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月々17万円オーバー!? スポーツカーの王道「911」はいくらで乗れる? ポルシェの維持費をガチ検証!!

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月々17万円オーバー!? スポーツカーの王道「911」はいくらで乗れる? ポルシェの維持費をガチ検証!!

 毎日の買い物にも使え、そのままサーキットも走れる“ポルシェ”は、なんとも魅力的な存在。ぜひ一度は購入したいわけだが、問題は「高い」ということ。じゃあどうすればいいか、考えよう!

※本稿は2023年7月のものです
文/伊達軍曹、写真/PORSCHE、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年8月10日号

月々17万円オーバー!? スポーツカーの王道「911」はいくらで乗れる? ポルシェの維持費をガチ検証!!

■911はロマンの塊!! でもやっぱり高価なのよ……

ポルシェ購入における最初の、そして最大のハードルがその「価格」だ

 現在でこそさまざまなボディタイプ、いくつかの駆動方式が用意されているポルシェだが、やはり基本形となるのは「リアに水平対向6気筒エンジンを搭載し、後輪を駆動するクーペ」である“911”だ。

 RRゆえに「操縦性がシビアで、気を抜くとすぐにスピンする」などとも言われているが、それはあくまで限界領域での話。

 我々アマチュアが公道で出せる速度レンジ内では、RRの911は「ひたすらオン・ザ・レール」でしかなく、リアに重量物が載っていることによる「ひたすらのトラクション性能」に、ただただ感嘆するばかりなのである。

 とはいえ、そんなポルシェ911だけあって価格はバカ高い。詳しくは下記の説明に譲るが、新車や、新車に準ずるレベルの中古車はアホほど高く、空冷エンジンを搭載していた1990年代半ばまでの世代も、中古車相場は鬼のように高騰してしまった。

 そんな状況にあっても「買えて、なおかつ満足できる911」は存在するのだろうか? 詳しく見ていくことにしよう。

■「王道」のポルシェ 911を検証&検討!

●新車の911はいくらで買える?

2000万円の911を金利0.9%のフルローンで買うとしたら、月々の支払額は120回払いでも17万円を超える!

 今から30年以上前、964型911カレラ2の新車価格は1035万円だった。それとてもちろん高額だが、「……頑張ればイケるかも?」というニュアンスではある。

 しかし今、992型911の新車価格は素のカレラでも1620万円。そこにいくつかのオプション装備代と諸費用を加えると、乗り出し価格は「おおむね2000万円」ということになる。……ごく一部の人を除き、普通は無理な金額である。

●高年式の中古車だとどうなんだ?

「最後の自然吸気911カレラ」として人気が高い991型の前期モデルは、中古車相場もなかなか下がらない

「新車が無理なら中古車で!」と考えても、そちらもかなり高い。現行型(992型)カレラ/カレラSの中古車相場は1600万~2200万円といったところであり、1つ世代を落として991型(2011~2019年)にするとしても、その相場は900万~1500万円あたりのニュアンス。

 ……かなり気合を入れればギリギリ買えなくもない可能性はあるが、気合を入れすぎて病気になってしまいそうなプライスだ。

●じゃあいっそ空冷世代でどうだ?

20年前は総額350万円も出せば状態のいい5MT車が買えた964型だが、直近はAT車でも1000万円以上!

 上の本文でも少し触れたが、空冷方式のフラットシックスを搭載していた世代の911も、その中古車相場はアホほど高い。例えば964型(1989~1993年)カレラ2の場合、ごく普通のティプトロニック(4速AT)のカレラ2でも中古車価格は1000万円以上。

 しかも「走行10万kmを軽く超えているオートマのカレラ2」が、その値段なのである。距離少なめの5MTだと、中古車価格の目安は1900万円~になる。

■しかし996または997型なら普通に買える可能性大!

 現行世代または1つ前の世代、あるいはグッとクラシカルな空冷世代の911はおおむね無理ということが判明したわけだが、「それらの中間に位置する世代」であれば、実はポルシェ911であってもけっこう現実的だ。

 その代表的な世代は「997型」だ。前身である996型でイマイチ不評だった異型ヘッドランプを伝統的な丸形に改め、可変減衰力ダンパー「PASM」を3.8LのカレラSに標準装備し、3.6Lのカレラにオプション設定した。

 見た目も走りも、公道を普通に走るかぎりでは現行992型にほぼ遜色なしと感じられる世代だといえる。

 その前の「996型」は、前期型は今ひとつ不評で、後期型も「天才バカボンのホンカンさんみたいなヘッドランプが苦手」という人はいるが、後期型の良質中古車であれば、かなりの“911感”を手頃な予算で味わえるはずだ。

