1月23~26日に開催される2020年のWRC第1戦モンテカルロに向け、参戦するドライバーたちが意気込みを語っている。
2020年のWRCは全13戦で構成され、シーズン開幕戦は毎年恒例のラリー・モンテカルロ、最終戦は11月の第13戦日本(ラリー・ジャパン)となっている。
WRC:トヨタ、新体制で2020年初戦モンテカルロへ。マキネン「新しいラインアップで臨む興味深い1戦に」
開幕戦のラリー・モンテカルロはフランス・ギャップとモナコ公国を舞台に争われる1戦。大会が初開催されたのは1911年で世界でもっとも長い歴史を持つ1戦だ。
大会は舗装路(ターマック)を中心に争われるが、雪が残る山間部が競技の中心となるため、積雪がある箇所や雪解け水で路面が濡れている箇所、場合によっては路面が凍結している箇所もあるなど、コンディションが安定しないことからシリーズ屈指の難易度を誇る。
各ステージ間はもちろん、ひとつのステージのなかで路面コンディションが刻々と変化していくことから、ラリー・モンテカルロでは経験とコンディションを読む力が求められる。
またマシンセッティングの面ではドライターマックと、アイスやスノーなどウインターコンディションの両コンディションでパフォーマンスを発揮できるバランスの取れたセッティングが重要だ。
2020年大会は全16ステージで構成され、その合計走行距離は304.28km。リエゾン(移動区間)を含む総走行距離は1505.64kmとなっている。
大会は現地22日16時1分(日本時間23日0時1分)に開幕前最後の走行チャンスとなるシェイクダウンが行われ、翌23日にモナコ国内でセレモニアルスタートが行われる。
モナコでのセレモニアルスタートは、これまでカジノ広場が会場となっていたが同エリアは現在改修工事が進んでいるため、今回はモナコ湾に面したアルベール1世埠頭が会場となった。
セレモニアルスタート後、現地23日20時38分(日本時間24日4時38分)にSS1が行われて開幕。この日はSS2までの2ステージが、いずれもフランス山中を走るナイトステージとして行われる。
競技2日目となる24日はSS3~8の6SSで争われる。このうち全長20.68kmのSS4/7“サン=クレマン-フリシニエール”は2020年に初めて組み込まれたステージ。降雪も予想されるため、コンディションを読み解く力が結果に影響を与える可能性が大きい。
競技3日目の25日はSS9~12の4SSで争われる1日で、SS12終了後に一行はフランスからモナコへ移動し、最終日の走行に備える。
競技最終日の26日はモナコを起点にフランス国内でSS13~16までの4SSが行われる。このうちSS13/15はラリー・モンテカルロを代表する、つづら折りのチュリニ峠が舞台となる“ラ・ボレーヌ=ヴェジュビー-ペイラ・カヴァ”だ。
全長13.36kmの最終ステージSS16“ラ・カバネット-コル・ド・ブロー 2”はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージとしての実施。走行は現地12時18分(日本時間26日20時18分)にスタートする予定。
最上位クラスを戦う3メーカーのうち、Mスポーツ・フォードWRT(ワールド・ラリー・チーム)、ヒュンダイ・シェル・モビスWRTは3台体制、TOYOTA GAZOO Racing WRTは計4台のマシンを投入する。
フォード・フィエスタWRCで戦うMスポーツはテーム・スニネンがカーナンバー3、エサペッカ・ラッピがカーナンバー4、ガス・グリーンスミスがカーナンバー44で参戦する。
ヒュンダイi20クーペWRCのヒュンダイ勢はオット・タナクがカーナンバー8、ティエリー・ヌービルがカーナンバー11、セバスチャン・ローブがカーナンバー9を使用する。王者タナクがカーナンバー1を使用しないため、WRC史上初めてシーズンを通してカーナンバー1が不在の1年となる。
トヨタ・ヤリスWRCのトヨタ勢はセバスチャン・オジエがカーナンバー17、エルフィン・エバンスがカーナンバー33、カッレ・ロバンペラがカーナンバー69を使用する。オジエは2012年以来に王者の証である“1”以外のカーナンバーを使用し、ラリー・モンテカルロ7連覇に挑む。
また今大会は勝田貴元が4台目のトヨタ・ヤリスWRCでエントリーしており、カーナンバー18で戦う。またプライベーターとしてリトアニア出身のデイビダス・ジョシウスがフォード・フィエスタWRCでエントリーしており、合計11台のWRカーがエントリーしている。
