「国産250フルカウルスポーツ」バイク紹介
「走り」を目的に出かけることが多そうなフルカウルスポーツモデルだが、長距離走行での快適性や荷物の積みやすさなどが気になるライダーもいるはず。国産250フルカウルスポーツ4台の「旅道具」としての使い勝手を、ベテランツーリングライターの廣瀬達也がチェックする!
【画像ギャラリー38点】CBR250RR、YZF-R25、GSX250R、ニンジャ250の装備を同アングルで徹底比較
■ホンダ CBR250RR
初登場は2017年で「直感、体感、新世代“RR”」が開発コンセプト。1990年に発売された並列4気筒モデル搭載車(型式MC22)と同名だが、そちらとハード面において直接的な関係はない完全新設計モデルで、並列2気筒エンジンを搭載している。今回チェックした車両はマイナーチェンジを受けた2023年モデル。
【エンジン・性能】種類:水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:62.0×41.3mm 総排気量:249cc 最高出力:31kW<42ps>/13,500rpm 最大トルク:25Nm<2.5kgf・m>/10,750rpm 燃料タンク容量:14L WMTCモード燃料消費率:27.4km/L 変速機:6段リターン 【寸法・重量】全長:2,065 全幅:725 全高:1,110 ホイールベース:1,390 シート高:790(各mm) 車両重量:168kg タイヤサイズ:(F)110/70R17 (R)140/70R17 【カラー】ホワイト、レッド、マットブラック 【価格】86万9000円(ホワイト、マットブラック)、90万7500円(レッド)
■ヤマハ YZF-R25
2014年に「毎日乗れるスーパーバイク」をコンセプトに発売。2019年にマイナーチェンジを受けて現在のスタイリングに更新された。ほぼ同じ車体パッケージで排気量違いのYZF-R3(排気量320cm3)も販売されている。また、ネイキッドスタイルにアレンジされたMT-25/MT-03もバリエーションとして存在。
【エンジン・性能】種類:水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:60.0×44.1mm 総排気量:249cc 最高出力:26kW<35ps>/12,000rpm 最大トルク:23Nm<2.3kgf・m>/10,000rpm 燃料タンク容量:14L WMTCモード燃料消費率:25.8km/L 変速機:6段リターン 【寸法・重量】全長:2,090 全幅:730 全高:1,140 ホイールベース:1,380 シート高:780(各mm) 車両重量:169kg タイヤサイズ:(F)110/70-17 (R)140/70-17 【カラー】ブラック、ブルー、パープル 【価格】69万800円
■スズキ GSX250R
「アーバンアスリート」というコンセプトを掲げ、2017年に初登場。エンジンはGSR250(2012年デビューのスポーツネイキッドモデル)のものがベースとなっており、低中速域での扱いやすさを重視している。バリエーションモデルとして、アドベンチャースタイルのVストローム250が存在する。
【エンジン・性能】種類:水冷4ストローク並列2気筒OHC2バルブ ボア×ストローク:53.5×55.2mm 総排気量:248cc 最高出力:18kW<24ps>/8,000rpm 最大トルク:22Nm<2.2kgf・m>/6,500rpm 燃料タンク容量:15L WMTCモード燃料消費率:32.8km/L 変速機:6段リターン 【寸法・重量】全長:2,085 全幅:740 全高:1,110 ホイールベース:1,430 シート高:790(各mm) 車両重量:181kg タイヤサイズ:(F)110/80-17 (R)140/70-17 【カラー】レッド×ブラック、ブラック、ブルー、ホワイト 【価格】60万2800円(レッド×ブラック、ブラック)、61万4900円(ブルー、ホワイト) ※諸元は2023年モデル
■カワサキ ニンジャ250
250フルカウルスポーツの立役者となったニンジャ250R(2008年登場)の後継モデルとしてデビュー。2018年にはフルモデルチェンジを行った。ヤマハのYZF-R25と同様に、排気量バリエーションモデルのニンジャ400(排気量398cm3)や、ネイキッドスタイルのZ250/Z400が存在している。
【エンジン・性能】種類:水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:62.0×41.2mm 総排気量:248cc 最高出力:26kW<35ps>/12,500rpm 最大トルク:22Nm<2.2kgf・m>/10,500rpm 燃料タンク容量:14L WMTCモード燃料消費率:25.1km/L 変速機:6段リターン 【寸法・重量】全長:1,990 全幅:710 全高:1,125 ホイールベース:1,370 シート高:795(各mm) 車両重量:166kg タイヤサイズ:(F)110/70-17 (R)140/70-17 【カラー】グリーン×ブラック、グレー×マットブルー、グレー×マットグレー 【価格】67万1000円
ライディングポジションの快適性をチェック!
