■スズキの軽セダン「アルト」どんな人が買う?
1979年から現在まで発売されているロングセラーモデルで、スズキを代表する名車の「アルト」。
昨今は背の高い「スーパーハイトワゴン」が主流ですが、いわゆる軽セダンに分類されるアルトは、どのようなユーザーが興味を示しているのでしょうか。
車名はイタリア語で「秀でた」を意味し、運転のしやすさ、使い勝手のよさ、経済性の高さなどの魅力を誇ります。
自動車業界初の全国統一車両本体価を採用し、それが極めて安価だったことから大ヒットに至りました。
なお初代の新車価格は47万円と、当時の軽自動車が60万円台だったことからも破格だったことがわります。
そんなアルトの現行モデルは2021年9月に登場した9代目です。
内外装ともに「気軽」「安心」「愛着」をコンセプトとしており、特にエクステリアは丸みを帯びた親しみやすいものとなっています。
先代の8代目に引き続き、剛性、衝突安全性能、走行性能などに優れ、軽量・高剛性のプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用。
ハーテクトは、現在のスズキ車のスタンダードで、アルトでは車重680kgを実現しています。
またボディサイズは従来と比べて全高を50mm、室内高を45mm、室内幅を25mm拡大。
それにより室内空間も前席・後席ともに広いヘッドクリアランスやゆとりあるショルダールームとして、快適な広さを誇っています。
車内空間の拡大に合わせて装備面も充実したものに。大型のスマートフォンも収納できるインパネセンターポケットなど、ドライバーから手の届く位置に豊富な収納スペースが設置されています。
さらに一部グレードのパワートレインは優れた燃費性能のR06D型エンジンと専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせた独自のマイルドハイブリッドシステムを搭載。
WLTCモード燃費では軽自動車トップの27.7km/Lを達成しています。
グレードは4種を設定。ガソリン車ではスタンダードな「A」と装備を追加した「L」。
ハイブリッド車はガソリン車よりも全体的に装備が充実しており、その中でも通常の「HYBRID S」と最上級の「HYBRID X」から選択可能です。
いずれのグレードも駆動方式は2WDと4WDが設定されています。
なお2023年11月20日には一部改良を実施。
具体的には、インパネのUSB電源ソケットをType-A2個からType-A1個、Type-C1個に変更することで、使い勝手を向上させました。
ボディカラーの「ホワイト」をL(アップグレードパッケージ装着車)、HYBRID S、HYBRID Xでも設定しました。
またこの際に「仕様変更や原材料価格の高騰など」に伴い価格が改定されています。
2021年の発表時にはエントリーグレードで100万円を切っていましたが、この一部改良で100万円を超えています。
具体的には、Aが106万4700円から119万6800円、Lが111万9800円から125万700円。
HYBRID Sが121万8800円から万7800円から122万8700円、HYBRID Xが125万9500円から137万9400円(すべて税抜き)です。
そんなアルトを購入するユーザーにはどのような傾向があるでしょうか。
関東圏のスズキ販売店担当者は次のように話します。
「現行モデルは登場してから3年経っていますが、いまでも多くの問い合わせをいただいております。
リーズナブルな価格のため若いお客様が目立ちますが、定年後に普通車から軽自動車に乗り換えられるということでアルトを選ばれる高年齢のお客様も少なくない印象です。
ガソリン車と比べてハイブリッド車のほうが装備や色の選択肢が充実しているため人気となっています」
関西圏のスズキ販売店担当者は次のように話します。
「スズキの軽自動車の中でも特にコンパクトである一方で、車内空間は十分な広さが確保されているため、少人数での利用を中心に多くの問い合わせをいただいております。
特に遠距離の通勤で使われるお客様が多い印象です。
基本的にはハイブリッド車が人気で、どちらかというとHYBRID Sが人気となっています。
通勤で使う分にはHYBRID Sの装備で十分で、そこにオプションを付ければいいと判断されるようです。
スズキの生産ラインの中でも中心的なモデルであるため、納期は1か月ほどとなります」
※ ※ ※
そんなアルトですが、2024年7月にスズキが実施した技術戦略説明会にて、10代目となる“次期アルト”に関する発表がなされました。
軽量が特徴の現行モデルは1番軽くて690kgとなり、次期アルトではさらに100kg、すなわち500kg台となるようで注目が集まっています。
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