F1第5戦マイアミGPのフリー走行3回目でレッドブルのマックス・フェルスタッペンが2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)にコンマ4秒、3番手でチームメイトのセルジオ・ペレスにコンマ5秒の差をつけてトップでセッションを終えたとき、ほとんど者は予選でのフェルスタッペンのポールポジションを疑わなかった。それはフェルスタッペンの走りを間近で見ていたペレスがだれよりも感じていたことだった。
「本当に自信がなかったんだ。データを見ていて、マックスができていることを見ていても、僕にはそれができなくて……かなり苦戦していた。それは小さな違いではなく、かなり大きなものだった。でも、予選ではとにかくアスファルトと会話し、バランスを失わないようリズムをつかんで走っていた。何しろ走行ラインを外すと氷の上にいるようだったからね」
ペレス今季2回目のポール「ライバルとのギャップを縮める方法が分からず、苦しみ続けた」レッドブル/F1第5戦
そうペレスは振り返った。
それが決して謙遜ではないことは、予選のQ1とQ2でもペレスはフェルスタッペンからコンマ4秒遅れていたことでもわかる。だが、その慎重な構えが結果的に功を奏する。
対照的にフェルスタッペンは乗っていた。ところが、Q2に入ると思わぬ伏兵が現れる。それはシャルル・ルクレール(フェラーリ)だった。Q2でトップタイムをマークしたフェルスタッペンに続いて、2番手となったルクレール。フェルスタッペンとのタイムはわずかコンマ1秒。この接近戦がフェルスタッペンの走りだけでなく、ルクレールの走りも狂わせた。ふたりは限界を超えて、攻めすぎたのだ。
Q3の1回目アタックをミスしたふたりは2回目がラストチャンスになる。逆転ポールポジションを狙って、真っ先にコースインしたルクレールがスピンし、クラッシュ。これで予選は赤旗が出されたまま、終了。1回目のアタックを途中で切り上げてノータイムだったフェルスタッペンは、まさかの9番手に終わった。
「まず第一に、1回目のアタックを完結できなかったのは僕のせいだ。ターン6~7で若干アンダーステアになって、少しラインを外したら、もう走行ラインに戻ることができなかった」(フェルスタッペン)
通常のサーキットであれば、多少ラインを外しても戻ることはできるが、このマイアミ・インターナショナル・オートドロームは普段レースが行われておらず、路面の改善しろが大きいため、走行ラインのグリップ力が大きく、いつものように少しラインを外しても攻める走りをするドライバーたちが、罠にはまりやすくなっていた。今回の予選結果がチームごとに綺麗に並ばず、同じチームでも順位がバラバラだったのは、そんな背景が影響していたと考えられる。
ペレスのポールポジションタイムよりもQ2のフェルスタッペンのトップタイムのほうが速かったことを考えると、もしフェルスタッペンがルクレールの猛追を受けずに、普通に走っていれば、余裕でポールポジションを獲得していたことだろう。
「週末を通して、僕たちは本当に速かった。それをまとめなければならないのに、大事なところでそれができなかった。それが悔しい」
フェルスタッペンはそう言って、自分の走りを悔いた。
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