ピックアップトラックに代表される「荷台のあるクルマ」って、なんか楽しい!! 軽トラックのスズキキャリイにも特別仕様モデルが追加されて、これまた面白そう!! 荷台のあるクルマの魅力に迫る!!
※本稿は2024年4月のものです
文/清水草一、写真/平野 学
初出:『ベストカー』2024年5月10日号
全長5.3m超のワイルドボディ!! “王者越え”のデキ[新型トライトン]! 荷台のあるクルマの魅力とは?
■荷台にアメリカンな空気を纏う
2024年2月に国内での販売が復活した三菱 トライトン
日本人にとってピックアップトラックは、米軍基地の内側みたいな世界だ。かつて日本人は米兵が乗るジープに憧れたが、ピックアップトラックにはいまだにその残滓がある。
三菱は2024年、トライトンの国内販売を復活させた。トライトンはタイ生産のアジア戦略車なので、アメリカでは売られてないが、ピックアップトラックというだけで、米軍基地の内側っぽい雰囲気がある。5人乗れて荷台にたくさん荷物が積めるのって、やっぱアメリカだよね!! でっかい夢が広がるよ!!
トライトンはサイズもでっかい。全長5.36m、全幅1.93m。荷台のサイズもタテ1.4m、ヨコ1.5mとビッグだ。大人が5人乗れてこれだけの荷台が付いてるのって、それだけでカッコイイ!
顔も迫力満点。ピックアップトラックこそオラオラ顔の元祖。トライトンの3段グリルが「ブヒー!!」と叫ぶ。
日本でピックアップが活躍する舞台は、たとえば地方の巨大ホームセンターだ。材木だとか敷石だとかをたんまり買い込んで荷台に放り込む。なんかもうそれだけでカッコいい。
あるいはキャンプ。コンロとか燃料とかをワイルドに積み込んでワイルドに発進し、ワイルドなバーベキューを楽しめば、アメリカ人に一歩近づける気がする……。
■ディーゼルのガラガラもワイルドでヨシ!
2017年に現行型が登場したトヨタ ハイラックス
じゃあ走りはどうかというと、ワイルドだけど結構繊細でちゃんとしてる。2.4Lターボディーゼルは、47.9kgmのぶっといトルクで車体を力強く押し出す。アメリカンV8もかくや。
フィーリングは最新のディーゼルに比べると多少ガラガラ言ってワイルド。6ATはギア比が離れ気味なのもワイルド。もちろん4WDもローギアモードが選べてワイルド。でも基本的に日本車なのでしっかりおもてなし感があって安心。
ライバルのハイラックスはどうか。顔の迫力はトライトンほどじゃないけど、あとはほとんど同じ雰囲気だ。2.4Lディーゼルターボはさらにワイルドでガラガラ言う。
トライトンのほうが洗練されてるしパワーも出てるけど、ピックアップトラックはそういう細かいことはヨシ。キャビンがドーン! 荷台がドーン! ならOKだ。
■ジャパンの軽ピックアップトラックもクール!
2024年4月に改良を受けたスズキ スーパーキャリイ
でも、そこにジャパンオリジナルのピックアップトラックであるスーパーキャリイ(軽トラ)を混ぜてみると、コイツが一番カッコいいのに驚いた。
見た瞬間からトライトンもハイラックスも敵じゃない。勝負になってないくらい圧倒的にカッコイイ! なぜ?どうしてこんなにカッコいいんだろう。これはカッコよさの濃縮ジュースだ! 日本人の縮み志向でしょうか。
運転しても、スーパーキャリイの楽しさは圧倒的。660ccエンジンを5MTで操るというだけで、やめられない止まらない。4WDの切り替えもレバー式でハードボイルド。
ついでに荷台も一番広いんだからスゲエ! キャビンが荷台に乗り上げる部分にも材木などは突っ込めるから、縦198cmまで行ける! んで横は140cmでトライトンやハイラックスより10cm狭いだけ。
軽トラすげえ! 日本の地方で軽トラが無敵なのがよくわかる。定員2名っていう点だけはネックだけど、スポーツカーだと思えばヨシ。ゼイタクだなぁ。
私はちょっと前に古いハイゼットジャンボを買って、軽トラオーナーを初体験したけど、都会暮らしゆえにまったく積むものがなくて残念だった。しょうがないので荷台に折り畳み椅子を拡げてオープンカフェにしたけど、あれもオシャレだったなぁ。やっぱり荷台のあるクルマって楽しいね! 夢が広がるよ!
