ホンダ初の量産BEV、ホンダeが欧州でデビューを果たした。そのデザインと走行性能は、ライバルがひしめき合う欧州市場において通用するものなのか、スペインのバレンシア地方で試してきた。(Motor Magazine 2020年5月号より)
内外装に最先端のハイテク装備を満載
スペイン、バレンシアで開催されたホンダの試乗会でアウトモーターウントシュポルトの記者は、このクルマのことを「初代ゴルフのようなレトロルックでGTIのような走り、そしてインテリアは思い切ったハイテク」と評した。まあ、これがヨーロッパで間もなく販売されるホンダ初の本格的な量産BEV(電気自動車)、ホンダeに対するジャーナリストたちのおおかたの印象、評価である。
【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?
私が感じたのは、ホンダが80年代に置き忘れてきたヨーロピアンなデザインと意気を持ったクルマをようやく出したなぁ、というものだった。つまり、アメリカファーストの束縛から逃れてヨーロッパの、いやグローバルの嗜好を十分に反映したクルマを誕生させることができたのである。
このクリーンなデザインを持ったボディ寸法はほぼフォルクスワーゲン ポロと同じだ。パナソニック製電子ミラー、SCMS(サイド カメラ ミラーシ ステム)は標準装備で、その形状は壊れにくく、安易にモノを引っ掛けたりできないようにデザインされている。一方ダッシュボード両脇の後方映像を映す画面もアウディeトロンよりもポジション、サイズともしっくりくるものである。
キャビンに乗り込むとドライバーの正面には8.8インチのディスプレイ、そして隣には12.3インチのタッチディスプレイが並ぶ。この2つのディスプレイポジションをスライドすることも可能だ。つまり助手席の乗員が見たいときに引き寄せることができるのだ。もちろんコネクティビティやインフォテインメントは充実しており、音声入力が可能でインターネットとリンクしている。
課題は充電時間と欧州のマーケット事情
新しいリア駆動のBEVプラットフォームの床下に搭載されるリチウムイオン電池の容量は35.5kWh、モーターのチューニングは2種類あって「アドバンスグレード」で154ps(113kW)/315Nmを発生。0→100km/h加速は8.3秒、最高速度は145km/hだ。「ベーシックモデル」のスペックは136ps(100kW)、315Nmで、0→100km/hは9秒、最高速は145km/hと変わらないが、航続距離は17インチタイヤを装備する「アドバンスグレード」が210kmであるのに対して222kmと若干長くなる。
タイヤは四隅にレイアウトされ、足まわりはすべてストラットによる独立懸架式である。ホンダがお得意のHビーム式では重量増に耐えられなかったのだろう。おかげでラゲッジルームはそれほど大きくないが、重量配分は50:50と理想的な数値を得た。
試乗車はオプションの17インチのタイヤを履き、乗り心地はちょっと硬めだが、スピードに乗れば快適である。ステアリングは可変システムにもかかわらず、どんな状況でも操舵力や操向性(ゲイン)は自然で、路面からの情報は豊富だった。
コーナーを攻め込んでも前輪はステアしたラインを守り、アンダーは容易に出ない、同時に低重心のお陰でロールも少ないので、バケットシートがあったらスポーツカーのようなドライブが可能だ。また駆動軸から解放された前輪の切れ角は大きく、回転直径はわずか8.6m、狭い道でも切り返しをすることなくUターンが可能だった。
さて、BEVで問題となる充電時間だが100kWの直流急速充電では80%まで充電するのに必要な時間は約30分で済む。また7.4kWのウォールボックスでは4時間だが、家庭用電源(ドイツは220V)では19時間かかってしまう。ここは欧州での公共充電網の拡充を待つしかなさそうだ。
魅力あふれるホンダeだが問題もある。それはライバルの存在と2021年にEU委員会により課せられる罰金を回避すべく、なりふり構わぬ値引き合戦が始まった荒れた欧州市場だ。プジョーやルノー、フォルクスワーゲンの同じようなスペックを持つライバルのBEVが40%超の値引き販売が行われる異常事態の中で、ホンダeは先行きが心配されるいわば「大荒れの海」に出航するのである。(文:木村好宏)
■ホンダ e(スタンダードモデル欧州仕様)主要諸元
●全長×全幅×全高=3895×1750×1512mm
●ホイールベース=2530mm
●車両重量=1514kg
●モーター最高出力=136ps
●最大トルク=315Nm
●駆動方式=RWD
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