現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ニューモデル情報通】Vol.14 「フィアット・ドブロ」日本導入記念! その兄弟車たちとドブロの歴史を掘り下げる

ここから本文です

【ニューモデル情報通】Vol.14 「フィアット・ドブロ」日本導入記念! その兄弟車たちとドブロの歴史を掘り下げる

掲載 1
【ニューモデル情報通】Vol.14 「フィアット・ドブロ」日本導入記念! その兄弟車たちとドブロの歴史を掘り下げる

「フィアット・ドブロ」が待望の日本上陸

2023年5月に日本での発売を開始したフィアットのミニバン(MPV=マルチパーパスビークル)の「ドブロ」は、ズバリ、日本市場ではこのクラスで独走していた「ルノー・カングー」のライバルにあたる。カングーが5人乗りのみの中、ドブロでは、当初から5人乗りモデルと3列シート・7人乗りモデルの「Doblo Maxi (ドブロ・マキシ)」を設定。1.5L BlueHDiディーゼルターボエンジンの強力なトルクは、人と荷物を満載しても十分なパフォーマンスを発揮する。キャンプ・アウトドアブームの中、オシャレなギアとして新たな台風の目になりそうだ。

オードリー・ヘプバーンも映画で乗った有名な一台が、EVで復活! 新型「フィアット トッポリーノ」が発表!

趣味を堪能するオトナの遊びゴコロを楽しめるクルマ! フィアットの新型ミニバン「ドブロ」発表

 

小型車を得意とするフィアットは、過去日本でも「ムルティプラ」のようなMPVを入れたことはあったが、このような「カングー型」モデルを日本で正規輸入したことはなく、フィアットとしても待望の車種といえるだろう。

【画像24枚】歴代「フィアット ドブロ」と派生車のフォトギャラリーはこちら

「シトロエン・ベルランゴ」「プジョー・リフター」の兄弟車

そんなドブロ。気がついている人もいると思うが、ズバリシトロエンのMPV「ベルランゴ」と、プジョーのMPV「リフター」の兄弟車である。フロントデザインや内装、キャラクターを各メーカーの個性に合わせて変更しているが、基本的には同一車種。日本仕様では3車ともパワートレーンまで一緒だ。

さらに、日本では見ることができないが他にも兄弟車がいる。プジョー・シトロエン・フィアットと同じステランティスグループ傘下のオペル(と英国ブランドのヴォクスホール)の「コンボ」、そしてさらにプジョー・シトロエンが「PSA」だった頃から提携車種を多く生み出しているトヨタの「プロエースシティ・ヴァーソ」がそれだ。

さらに、ルノー・カングーがそうであるように、ドブロをはじめとするこれら一連のクルマたちは、いずれも「商用バンを乗用化したモデル」である。そのため、本国や現地市場ではむろん商用モデルが販売されている。その中でも、プジョーだけは乗用モデルを「リフター」、商用モデルを「パートナー(本国読みだとパルトネール)」と呼び分けている。

歴代のシトロエン・ベルランゴと、2020年時点での兄弟車については、こちらに詳しくまとめてあるので是非ご覧になっていただきたい。

【ニューモデル情報通】Vol.3 シトロエンのMPV「ベルランゴ」は、ライバルのカングーよりも先に登場していた!

初代ドブロは2000年に誕生

さてここからは、今回の話の主役・ドブロについて歴史を振り帰ってみたい。

日本で発売されたドブロは3代目にあたるが、前述のように基本的にはプジョー・シトロエン開発のクルマである。ところが、初代と2代目は、純然たるフィアットのクルマだったことが決定的に異なるポイントだ。

初代ドブロは、カングー、ベルランゴなどと同じく、FF乗用車の車体後半を箱型にした商用バン「フルゴネット」の一員として2000年に誕生した。ドブロの前身的なモデルは、「フィアット・ウーノ」に箱を背負わせた「2代目フィオリーノ」で、カングーの前身が「ルノー・サンク」ベースの「エクスプレス」、ベルランゴの前身が「シトロエン・ヴィザ」ベースの「C15」と同じ成り立ちなのは興味深い。なお初代ドブロのプラットフォームは、フィアットの新興国向けハッチバック「ストラーダ」を使用していた。

