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【欧州価格を発表】マツダMX-30 初のEVモデル、邦貨換算370万円から 航続距離209km

掲載 更新 11
【欧州価格を発表】マツダMX-30 初のEVモデル、邦貨換算370万円から 航続距離209km

初のEVモデルMX-30

text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)

【画像】マツダMX-30,ヒュンダイ・コナ、トヨタC-HR【ライバル比較】 全52枚

2021年初めに発売予定の、マツダ初のEVモデル「MX-30」の欧州向けの価格が明らかとなった。

3500ポンド(48万円)のプラグインカー補助金差し引き後の価格で、2万6995ポンド(370万円)からとなる。

英国では、2021年後半に発売される標準モデルに先立って、MX-30ファーストエディションの500バージョンが提供さる。

MX-30ファーストエディションの価格設定は、標準MX-30ラインナップの中間に位置すると予想されているが、為替レートやプラグインカー補助金などの不確定要素により、変わる可能性も高い。

MX-30は、多くのEVに見られる、サイレントモーターリングやワンペダル・ドライビングなどの典型的な機能を排除し、EVマーケットに革命を起こす。

マツダは、「走る歓びを犠牲にしたくない」ドライバー向けに、この新しいMX-30を開発したと述べている。

小型バッテリーを搭載

マツダ初の電動モデルは、35.5kWhのバッテリーで駆動する電気モーターを搭載し、143psと27kg-mのパワーを発生する。

航続距離は209kmで、449kmを達成するヒュンダイ・コナ・エレクトリックなど、多くのライバルよりもはるかに短い。

マツダは、ヨーロッパのユーザーの1日の平均的なドライブ距離が50kmを超えていると述べている。

クルマのライフサイクル全体を通して、CO2の排出量をより多く削減するため、小さなバッテリーを選択したと付け加えている。

調査では、35.5kWhのバッテリーは、ガソリンエンジンを搭載するマツダ3や、アウディeトロンのような95kWhのバッテリーを採用したEVよりも、ライフサイクル全体を通してCO2排出量が少ないことがわかっている。

マツダヨーロッパのR&Dのトップ、クリスチャン・シュルツェは「過度に大きなバッテリーは必要ありません」

「カスタマーが本当に必要とする航続距離と、CO2を削減するためにバッテリー容量をどこまで小さくできるか、検討する必要があります」と述べている。

マツダ車両開発本部の竹内都美子主査は、AUTOCARに対し、高出力または航続距離の長い、フラッグシップMX-30の計画はないと語っている。

他のEVとの差別化

マツダは、多くの運転特性において、MX-30を他のEVと区別することを選択した。

たとえば、多くのEVに比べて回生ブレーキが少なく、人気の高いワンペダル・ドライビングスタイルを避ける一方で、加速性は高くなっている。

シュルツェは「他のEVに採用されているワンペダルを緩めるよりも、ブレーキを踏み込む方が、大幅な減速の場合は優れていると思います。効果は同じですが、動作が行いやすいと思います」と述べている。

また、トルクが加えられたときに内燃エンジンから聞こえる、さまざまなノイズを再現する人工音も導入している。

マツダは、クルマのスイッチで制御可能な、サイレントオプションを提供するかどうかについては、まだ検討中だとしている。

昨年の東京モーターショーで発表されたクロスオーバーは、マツダ3およびCX-30で使用されている新しいアーキテクチャから派生したプラットフォームを採用しているが、バッテリーとフロア周りのリング構造を増やし「超剛性で高速反応するボディ」を実現している。

マツダは、e-GVCプラスと呼ばれる、マツダのG-ベクタリングコントロールシステムの拡張バージョンを採用している。

マツダはこのシステムについて「電動モーターのトルク特性を活用して、さまざまなシナリオの下で前後負荷シフトを最適化します」と述べている。

シュルツェは、電気モーターを使用すると、エンジンよりも細かいトルク制御が可能になると説明している。

MX-30は、CX-30とほぼ同じ全長だが、わずかに車高が高いためフロア下にバッテリーを収容できる。

マツダが「機能を強化し、MX-30の新しい創造的な用途の幅を広げる」と説明する、ベビーカーや車椅子へのアクセスがしやすい、RX-8の観音開きドアを復活させている。

MX-30のインテリア

内部には、新しい7インチ・タッチスクリーン・ディスプレイを含むフローティングコンソールがある。

エアコンはマツダ初のタッチパネルによる制御が採用され「安全で直感的な操作を実現」している。

レザーは植物由来の代替品に置き換えられ、ストレージエリアとドアグリップにはコルクが採用されている。

MX-30は、6.6kWのAC電源とCCS接続を介した50kWの急速充電が可能であり、後者は30~40分で80%の充電を提供する。

セカンドカーとしてのニーズを満たす

MX-30のモデル名について、スポーティなロードスター、MX-5のような「仮定に挑戦する」プロダクトラインからきているとマツダは説明する。

マツダモーターヨーロッパのCEO、青山裕大は「当社のデザイナーとエンジニアは、非常に明確な目標をもって、初のバッテリー式電気自動車の開発に取り組んできました」

「際立ったデザインと、快適なドライビングが必要です」

「多くのメーカーがEVの発売を急ぐあまり、忘れてしまったように思われますが、製品のライフサイクル全体を通して、CO2排出量の削減に積極的に貢献することが最も重要となってきます」と語っている。

青山は「ブランド全体に導入予定の電動技術と共に、小さなメーカーとして、EVの開発に全力を注いでいます」

「カスタマーのセカンドカーとしてのニーズを満たす、EVを提供していくこととなると予想しています」と付け加えた。

電動MX-30の発売後、マツダの有名なロータリーエンジンを搭載した航続距離の長いバージョンが登場する予定となっている。

RX-8が、2012年に生産終了となって以来、ロータリーエンジンを搭載したロードカーは生産されていなかったが、2015年の東京モーターショーで展示された、マツダRX-ビジョンコンセプトは、同様のパワートレインを使用していた。

バリエーションについて、シュルツェは「ロータリーエンジンを搭載すれば、運転中にも充電ができ、航続距離が長くなります。多燃料エンジンなので、将来的にはCNG、LPG、水素で使用することも可能です」

「グローバルな視点を持つことが重要だと考えています」と述べている。

プラグインハイブリッドなど、多数のハイブリッドバリエーションでの提供の可能性もある。

マツダUKのボス、ジェレミー・トムソンは、MX-30が初年度に全体の販売量の3~5%を占めると予測しており、現在の英国市場シェア1%にしかならないEVの、売上の向上を狙っている。

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みんなのコメント

11件
  • ホンダのEVも220km位だったと思うけど、ヨーロッパではEVはセカンドカーとして割り切って考えてるのか。日本では毎日の通勤と休日のドライブを1台でこなそうと難しい注文を付けすぎてしまう。
  • ホンダeはアリだと思うけど、MX-5はどうなんだろう。

    小容量電池で小型軽量というのはいいと思うけど、CX-30ベースのSUVでは重量的に成立させにくい。ただでさえ、他社より車体が重いのに。

    観音開きのリアドアも、そもそもベースのCX-30のに普通のドアが付けられるわけで、BMWi3やRX-8みたいな理詰めの採用とは思えない。 RX-8オマージュ以外に理由がないなら、独りよがりがすぎる。

    なんか、車の出来以前に、物事の考え方にモヤモヤする。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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