2021年のフォーミュラE第13戦ロンドンePrixレース2で奇策によってトップチェッカーを受けたアウディのルーカス・ディ・グラッシ。彼は結局失格処分となってしまったが、勝利を逃すことに繋がったミスはこの先忘れられないだろうと語っている。
発端となった動きはレース2の11周目に起きたクラッシュで、セーフティカーが出動したことだ。アウディは8番手を走っていたディ・グラッシをピットへと呼び戻し、ガレージの前で一時停止させて再びコースへと送り出した。するとディ・グラッシは先頭で隊列に合流。ピットレーンを通過することで一気にポジションを上げたのだ。
■フォーミュラEロンドンePrixレース2決勝:大乱戦! 頭脳的”奇襲”でトップチェッカーのディ・グラッシは失格。優勝はリン
この動きには賛否両論あるが、FIAのスポーティングレギュレーションでは認められたモノだ。第38.11条にはこう記されている。
『(セーフティカー出動時も)ピットレーン入口と出口は開かれたままとなり、各マシンは彼らのピットの前面で停止することを条件に自由にピットインすることができる』
しかし、その後FIAはディ・グラッシに対してドライブスルーペナルティを通達。ピットボックスでロックしてしまったことで、マシンのホイールスピードはゼロだったものの、完全に停止していなかったことが判明したためだ。
そしてチーム側はこのペナルティに対して抗議。ディ・グラッシにはペナルティの情報が伝えられずにレースが進行した。その結果、ディ・グラッシにはペナルティの不履行によって最終ラップに黒旗が掲示。トップチェッカーを受けたものの、彼は失格処分となり、チームには5万ユーロ(約650万円)の罰金が科された。
レース後、motorsport.comの取材に対し、ディ・グラッシは自らの勝利を奪うことになった小さなミスを、一生後悔するだろうと語った。
「まず最初に、僕はペナルティにはレースの最後まで気づいていなかったと言っておく。(勝利したと思い)10秒ほど喜んで、その後悲しんだよ」
「些細なことが原因で、レースを失格になったのは悲しい。この件は僕の残りの人生で、頭のなかに残り続けるだろう」
ディ・グラッシはアウディの戦略については、サッカーのオフサイドルールになぞらえつつ、リスクは承知していたとも語っている。
「上手くいかない可能性はあった。リスクは承知だった」
「この行為自体は100%許されたものだ。そして大胆な動きが上手くいったんだ」
「サッカーのように、オフサイドが規定されているなら、ルールを守って相手をオフサイドにしたりする」
「FEではとても複雑なルールブックがある。誰もがアドバンテージを得られないかと、抜け穴やマージンを探そうとしているんだ。そして今日、僕らは全てルールブックに従って行動した」
「チームがこうした大胆な動きをしたこと、もしくはこうすれば勝てるといった自信を持っていたことをとてもうれしく思う」
「そこにはリスクもあったけど、そうする価値はあった」
「ガレージの前で止まらなかったのは僕のミスだ。屋内の路面はとても滑りやすくて、タイヤをロックさせて僕が滑ってしまった」
「タイヤをロックさせてしまったことで、マシンがスライドしてしまった。これがペナルティの原因だ」
「ルールを確認して、アドバンテージを得る方法を見つけようとしてレースをするのも、試合の一部だ」
「スポーツは進化するけど、僕らは限界を攻め続ける必要がある。ルールで許される限度内で、こうしたことを続けていくつもりだ」
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