モールで2分割されたような灯火類とグリル、大きく面積をとったフロントとフロントドアの窓、2本足のドアミラーなど、初代ドブロは商用車ながらもデザイン的な手抜きは一切見られず、イタリア車らしい個性にあふれていた。ライバルのカングー・ベルランゴと同じく、乗用モデルも「パノラマ」という名称で設定されていた。製造は1960年代末からフィアットのノックダウン生産を行っていたトルコの「トファシュ(TOFAŞ)」が担当したほか、ブラジルやロシア、ベトナムなどでも生産が行われた。

2005年にフェイスリフトを受けた初代ドブロ

そんな初代ドブロだったが、いささかその表情は奇抜すぎたためか、2005年には大きめのフェイスリフトを行って常識的なマスクに変更された。小型車作りに長けたフィアットが手がけた小型バンだけにもともとの素地が良いこともあり、2006年には「インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。

連続的なウインドウグラフィックが特徴の2代目

ドブロは、2010年に2代目にバトンタッチした。デザイン上の特徴は、初代では独立していた側面各窓が、2代目では連続的かつ後方に向かって切れ上がるような処理になっていたこと、そして水滴型ヘッドライト・縦長の大きなグリルの採用である。せっかく初代後期でキリッとした表情を得たのに、2代目ではまたどこか愛嬌ある顔となったのも面白い。プラットフォームはCセグメントに近い体躯を持つ「グランデプント」用のため、車体全体も大型化しており、使い勝手の向上も果たしている。製造はトルコに集約されていた。

2代目もビッグマイナーチェンジを受け端正な顔立ちに変化

ところが歴史は繰り返すのか、2代目ドブロは2015年のマイナーチェンジでフロントを大きく再整形。これまでのどんなドブロよりも精悍なマスクを獲得した。サイドの勢いがあるウインドウグラフィックと似合う、良いフェイスリフトではないだろうか。変更は多岐にわたり、インテリアも大きく刷新。デザインはより乗用車的になり、質感も大きく向上した。

2代目からは兄弟車としてドイツ向けの「オペル・コンボ(D)」、英国向けの「ヴォクスホール・コンボ(D)が生まれたほか、北米市場にも、後期型を「ラム・プロマスターシティ」として供給していた。これは2014年にフィアットとクライスラーが合併した成果のひとつだ。

実はステランティス以前から始まっていた、プジョー・シトロエン・フィアットの商用車協業関係

そして3代目ドブロからは、フィアットベースからプジョー・シトロエンベースに切り替わった、ということになるのだが、フィアットとプジョー・シトロエンの間で商用車を共同で作る歴史は深く、なんと45年も前の1978年からスタートしている。その詳細は別記事でも取り上げているので、ぜひこちらご覧いただけたら幸いである。

ボクらのヤングタイマー列伝:第39回『ユーロバン』知っていたらかなりの欧州車ツウ! 欧州4社が共同開発した初代ユーロバン詰め合わせ!!

こんな記事も読まれています

スズキ「スイフトスポーツ」生産終了!? 貴重な「めちゃ安いMTハッチ」今後どうなる! 最後を飾る「特別なスイスポ」12月登場も「次期型」のウワサは?
スズキ「スイフトスポーツ」生産終了!? 貴重な「めちゃ安いMTハッチ」今後どうなる! 最後を飾る「特別なスイスポ」12月登場も「次期型」のウワサは?
くるまのニュース
これはリアビューカメラ? ジャガー、次世代EVコンセプトの新たな画像を公開
これはリアビューカメラ? ジャガー、次世代EVコンセプトの新たな画像を公開
AUTOCAR JAPAN
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
motorsport.com 日本版
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
くるまのニュース
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
くるまのニュース
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
バイクのニュース
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
レスポンス
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
motorsport.com 日本版
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
バイクのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

1件
  • vwなら…
    T6」やキャディ」を取り上げてみては?

    なぜ?トゥーラン
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

384.0427.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.0399.0万円

中古車を検索
カングーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

384.0427.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.0399.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村