でもかなりの力が必要。こればかりは開発国の考え方の差かもしれない
しかし、Vクラスのキャビンをラゲッジスペース最大モードは3列目シートを収納するのではなく、2列目シートを外して3列目シートをスライドする、ロングボディの3列目フラットも2列目シートを外す必要がある。
Vクラスのシートを外すのは非常に重いのに加え、置き場も必要なため、日本ではこの機能を使える人はなかなかいないというのが実情だ。
・アルファード&ヴェルファイア
シートアレンジから見ていくと、3列目が側面への跳ね上げ式となる点、1列目と2列目、2列目と3列目のフラット機能、グレードによっては2列目シートのロングスライド機能を持つ点など、ソツなく必要なものが揃っている。
さらに特にアルファードの押し出しの強いフロントマスクやフラクセンと命名された白系のインテリアカラーは、日本人好みの高級感に溢れている。
●結論
トヨタではグランエースのほうがVクラスのコンセプトに近い
2台を短い言葉でまとめると、ミニバス的なVクラス、ミニバンを高級車にしたアルファード&ヴェルファイアといったところで、アルファード&ヴェルファイアのコンセプトはそもそも輸入車にはないものだ。
そのためアルファード&ヴェルファイアは海外で人気があるため盗難が多く、中国などではアルファード&ヴェルファイアのレクサス版となるLMまで登場するのもよく分かる。
価格もVクラスが789万円から、アルファード&ヴェルファイアは約350万円からテンコ盛りとなるハイブリッドのエグゼクティブラウンジでも759万9000円とVクラスに比べれば安い。
さらにトヨタにはVクラスに近いミニバス的なミニバスとしてこちらもよくまとまったグランエース(上級のプレミアムで650万円)まであるのだから、日本でVクラスが伸び悩むのも当然だ。
■まとめ
小さいながらも実用的な3列目を持つシエンタ。国産車ならではの芸当だ
ミドルミニバンのゴルフトゥーランやBMW2シリーズグランツアラーと1クラス下のシエンタとフリードと比べても、ドライブフィールでは輸入車のアドバンテージは大きい。
しかし、居住性では小さいながらもシッカリ使える3列目シートを持つシエンタ&フリードに対し、ゴルフトゥーラン&2シリーズグランツアラーの3列目は補助席的な広さしかない。
さらに価格もゴルフトゥーラン&2シリーズグランツアラーは400万円級と、250万円程度のシエンタ&フリードのハイブリッドより150万円も高い。
となれば、日本では実に使いやすいシエンタ&フリードが登場から時間の経った今も好調に売れているのに対し、ゴルフトゥーラン&2シリーズグランツアラーがあまり話題にも上がらないというのもよく分かる。
つまり日本車のミニバンはおもてなしや幕の内的発想といった日本の文化や、平均スピードが速くないという日本の道路環境だからこそ生まれたジャンル、特産品なのである。
ここ数年は前述したレクサスLMに加え、中国でのオデッセイやインドネシアで生産されるシエンタが東南アジア圏で販売されていることなど、日本のミニバンの海外進出も進んでおり、ミニバンが世界的に見ても日本車の大きな柱に成長することを期待したい。
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