そのほか下位クラスにはマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)やエリック・カミリ(シトロエンC3 R5)、ステファン・サラザン(ヒュンダイi20 R5)、オリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)なども名を連ねている。
■ヒュンダイ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
「ラリー・モンテカルロはシーズン開幕戦であり、僕たちはいきなり真っ暗なナイトステージを走ることになる。とてもタフなイベントだし、タイヤ選択が重要になってくる」
「ライバルと争うという面でも難しいイベントだ。ためらってしまうような場面が多いし、精度の高いペースノートが必要になる。天候を読むウェザークルーから正確な情報を得ることも必要だよ」
「ひとつのステージでも高低差が大きいから、高い集中力を発揮することが鍵になる。コンディションはつねに変化していくし、僕たちにとってはブラックアイスバーンが一番危険だ」
「(フランスの)ギャップを舞台としたステージに関しては、もう何年も戦っているから、どのセクションに1日中、太陽が当たらず、どこが滑りやすい場所なのかは把握しているけれど、モンテカルロではつねに予想外のことが起こるものだよね」
●オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)
「新しいシーズンのスタートは、おそらくシーズン中でもっとも厳しいと言えるイベントで迎える。さらに僕たちは、チームもマシンも新しい状態だから、トリッキーなコンディションを切り抜けながら、マシンなどへの理解を深めていくという、より難しい状況にある」
「決して簡単な仕事ではないけれど、はいいスタートを切って、いくらかポイントを獲得することが重要だ。ラリー・モンテカルロは1月下旬に開催されるイベントで、通常であればコンディションが変わりやすく、それも高度によって変わってくる」
「低地ではドライターマックでも、高地へ行くと路面が凍結し始めるんだ。極端なコンディションだから、このラリーでは予測不可能なことが起こるのが当たり前だ」
●セバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)
「ラリー・モンテカルロはどんなことが起きるか予想できない。コンディションはフルドライにもフルウエットにもなり得るし、多くの雪が降ることさえある。このコンディション変化がドライビングにも影響するんだ」
「そして路面コンディションはステージとリエゾンの間でも変化する。だから、タイヤ選択がより一層重要になってくる。大きなリスクを背負わずに速さを出すには、正しいリズムを掴む必要もある」
「このラリーへのアプローチには頭を使わなければいけない。全開で攻め切るのではなく、よく考えることが肝心だ」
「最後にモンテカルロに出場したことが遠い昔のように感じられる。他のドライバーに比べて、より新鮮な状態で挑むことになるだろうね。昨年はラリー・モンテカルロ前に1日しかマシンをドライブできなかった。今はマシンに対する知識も充分にあるから、昨年よりいい結果を出せると期待しているよ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)
「ヤリスWRCで臨む最初のラリーのスタートが待ち切れない。すべてのラリーカーはそれぞれ異なる特徴を持ち、それを学ぶためには走行距離を重ねる必要があるが、ここまでのところテストではうまく走れている。今シーズンの目標は7回目のタイトル獲得だが、このクルマならば十分それは可能だと信じているよ」
「ラリー・モンテカルロには特別な思いがあり、1990年代の終わりにトミ(マキネン/チーム代表)が何度も優勝する姿を、私は観客として目にしてきた。私にとってトミは、ラリーの世界で最初のアイドルだったんだ」
「もちろん、私とジュリアン(イングラシア/コドライバー)もこれまでいい結果を残してきたが、連覇に対するプレッシャーは年々高まっている。私にとってラリー・モンテカルロはつねにビッグチャレンジだが、心から楽しむことができる1戦でもある」
●エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)
