インディアン最新モデルを「日本の街に似合う」仕様にカスタム
インディアン・モーターサイクル(以下インディアン)は、2023年12月3日に開催された日本最大級のカスタムバイクおよびカスタムカーの祭典「ヨコハマ ホットロッド カスタムショー2023」で、日本のカスタムバイクビルダー「HUMONGOUS CUSTOM CYCLES」の小松勇仁(こまつゆうと)さんとコラボレーションしたカスタムバイクを発表しました。
【画像】HUMONGOUS CUSTOM CYCLESが手掛けたインディアン「スポーツチーフ」カスタムを画像で見る(31枚)
HUMONGOUS CUSTOM CYCLES(ヒューモンガス・カスタム・サイクル)の代表、小松勇仁さんがカスタムしたのは、2023年2月に発表され、4月より日本で販売開始した新型車「スポーツチーフ」。
サンダーストローク116と名付けられた排気量1890ccの空冷V型2気筒OHVエンジンを、鉄パイプを中心としたクラシカルな素材とレイアウトのフレームに搭載したスポーツチーフは、インディアン100周年を記念して復活した「チーフ」をベースに、最新スポーツバイクのような高性能サスペンションやブレーキを投入してスポーツ性能を高めたアメリカン・スポーツクルーザーモデルで、米国で人気のカスタムスタイル「クラブスタイル」を取り入れたハンドルやシート形状、ステップ位置を採用しています。
アメリカでは発表直後から、『FORGRD(フォージド)』と題した、「スポーツチーフ」をカスタムするプロジェクトがスタート。3人のカスタムバイクビルダーが、俳優や格闘家などのバイク好きにカスタムバイクをプレゼントするという企画で、3台のスポーツチーフ・ベースのカスタムバイクが発表されていたのです。
今回小松さんが参加したカスタムプロジェクトは、そのFORGRDプロジェクトの日本版。『FORGRD TOKYO(フォージド・トウキョウ)』と題し、日本最大級のカスタムバイクおよびカスタムカーの祭典「ヨコハマ ホットロッド カスタムショー2023」が、その発表の場として設定されたのでした。
そのカスタムバイクに製作にあたり、小松さんは日本的なカスタムバイクのスタイルを持ち込んだと説明してくれました。
「インディアンのインダストリアルデザイン・ディレクターであるオラ・ステネガルドさんが、僕をビルダーに選んでくれたとき、その条件としてスポーツチーフのスピリットに忠実であること、だけが提示されました。
それはスポーツ性能を高めるパーツに加えて、クォーターフロントフェアリングという、フロントカウルこそがスポーツチーフのスピリッツを象徴している、と。
要するに、スポーツ性を損なわず、なおかつフロントカルは変えちゃ駄目だと言うことです。そうなると、他のアメリカ人ビルダーたちが造ったバイクのように、クラブスタイルを発展させたようなカスタムバイクになりがちです。
でも僕は日本人で、日本の街に似合うバイクを造りたかった。クラブスタイルはアメリカで生まれた流行のスタイルだから、日本のストリートには本来存在しないんです。
そこで、日本のストリートカスタムスタイルの象徴である、空冷4気筒系カスタムのようなスタイルを取り入れることにしました。だからクラブスタイルのように車高やハンドルを高くする方向とは真逆の、車高を下げ、バックステップを採用したのです」(HUMONGOUS CUSTOM CYCLES/小松勇仁さん)
また小松さんは、スポーツチーフが採用する純正カウルはそのまま活かしながらスクリーンを短くカット。純正の燃料タンクは幅を詰めてスリムに仕上げるとともに、角が張った部分は板金加工で滑らかなラインに仕上げました。フロントフェンダーもスタンダードの角を滑らかに板金加工しています。そしてリア周りは、リアフェンダーを吊り下げるフェンダーストラットもワンオフで製作。ペイント加工した純正ホイールに、あえて細いリアタイヤをセットし、リア周りのボリューム感を抑えるデザインを採用しました。
「どこをカスタムしたのか分からないほど自然なボディラインを目指しました。各部にしっかり手を加えていますが、それが主張しすぎないことが重要です。
これは持論ですが、新しい年式のバイクには、ビンテージバイクに付いているような手作り感満載のワンオフパーツは似合わないと思っています。そこだけ、時代が合わずに浮いてしまう。だからブレーキ周りやハンドルを支えるライザーと呼ばれるパーツも、いままさに流通している新しいパーツをチョイスしています。
ステップやチタンの手曲げマフラーは、大阪のトランプサイクルに依頼して製作しました。ステップやマフラーは自分で造ることも出来ますが、そうするとそこだけ手作り感が出てしまい、バランスが悪くなる。トランプサイクルは、量産からワンオフまで幅広く手掛ける金属加工のスペシャリストです。その細やかな仕上げは、ハンドメイドのパーツとはまったく違います。
そういった細かなフィッティングや、パーツの年式合わせなどによってこの車両が完成しています。仮にカスタムメニューだけを真似てパーツを組み合わせても、そこで出来上がった車両は、自分が作ったこの車両とはまったく違う雰囲気になるはずです。
自分が造るバイクは、どの車両も、その小さな違いを丁寧に積み重ねた結果、あのボディラインや雰囲気やパフォーマンスが出来上がっています。今回のスポーツチーフのカスタムプロジェクトも、奇をてらわず、その積み重ねを丁寧にやっただけです」(HUMONGOUS CUSTOM CYCLES/小松勇仁さん)
スポーツチーフのデザイナーも唸る完成度の高さ
そうやって完成した小松さんのマシンに、カスタムを依頼したインディアンのオラ・ステネガルドさんも大満足していました。
「ユウト(小松勇仁さん)が造ったバイクは、車体すべてをカスタムしているにもかかわらず、メーカーがディーラーに運んできたような、スタンダードバイクのような自然で美しい仕上がりで、しかもすべてのディテールがアップグレードされています。とにかく素晴らしい仕上がりに興奮しています。
彼が以前勤めていたHOT-DOCK CUSTOM CYCLES (ホットドック・カスタムサイクルズ)の河北さんは、日本のカスタムバイクカルチャーを造り上げた人物で、アメリカンバイクのカスタムスタイルにも強い影響力を持つ伝説の人物です。ユウトは、その河北さんから多くのことを学び、またHUMONGOUS CUSTOM CYCLESとして独立してからは、ユウトらしいスタイルを造り上げていました。
ユウトといつか一緒に仕事をしてみたいと思っていたので、その夢が実現して本当にうれしい。ユウトが造ったカスタムバイクは、アメリカで発表した3台のバイクとはまったくアプローチが違います。低く、それでいてスポーティ。新しさと伝統が融合したトウキョウの街に似合うユウトらしいスタイルで、スポーツチーフの世界を広げることができていて、とても満足しています」(インディアン・モーターサイクル/オラ・ステネガルドさん)
インディアン・モーターサイクル・ジャパンのYoutubeチャンネルには、小松さん自身が、スポーツチーフ・カスタムプロジェクト「FORGED TOKYO」についてインタビューに答え、その車両製作過程も動画に収められています。またインディアン・ブースを中心とした「ヨコハマ ホットロッド カスタムショー2023」のダイジェスト動画も公開中です。そちらでも、小松さんが参加したスポーツチーフ・カスタムプロジェクト「FORGED TOKYO」をお楽しみ下さい。
©Taka Masui Photography©山田健太郎&RISER MAGAZINE
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