3グレードで展開されるサイバートラック
2019年に発売がアナウンスされたテスラのEVピックアップトラック「Cybertruck(サイバートラック)」。このモデルは当初2021年に納車開始を予定したが、なかなか量産化の目処が立たず4年が経過。しかし、日本時間の12月1日にテスラ本社のあるギガファクトリー・テキサスでついにサイバートラックの納車式が開催された。テスラにとっても4年ぶりの新型モデルの出荷が始まり、盛り上がりを見せている。サイバートラックはまるでSFの世界に登場しそうな、直線を多用した奇抜な外観が目を惹くが、スペックもかなり個性的だ。まず、ステンレス鋼の外骨格ボディは塗装無しでチッピングの心配も無く、へこみ、損傷を軽減し長期間腐食を軽減、サブマシンガンによる耐久実験をクリアしている。さらに、アーマーガラスは時速112kmの野球ボールや直径2.5~5cmの雹(ひょう)の衝撃でも割れない凄まじい耐久性を誇っている。加速は静止状態からわずか2.7秒で時速100kmに到達し、上位グレードでは最高速度が時速209kmと、ピックアップトラックとは思えないような性能を持つ。また、サイバートラックはテスラ初の外部給電機能が搭載され、規格が合えば他のEVへの給電や、住宅への給電も可能。他にも別売りの追加バッテリー「レンジエクステンダー」を追加して、航続距離を延ばすこともできる。サイバートラックはRWD(後輪駆動モデル)、AWD(全輪駆動モデル)、そして最上位モデルの「サイバービースト」の3モデル展開となる。価格はRWDが896万5530円、AWD が1175万8530円、サイバービーストが1469万8530円となる(1ドル147円換算の場合)。
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【サイバートラック】共通スペックサイズ(約):全長5683×全幅2413×全高1791mm座席数:大人5名■サイバービースト(最上位モデル)最高速度:時速209km最高出力:621kW重量:3104kg航続距離:515km(レンジエクステンダー追加時は707km)時速0-100km加速:2.7秒ホイール:20インチ駆動方式:AWD牽引:4990kg価格:9万9990ドル(日本円で1469万8530円)■AWD(全輪駆動モデル)最高速度:時速180km最高出力:441kW重量:2995kg航続距離:547km(レンジエクステンダー追加時は755km)時速0-100km加速:4.3秒駆動方式:AWD牽引:4990kg価格:7万9990ドル(日本円で1175万8530円)■RWD(後輪駆動モデル、2025年発売予定)最高速度:時速180km最高出力:225kW重量:2995kg航続距離:402km(レンジエクステンダー追加時は755km)時速0-100km加速:6.7秒駆動方式:RWD牽引:3402kg価格:6万990ドル(日本円で896万5530円)RWDのその他のスペックは不明
サイバービーストって本当にピックアップトラック?
サイバートラックの最上位モデルは3tを超える重量に、防弾ボディと高耐久ガラス、対生物兵器モードでの医療グレードのHEPAフィルター、あらゆる環境で安定して走行できるオールテレインタイヤを搭載。これに「ビースト」の呼称が加わると、ピックアップトラックというより、あの要人警護車両(VIPカー)をつい連想してしまう。全幅2413mmという数字は日本の中・大型トラックの規格(全幅2500mm以内)に近く、日本のピックアップトラック「トヨタ ハイラックスZ」を例にしても全幅が1855mmなので、サイバートラックで国内を快適に走るのは難しそうだ。しかし、SFチックで近未来的なサイバートラックのデザインには、まるでコンセプトカーがそのまま量産化されたかのような驚きと喜びがある。厚さ3mmでプレス成型ができないというステンレスボディにもロマンがあるではないか。あらゆる性能を詰め込んだことで価格面も実用的なピックアップトラックからは離れた印象を受けるが、この価格については2019年にイーロン・マスク氏が言及していた価格よりも1.5倍近く高く設定されているため、テスラとしてもこの着地は想定外だったに違いない。マスク氏は納車式の際に、サイバートラックは2025年に年間25万台の生産を目標にすると説明。ただし、量産にはまだ課題があると補足している。サイバートラックはプレオーダーでは100万~200万台以上の申し込みがあったという噂もあるが、実際の購入者数や納車までの期間、そしてどのようなユーザーに求められていたのかが今後明らかになっていくだろう。
サイバートラックの警察・軍用展開もありえる!?
ここからは、サイバートラックをさらにアップグレードさせるサードパーティ製品を紹介する。テスラのモデルのアップグレードを手掛け、業界のリーダー的存在である“アンプラグド パフォーマンス社”は、サイバートラックの納車式の直後に専用パーツ「UP INVINCIBLE(アップ インビンシブル)」を発表。サイバートラックに頑丈なスチールバンパー、ロックスライダー、カーボンファイバーボディパネル、高出力 LED ライトバー、ベッド収納ソリューション、リフトアップにアンダーボディアーマーなどが追加され、よりピックアップトラックらしい姿に仕上げている。同社はさらに、アップ インビンシブルの将来像として、サイバートラックをベースとした警察車両や軍用車両の展開も視野に入れており、レンダリング画像を公開している。たしかにサイバートラックは一般車両としては過剰なスペックを備えている印象があったが、停止状態から時速100kmまでの加速性能や、3t超えの車重、衝突しても横転しづらい低重心仕様、防弾ボディなどを考慮すると、むしろテスラはサイバートラックのミリタリー運用もどこかで意識していた、と捉えても面白いかもしれない。
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みんなのコメント
人轢いてもボディが固すぎてこれまた歩行者死亡。
トラックだから歩行者保護の為のボンネットの膨らみも必要ない?
日本車だと、発売開始と同時に受付終了、ってクルマもあるのにね。