■ホンダ CBR250RR
グリップエンドが手前内側で下向きぎみなため手の平に負担を感じやすそうで、もしかしたら手首が痛くなるかも……と思ったが、腰高なライポジでやや深めの前傾姿勢になるおかげで、ハンドルに無理な力を掛けてしまうことがなく、割と自然な体勢を取れて意外と楽だった。さらに、そのおかげでニーグリップも自然に行えるため膝の曲がりも少なく、長距離でも疲労感が少ないなど、ツアラ-としての実力も高いと感じた。
■ヤマハ YZF-R25
試乗した中では比較的長時間・長距離走り続けても疲れにくく、ストレスも少ない。淡々と走り続けるようなシチュエーションでも、前傾度合いや膝の曲がり具合も含めてライポジに窮屈さを感じることがなく「楽チン」と感じさせてくれた。ハンドルの垂れ角と絞り角がほどほどであることも、リラックスしたライポジを取りやすかった要因だろう。長旅も容易にこなせそうという意味で、エンジンフィールも含めて好感の持てた一台。
■スズキ GSX250R
車体がコンパクトに感じられ、走行中も軽快かつ取り回しが良好で「気楽に乗れる」と感じられた一台だが、走っているうちに腕や膝が窮屈と感じるようになった。コンパクトさを感じさせるライポジ設定が裏目に出たようだ。時間の経過とともにやや窮屈と感じるということは……近場を中心に短距離・短時間のツーリングを楽しむには適しているが、長旅ではちょっとツラくなるのかも……そんな印象のライポジだった。
■カワサキ ニンジャ250
GSX同様にコンパクトな車体が取り回しやすいと感じさせてくれた一台だが、やはりライポジが若干窮屈であるのに加え、ハンドルの垂れ角と絞り角のキツさが今回チェックした4台の中で一番大きく感じられる。そのため、意識してニーグリップをしてライディングを楽しむようなときには全然気にならないのだが、クルマの流れに乗って、ときに景色をチラ見しながら走るような場合には腕でハンドルに荷重を掛けてしまいやすかった。
荷物の積みやすさをチェック!
■ホンダ CBR250RR
テールカウルがリヤシートから大きくはみ出す「エラ」を張った形状なので、サイドバッグを装着しにくいと思われたが、意外にもマッチング良好。さらに、サイドバッグをつければ大きめのシートバッグも積みやすいという結果に。人もバイクも見た目で判断しちゃいけないってことだね(笑)。リヤシート座面とエラ部分には少し段差があるので、ここにスペーサーを挟めば、より安定して積めそう。前後の荷掛けフックの位置も効果的。
■ヤマハ YZF-R25
CBR同様にエラが張りぎみで「これにも大きめのシートバッグを取り付けられるかも」と期待したが、残念なことにリヤシート座面とエラとの段差が大きくて(しかもエラは下方に向かって傾斜)、大きめのシートバッグを安定して取り付けるのは難しそうだった。パッセンジャーの足に干渉しない箇所に、荷物の積載をサポートするような形状のタンデムグリップがあれば……。荷掛けフックが前側にしかなく閉じた形状なのもマイナス点。
■スズキ GSX250R
CBRやR25のようなエラがないコンパクトなリヤシート周りは、スタイリッシュな仕上げになっている分、積載性がいいとは言えない。長めのツーリングに行く場合は、サイドバッグを使用しないとすれば、キャリヤを装着して大きめのシートバッグを積めるようにするか、バックパックを背負うことになるだろう。タンデムステップ部のフックに加えて、リヤシートに収納式のループフックがあるのは便利。その位置は微妙だが……。
■カワサキ ニンジャ250
GSX同様にリヤシート周りの面積が大きくないので、大容量シートバッグを安定させるのは難しいが、タンデムステップ部とリヤフェンダー部という、荷物を効果的に固定できる位置にフックが装備されているのは有り難い。また、リヤシートの中央部がやや凸形状となっているスポーツモデルが多い中、ニンジャは比較的平坦な形状となっているので、小さめのツーリングバッグを装着するのであれば安定させやすいと感じられた。
個性豊かな旅性能
ツーリングに使う前提で個人的に特に重要視している項目のチェック結果はここまで記したとおりだが、ツーリングバッグの選び方に関してひとつヒントを。スリムでコンパクトなリヤシートのマシンには、縦長のサイドバッグが装着しやすい。荷掛けフックがなくても取り付けやすく、私のようにデイパックを背負うのが苦手な人にもお薦めだ。今回の4車にも装着したが全車問題なし。まぁキャンプ道具を満載するのは難しいとしても、泊まりがけのロングツーリングだってOKだろう。
また、ツーリング想定で走らせたときのエンジンフィールなどの差にも触れておこう。今回の4車の中で最も楽で疲れにくいと感じたのはYZF-R25。低回転域から高回転域までパワーの出方の変化が少ないおかげで、エンジン回転数に対する車体の挙動の変化も少なく、落ち着いた感触だったからだ。サスペンションの動きもスムーズでお尻に優しかった。
低回転域からパンチのある感覚だったのがCBR250RR。だからといって落ち着きがないというわけではなく、どの回転域からでもスムーズに加速していく快感はさすがに秀逸だった。道路のつなぎ目などで腰に伝わるショックがやや大きく、乗り心地はやや硬いと感じられたが、腰高のライディングポジションは長時間の走行でも意外と疲れにくかった。
一方で高回転域での力強さが魅力的だったのがニンジャ250。低回転域ではやや力感が薄く、スピードを出しにくい狭く荒れた路面では若干持て余すが、流れのスムーズな幹線道路や高速道路では乗り心地も含め実に快適である。
そんな特徴を持つ3車に対して、パワフルさの面では秀でてはいないと感じられたGSX250Rだが、だからと言って楽しめないわけじゃない。フラットな力強さとスムーズな吹き上がりが特徴のエンジンは、さまざまなレベルのユーザーに幅広いフィールドでツーリングする楽しさを与えてくれるはずだ。
report●廣瀬達也/モーターサイクリスト編集部 photo●山内潤也
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みんなのコメント
そしてCBRびいきが凄い。