今後主流となることが予測される電気自動車(EV)。2022年は、トヨタ・bZ4Xやスバル・ソルテラなど、それまでEVをラインナップしていなかった国産メーカーからも新型EVが登場する予定となっているなど、その動きはさらに加速しそうです。
そんな中、世界初の量産型EVとして2010年にリーフを発売して以降、これまで日本国内だけで15万台以上を販売するなど、ほかのメーカーに先駆けてEVを推進してきた日産からも、新たなEV、それも軽自動車規格のEVが発表される予定です。
●既存の軽自動車とガチンコ勝負の1台に?
日産は2021年8月、三菱自動車との共同プロジェクトとして開発を進めてきた新型の軽EVを、2022年度初頭に発表することを明らかにしました。
これまでも、三菱・i-MiEVやトヨタ・シーポッドなど軽自動車規格のEVは存在していましたが、どちらかと言えば実験的な車両という位置づけであり、多くの人が検討するようなものとは言えませんでした。
一方、今回登場予定の新型軽EVは、内外装のデザインや使い勝手などは既存の軽自動車にかなり近いものとなる見込みです。つまり、現在販売されているガソリン車の軽自動車と比較検討されるような存在となる見込みです。
では、一体どんなクルマが登場するのでしょうか?
現在公式発表されている情報としては、全長×3395mm×全幅×1475mm×全高1655mmというボディサイズ、搭載されるのが20kWhのバッテリーであること、そして補助金や税制優遇を考慮した実質的な価格が約200万円となることなどです。
まず、ボディサイズについては、日産の軽自動車の人気モデルであるデイズとほぼ同じです。つまり、多くの人がイメージする「軽自動車」と同等のサイズ感と言えます。
20kWhというバッテリー容量は、ロングレンジモデルではないリーフのちょうど半分です。 リーフの一充電走行距離(WLTCモード)は322kmであるため、新型軽EVの一充電走行距離は150km程度が確保される見込みです。
約200万円という価格については、軽自動車としては高価ではあるものの、デイズの最上級グレード「ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション」の価格が174万7900円ということを考えると、決して手の届かない価格ではありません。加えて、EVの走行コストは、同サイズのガソリン車に比べて3分の1程度になることが一般的であるため、使用頻度が多ければ多いほど、車両価格の差は小さくなることでしょう。
これらの情報を総合すると、新型軽EVは、既存の軽自動車と「ガチンコ勝負」する1台となることがわかります。
●名前は「サクラ」?フロントマスクは「アリア」顔?
一方、日産が公式に発表していない情報からも新型軽EVのプロフィールをうかがい知ることができます。
例えば、この新型軽EVについての情報が発表される直前の2021年7月、日産は「ハイブリッド電気自動車並びにその部品および附属品」などに使用するものとして、「サクラ」という商標の登録を行っています。
日産では一般名詞を車名にすることが多いこと、日本を代表する樹木・花である「桜」は、日本独自の規格である軽自動車の名前としてマッチすること、そして「2022年初頭」とされている新型軽EVの発表時期は桜の季節であることなどの理由から、この新型軽EVに「サクラ」の名が与えられることは濃厚です。
また、クルマの印象を決定づけるフロントマスクのデザインは、すでに納車が始まっている日産の新型EVアリアと同じイメージのものとなることが濃厚です。
日産は2019年10月の東京モーターショーで、アリア コンセプトと、軽自動車クラスのEVコンセプトカーであるニッサン IMkという同じデザインコンセプトを持つ2つのクルマを発表しました。アリア コンセプトのデザインはほぼそのまま市販版のアリアへと受け継がれたことを考えると、ニッサン IMkのデザインが今回の新型軽EVに引き継がれる可能性は高そうです。
具体的には、LEDヘッドライトに新デザインの「Vモーショングリル」を組み合わせた未来感のあるフロントマスクや、伝統的な「水引」模様や木組みの美しさにヒントを得たというスタイリングが、新型軽EVの特徴となる見込みです。
●発表は5月下旬、発売は6月上旬見込みも、さらに長引く可能性も
日本の軽自動車市場を大きく変える実力を秘めた日産の新型軽EVですが、一方で発表時期は当初の想定よりも後ろ倒しになる可能性が濃厚です。
上でも述べたように、2021年8月の発表では「2022年度初頭」とされていた発表時期ですが、昨今の半導体不足や、新型コロナウイルス感染症の影響によるその他の部品の供給遅れなどから、現状では5月下旬の発表、そして6月上旬の発売となる見込みです。
ただし、昨今の情勢を鑑みると、さらに後ろ倒しになる可能性は否定できません。また、発表と発売が予定通り行われたとしても、納車までに多くの時間を要することも考えられます。あるディーラー関係者は「場合によっては納車は2022年冬になるかもしれない」と話します。
納車までの時間が長引いていることはこの新型軽EVに限った話ではありませんが、ある程度の期間を覚悟しておいた方がよいことは間違いありません。
●新型軽EV、どんな人におすすめ?
現段階では明らかになっていない点も多い日産の新型軽EVですが、これまでにない魅力的なクルマとなることは間違いなさそうです。
一方、EVであるという点を考慮すると、既存の軽自動車の完全な置き換えになりません。では、どんな条件の人であれば、この新型軽EVのメリットを最大限享受できるのでしょうか。
まずポイントとなるのは、充電設備があることです。近年では商業施設や公共施設などにも充電設備の設置が進んできましたが、軽自動車は日常の足として利用されることが多いため、やはり自宅で毎日充電できるのが理想です。
一般的な充電設備であれば、設置にかかる費用はメーカーによるサポートや、国や地方自治体の補助金が利用できることも多いため、金銭的な負担はほとんどないのが一般的です。しかし、設置に際しては工事をともなうことになるため、賃貸物件では許可が下りないことも多く、その点で言えば持ち家を持っている人の方が適していると言えます。
また、新型軽EVの一充電走行距離(WLTCモード)は150km前後になると予想されますが、電欠の不安なく走行できる距離は100km程度と考えるのが現実的です。
そうなると、片道50km以上の移動を日常的に行う人や、旅行なども1台のクルマでまかないたいという人は、航続距離の面で不安を感じざるを得ないでしょう。
一方で、基本的には長い距離を走れば走るほどガソリン車に比べてコストパフォーマンスが高くなることを考えると、ほとんどクルマを使わない人も不向きと言えます。
それらを総合すると、一回の走行距離が片道50km以内で、日常的にクルマを使う人が最もメリットを感じやすいと言えそうです。
例えば、クルマが「一人一台」と言われる地方部に住む人は、日々の通勤や買い物に日常的にクルマを使う上に、持ち家率も高いことから、今回登場する新型軽EVのメインターゲットとなることでしょう。
ただし、現段階では4WD仕様がラインナップされるという情報はないため、豪雪地帯に住む人は慎重に検討したほうがよいかもしれません。
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