■トライトン&ハイラックスの後席居住性は?
トライトンの後席に座る清水氏。シャキッと背すじが伸び、この状態で長時間座っているのは疲れる
車体サイズが似た両車ということもあり、後席居住性にも大きな差は感じなかった。後ろに荷台があるため、シートバックは立ち気味で、なんというか姿勢正しく座るような座り方を強いられる。
また、フロアに対し相対的に座面が低いため膝が立つ姿勢となることも窮屈感につながる。まあ、この手のクルマは後席があるだけでもうれしいのだが。
■スーパーキャリイ Xリミテッドってどんなクルマ?
スーパーキャリイの助手席を前倒させるとテーブルになる
軽トラックのキャリイのキャビンスペースを後方に拡大したのが『スーパーキャリイ』。シート後方に奥行き250mmのスペースがあるため、ここにちょっとした手荷物を置いたりユーティリティフックを活用してアウトドアグッズを収納することが可能。
それになんと言っても最大40度のリクライニングができるのが魅力的。5MT仕様だと副変速機付きパートタイム4WDとなり、案外タフな悪路性能もあるのだ。
各車の荷台サイズ(実測値)※カッコ内はキャブ後端部からの長さ
●三菱 トライトン(GSR)主要諸元
・全長×全幅×全高:5360×1930×1815mm
・ホイールベース:3130mm
・最低地上高:220mm
・車両重量:2140kg
・エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ、2439cc
・最高出力:204ps/3500rpm
・最大トルク:47.9kgm/1500-2750rpm
・トランスミッション:6AT
・WLTCモード燃費:11.3km/L
・Fサスペンション:ダブルウイッシュボーン
・Rサスペンション:リーフスプリング
・タイヤサイズ:265/60R18
・価格:540万1000円
●トヨタ ハイラックス(GRスポーツ)主要諸元
・全長×全幅×全高:5320×1900×1840mm
・ホイールベース:3085mm
・最低地上高:215mm
・車両重量:2110kg
・エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ、2393cc
・最高出力:150ps/3400rpm
・最大トルク:40.8kgm/1600-2000rpm
・トランスミッション:6AT
・WLTCモード燃費:11.7km/L
・Fサスペンション:ダブルウイッシュボーン
・Rサスペンション:リーフスプリング
・タイヤサイズ:265/60R18
・価格:431万2000円
●スズキ スーパーキャリイ(Xリミテッド)主要諸元
・全長×全幅×全高:3395×1475×1885mm
・ホイールベース:1905mm
・最低地上高:160mm
・車両重量:840kg
・エンジン:直列3気筒DOHC、658cc
・最高出力:50ps/6200rpm
・最大トルク:6.0kgm/3500rpm
・トランスミッション:5MT、パートタイム4WD
・WLTCモード燃費:17.7km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:リーフスプリング
・タイヤサイズ:145/80R12 80/78N LT
・価格:151万3600円
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みんなのコメント
以前ショートベットのC1500と足車の軽トラ(旧規格)それぞれを使って
荷物を運んだら、積める量がほぼ同じでした。(笑)
総合的に軽トラのほうが使い勝手良かったです。(当たり前ですが・・)
アメ車のピックアップは、アメリカの国民性を表す代表的な乗り物。
細かいことは気にしない、乗っているだけでワクワクする、
クルマというより、アトラクションに近い気がします。
一度ハマったら止められないですねー。
重さを感じさせないトルク
運転席に座るドッシリ感 頑丈な塊に乗ってる安心感。ちっこい車には無いものがいーーっぱい詰まってます。
残念な点
リアのオーバーハングが長い
フェンダーが出ているのでタイヤの位置が掴みにくい運転には慣れが必要です。
エンジン音は2トン車のようなディーゼル音です。
国内の細い路地では相当苦労すると思います。
でもデメリット以上なメリットは一言 感想を言うと
とっても優雅なトラックです。