■ポルシェ911 type 997(2004~2011年)

ポルシェ911 type 997

 2世代前の911。前期型カレラは最高出力325psの3.6Lエンジンを搭載し、カレラSは同355psの3.8Lを搭載。トランスミッションはいずれも6MTまたは5速ATのティプトロニックS。2008年7月に後期型となり、直噴エンジンと7速PDKが採用された。

●新古車価格
・前期型カレラ 6MT:600万~750万円
・前期型カレラ ティプトロニックS:360万~560万円
・後期型カレラ 6MT:―
・後期型カレラ PDK:560万~750万円

●狙い目は「後期型カレラ PDK」

 前期型はエンジンの信頼性に少々の不安もあるため、直噴になった後期型を狙いたい。で、後期カレラのMTはほぼ流通していないため、必然的に狙い目はPDKになる。後期カレラS PDKでもいいが、やや希少だ。

●ローン試算(2009年式911カレラPDK)
・車両価格:7,000,000円
・頭 金:2,500,000円
・支払回数:120回
・金利:1.9%
・ボーナス月加算:0円
・毎月支払額:41,205円

■ポルシェ911 type 996(1998~2004年)

ポルシェ911 type 996

 水冷エンジンを伴って1998年に登場した3世代前の911。3.4Lエンジンを搭載した前期型はやや微妙だが、マイナーチェンジで3.6Lエンジンを積むことになった後期型(2001年9月~)はなかなかの出来。トランスミッションは6MTまたはティプトロニックS。

●新古車価格
・前期型カレラ 6MT:300万~390万円
・前期型カレラ ティプトロニックS:270万~380万円
・後期型カレラ 6MT:430万~530万円
・後期型カレラ ティプトロニックS:290万~420万円

●狙い目は「後期型カレラ ティプトロニックS」

 前期型は問答無用で無視し、後期型のなかから良質物件を探すべし。価格の安さと流通量の多さから後期カレラ ティプトロニックSを狙い目としたが、やや高くてもOKなら、数は少ないが6MTも探してみたい。

●ローン試算(2002年式911カレラ ティプトロニックS)
・車両価格:3,500,000円
・頭 金:1,000,000円
・支払回数:72回
・金利:1.9%
・ボーナス月加算:0円
・毎月支払額:37,766円

【番外コラム01】ティプトロニックSってぶっちゃけどうなんだ?

ポルシェをGT的に乗りたい人には、ティプトロも悪くない

 「変速のキレ」という点では、当然MTやPDKには劣る。しかしそこをさほど求めないのであれば、決して悪いモノではない。また信頼性というか耐久性が異様に高いという美点もある。

【番外コラム02】ポルシェの整備代はめちゃ高いという噂は本当なのだろうか?

写真はPCCBではなく普通の純正ブレーキディスク。これの場合は、決して安くはないが、バカ高くもない

 もちろん、オプション装備であるPCCB(ポルシェ セラミック コンポジット ブレーキ)を交換するとなると、整備料金はそれだけで軽く100万円を超える。

 しかし一般的なカレラを、しかも正規ディーラーではなくプロショップ(専門店)に依頼して整備するのであれば、決して目玉が飛び出るようなメンテナンス代がかかるわけではない。

 ポルシェの純正部品は確かに高額だが(それにしたって、すべての部品がPCCBのように超高額なわけではない)、経験豊富なプロショップでは適材適所なニュアンスで安価なOEM部品を使いながら、正規ディーラーよりは安めな時間工賃で作業をしてくれるものだ。

 その結果としての部品代+工賃は、一概に数値化はできないのだが、まぁ「一般的な国産車の整備代の1.5~2倍ぐらい」と思っておけば、当たらずといえども遠からずだろう。

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みんなのコメント

10件
  • アシリパ
    ポルシェ正規ディーラーでも新古車を新車価格以上で販売してますね。
    ディーラーはポルシェジャパンから仕入れて自社登録、そのまま認定中古車として売った方が儲かりますよね。

    そんな販売を続けてたらポルシェユーザーやファンに敬遠されて、結局長い目で見れば自分の首を絞めるだけと思うけど。
  • fli********
    新車はバカ高く中古もアホの様に高く、年式を落としても鬼の様に高く、無理して買えば病気になるんでしょ・・・じゃあ、買わなけりゃいいじゃん。
    病気で寝込んだら乗りたくても乗れないよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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