「トヨタのドライバーとして、最初に挑むラリー・モンテカルロが本当に楽しみだ。WRCでチームを移籍したのは今回が初めてだが、スタッフ全員がとても歓迎してくれたし、クルマにもいいフィーリングを感じているから、新シーズンが非常に楽しみだ」
「初めてヤリスWRCをドライブしたのは、モンテカルロに向けた昨年12月のテストだったが、極めて短時間でいいフィーリングを感じ、自信を持つことができた。このラリーではつねに、いろいろなコンディションに遭遇する可能性が高く、能力が試される」
「クルマをセットアップする際は、自信を持つために何かが必要だけど、すでにいくつかいい選択肢を得ているように感じている」
●カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)
「自分にとって、ラリー・モンテカルロは特別なイベントだ。ヤリスWRCは、これまでドライブしてきたR5カーよりも格段にパワフルでダウンフォースもあるため、大きなステップアップになる」
「しかし、ここまでのところテストではとても運転しやすいクルマだと感じているよ。それでも、まだ学ぶべきことは多く、すべてを理解し、完全に適応するためには数戦必要になるだろうね」
「シーズンの序盤は昨年までとは違う考え方で臨み、忍耐強く走るつもりだ。モンテカルロは、新しいクルマとチームで出場するには難しいラリーなんだ。天気は変わりやすく、つねに路面コンディションに合ったタイヤを選べるわけではない。きっと大きなチャレンジになるだろうが、最後まで戦い抜きたいと思う」
■Mスポーツ・フォードWRT
●エサペッカ・ラッピ(フォード・フィエスタWRC)
「モンテカルロはつねにトリッキーなシーズンスタートになる。でも始まるのを楽しみにしているよ。フィエスタWRCはとても素直なクルマで運転しやすいから、ドライバーにも大きな自信を与えてくれる。この自信を活かせるように願っているよ」
「事前テストを行ったとき、路面はウエットコンディションだったけど、そういった変わりやすい状況でもマシンの感触はよかった。ただモンテではウエット路面にもドライ路面にも、凍結した路面にも、雪が積もった路面にも直面する。それも場合によっては同じステージのなかでね」
「このラリーにはつねに注意を払って臨まなければならない。僕たちはまさしく、そういったアプローチをするつもりで、(Mスポーツとの)新しいパートナーシップを強力な形でスタートさせたい」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)
「今シーズンをとても楽しみにしている。エサペッカ(ラッピ)とはすぐにうまく協力していけると思う。事前テストではお互いに似たようなセットアップを試していたんだ。どうやら、マシンに求める方向性は同じみたいだ」
「僕はドライコンディションでテストをすることができ、感触もよかった。ただ、氷や雪が待ち受けるであろうトリッキーなセクションでは、自分の経験を頼りにしなければならないだろう」
「僕がラリー・モンテカルロに出場するのは、今年で4回目になる。だから、ステージのことも今まで以上に理解している。このラリーはくじ引きのように運が左右する要素も多いけど、僕には100%信頼できる経験豊富なグラベルクルーがいる。だから、いい意味で何が起きても不思議ではないよ」
●ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)
「モンテは僕にとって特別なラリーだ。初めて優勝した場所だからね。ドライブしていて、これほどの満足感を味わえるラリーは他にない。そんな素晴らしいステージをフィエスタWRCで走れるなんて、僕が思い描いていた夢以上のことだよ」
「誰もが勝ちたいと思うイベントであり、刻々と変化するコンディションによって、シーズン中でもっともチャレンジングなイベントでもある。些細なミスによって大きな代償を支払うことになるが、個人的には強みを発揮できるイベントだと思っている」
「僕自身はトリッキーなコンディションを楽しんでいるけれど、(優勝するには)経験も重要になる。この点はなんとか補わないといけないよね。いずれにせよ、2020年シーズン初戦で強力なパフォーマンスを発揮できればと願っている」
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