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新型フェアレディZの市販モデルはプロトタイプとどこが違うか!? ズバリ解説

掲載 更新 18
新型フェアレディZの市販モデルはプロトタイプとどこが違うか!? ズバリ解説

アメリカでZの量産モデルを公開!

 7thモデルとなる新型「Z」の量産バージョンがアメリカで世界初公開された。1年前に発表されたプロトタイプとの違いはわずかだが、商品企画担当の田村宏志氏は「前回お見せしたZプロトは、95%くらいの完成度でした」と教えてくれた。
 エクステリアはプロトそのまま。日本刀をイメージした引き締まったプロポーションは実に魅力的だ。
量産モデルになって変わったのは、車高、タイヤ&ホイール(BSポテンザS007+レイズ製鍛造アルミ)、ブレーキキャリパー、フロントスポイラー(GT-Rの知見をフィードバックしたという)、リアウイング、ヘッドライト(オレンジのウインカーが見える)、そしてリアバンパー横のリフレクターだ。

日産が第7世代となる新型Zを米国で初公開

 ボディカラーはモノトーン3色に加えて、新色となるセイランブルーとイカヅチイエローを含む2トーン(スーパーブラックルーフとの組み合わせ)6種の計9タイプ。
 柔らかな印象だったZプロトに対して、量産モデルはシュッと引き締まって見える。これは細部がリアルになった効果だろうか。歴代モデルのオマージュが随所に盛り込まれたスタイリングは、新型の大きなアピールポイントである。

 室内は12・3インチのフルデジタルディスプレイ(3種類の表示モードが選べる)とセンター配置のアナログ3連メーターの組み合わせ。2nd&3rdモデルを彷彿させる横基調のインパネは、「伝統」と「革新」が融合した印象。プロトとの差はセンターの空調グリルのデザイン程度。カップホルダー前のシートヒーター/リアゲートオープナースイッチ、そして空調コントロール下に見えるUSBポートも、プロトにはなかった。
ちなみにシートはシンプルな形状に見えるが、GT-Rで培ったノウハウをフィードバックした逸品。ホールド性/フィット感とも大きく引き上げられている。

エンジンは3ℓツインターボ! トランスミッションは6速MTと9速AT

 エンジンは3リッターのV6ツインターボ。アメリカ仕様は400ps/475Nmのパフォーマンスを誇る。スカイライン400Rにも搭載される「VR30DDTT」だが、ターボにリサーキュレーションバルブを加え、レスポンスを引き上げたZ専用セッティングだ。日本仕様は405ps仕様になる。

 トランスミッションは6速MTと9速ATの2種。MTは現行モデル用の改良版。強化型クラッチディスクと新設計シンクロナイザーシステム、そして新たなシフトプロファイルが採用された。ちなみにVR30DDTTエンジンとMTの組み合わせはZが初となる。
ATは新開発の9速。素早いレスポンスに加えて、幅広いギアレンジが特長だ。モード切り替え(ノーマル/スポーツ)は、ATに加えて、エンジンやステアリング、更にVDC制御を総合的に変更する最新仕様だ。
アメリカ仕様は、北米で販売されるスポーツカーの必須アイテムといわれている「ローンチコントロール」をMT(パフォーマンスグレード)/ATとも設定。日本仕様への導入も期待したい。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4379×1844×1316mm。プラットフォームは2550mmのホイールベースから理解できるように現行FR-Lプラットフォームの進化版だ。エンジンのパフォーマンスアップに合わせた剛性アップに加えて、厳しさを増す衝突安全性能にシッカリ対応。サスペンションは前ダブルウィッシュボーン、後マルチリンクの組み合わせ。現行モデルをベースに、ジオメトリー変更(直進安定性向上)と、モノチューブダンパー(ロードホールディング向上)を採用。さらにZでは初採用となる電動パワーステアリングが組み込まれ、フロントタイヤのワイド化(245→255)が実施された。ハンドリングが総合的に高められているのは間違いない。

日本仕様は2022年初頭に正式デビュー予定

 今回の発表では安全/運転支援デバイスの詳細は発表されなかった。フロントバンパー下やルームミラー付近のセンサー、ステアリングスイッチなどから推測すると、最新のクルマに必要なアイテムは装着されているようだ。

 気になるのは、日本向けの「フェアレディZ」だが、正式発表は今冬を予定している。デビューは、2022年1月の東京オートサロンが濃厚だろう。価格は北米向けが「4万ドルから」、ただしこれはベース仕様の廉価グレード。日本向けは全車ほぼフル装備になるはず。価格は500万円前後からと予想している。

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