■えっ…! 当初は「日産の圧勝」だった!?
クルマの世界では、ライバルの存在は無視できません。乗用車・商用車にかかわらず、ほとんどのクルマにはライバルが存在する、と言っても良いくらいです。
その中で特に熾烈かつ有名なのは、中型セダン市場の代表車種だった日産「ブルーバード」とトヨタ「コロナ」の販売台数1位を巡る戦いです。ブルーバードの「B」と、コロナの「C」を取って「BC戦争」と呼ばれました。
【画像】どっちが好き!? 日産「ブルーバード」とトヨタ「コロナ」を画像で見る!(38枚)
日産とトヨタの“BC戦争”には、序章があります。
1955年に発売された小型車「ダットサン110型」を追撃すべく、1957年に発表された初代「トヨペット コロナ(T10型)」との戦いがそれです。
ちなみにダットサン、トヨペットともに、かつて日産とトヨタが使用していたブランド名で、それぞれ1970年代から80年代にかけて、日産・トヨタブランドに統一されています。
ダットサン110型はタクシーとしても好評を博していました。そのためタクシー業界からの声を受けた販売店サイドは、タクシーにも使える小型車の開発をトヨタに要請。初代コロナはこうして発売されたため、急ごしらえ感は否めませんでした。
一方の日産は1957年にダットサン1000(210型)を、さらに1959年には追い打ちをかけるように初代ブルーバード(310系)を発売して圧勝。トヨタも負けじと打倒ブルーバードを目指し、2代目コロナ(T20型)を1960年に発表。いよいよ本格的なBC戦争が開始スタートしました。
2代目コロナは、スマートなデザインや乗り心地の良さで評判を呼びましたが、当時の道路は未舗装が多く、タクシーで酷使されたことで耐久性やボディ剛性の弱さが明らかに。改良を繰り返すもブルーバードに及ぶことなく、再びコロナが敗北しました。
初代ブルーバードは対米輸出も堅調で、記録的な販売台数を記録。日産はその勢いをキープしようと、1963年に2代目ブルーバード(410型)を売り出しました。
世界的なデザイナーであるピニンファリーナがデザインしたヨーロッパ志向のデザインが自慢でしたが、テールに向かって下がっていくスタイルは日本市場では好まれず、肝心のデザインが仇となって販売は低迷。
マイナーチェンジでスタイルの大幅改良を行うも、大きな効果は得られませんでした。
ここでトヨタは勝負に出ます。敗戦から得た教訓を生かして3代目コロナ(T40/T50型)を開発しました。
水平基調のスタイルと「アローライン」と称したスラントノーズを特徴とし、車体の大型化で居住性を向上。耐久性もアップし、高速道路時代の幕開けに合わせて高い走行性能をアピールしました。
その結果、3代目コロナは大ヒットを記録。1965年にはついにブルーバードを抜いて国内販売台数1位に輝くまでに。ようやくトヨタはBC戦争を制したのでした。
しかし日産も黙っておらず、1967年には3代目ブルーバード(510系)を発売しました。
「スーパーソニックライン」と呼ばれるシャープなボディラインを誇った3代目ブルーバードは、スポーティモデル「SSS(スリーエス)」や、ラリーへの参戦も後押しして人気を獲得。
北米市場でも好調で、1973年までに約155万台が生産され、再びコロナに勝つことができました。
■ブルーバードの歴史で屈指の名車、「910型」でBC戦争に再勝利
コロナとブルーバードの戦いでは、次第に大型化・大排気量・高級化も進行。1968年になると、コロナから上位車種の「コロナ・マークII(T60/T70型)」が派生しました。
対する日産は、1971年登場の4代目ブルーバード(610型)で抑揚の大きな車体にフルモデルチェンジ。2リッター直6エンジンも搭載してユーザーの上流志向に応じ、車名も「ブルーバードU」として差別化を図りました。
しかしこの路線変更は成功せず、手堅いスタイルと設計でベストセラーカーの地位を得た5代目コロナ(T100/T110/T120型)の前に、ブルーバードは敗北を喫します。
なおややこしいことに、大型化した4代目ブルーバードに代わり、従来のブルーバードのサイズ感を継ぐモデルは、1973年デビューの初代「バイオレット(710型)」が担っていました。
1976年に発売を開始した5代目ブルーバード(車名からUが取れてブルーバードに復帰)も、直6エンジン版を設定するなどコンセプトに迷いが見られ、成績は芳しくありませんでした。
そこで1979年登場の6代目ブルーバード(910型)では、3代目の510型のようなスマートなデザインに回帰。直6エンジンもドロップして本来のファミリーカーらしさを取り戻しました。
大人気だった歌手の沢田研二氏をCMに起用するなどの話題性もあり大ヒット作となり、新車登録台数で27か月連続クラス首位を記録。久しぶりにBC戦争で日産を勝利に導きました。
トヨタもこれに対抗します。
1982年に生まれた7代目コロナ(T140型)では、おとなしめなファミリーカーというイメージを脱却して、スポーティさを強調しました。
しかし翌年には前輪駆動(FF)を採用したFF版コロナ(8代目。T150/T160型)も発売。FRとFFを併売していたのは、当時のトヨタがFF化に慎重だったためです。
その後もコロナとブルーバードはモデルチェンジを繰り返して競い合いを続けましたが、その中でブルーバードが最後の輝きを見せたのは、シンプルなスタイルと高性能エンジン搭載などで人気を得た、1987年登場の8代目(U12型)でした。
しかしコロナ、ブルーバードともにイメージが古くなったことから、前者は11代目(コロナプレミオ、T210型)、後者は10代目(U14型)が、奇しくも同じ2001年に販売を終了。
それぞれ「プレミオ」「ブルーバードシルフィ」へとバトンをつなぎましたが、ミニバンやSUVの台頭、セダン市場の事実上の消滅によって販売は大きく低迷。両車ともに2021年で国内販売を終えることとなりました。
※ ※ ※
最近では、ミニバンやSUVなどの売れ筋市場において、幾多のモデルが火花を散らして販売台数を競っています。
クルマは競い合うからこそ発展・進化を遂げるもの。今後もライバル車たちの戦いから目が離せません。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
今や自動車販売数でトヨタに大きな差をつけられただけでは無く、
ニッサンは自動車オンリー、トヨタは自動車だけでは無く宇宙産業進出を目指すメーカーになりつつある