この記事をまとめると
■この連載ではライター陣のクルマ選びの基準を紹介
カタログじゃ絶対わからない! クルマの購入前に確認しないと後悔する8つの盲点とは
■今回はコラムニストの山本晋也さん
■新車購入検討時に重視しているのが、そのクルマに乗っている自分の姿を想像できるかどうか
クルマ選びの基準は年齢に応じて変化する
日産スカイラインGT-R(ハコスカ)と誕生日が1週間も変わらない自動車コラムニストの山本晋也です。現在乗っているエブリイバンを含めて、過去に15台のクルマを所有してきました。あらためて考えると、クルマ選びの基準において変わらない部分と、年齢に応じて変わってくる部分があると感じます。
変わらないのはロジックより感情でのクルマ選びという部分ですが、年齢によって変わってきたのは安全意識でしょうか。最近では、最低限「歩行者を検知できる衝突被害軽減ブレーキ」を装備していることをマストの条件として考えています。
それは、技術で防げる事故を起こさないためです。
衝突被害軽減ブレーキは、わき見や居眠りなどの運転ミスをカバーしてくれるものですが、ドライバーが意識喪失などで運転できない状態になったときに最低限、停止することが期待できると考えています。
運転ミスについては起こさないように注意することはできますが、心臓や脳などになんらかのトラブルが生じて運転できない状態になるというのは予測不可能といえますし、自分がそうした状況にならないともいえません。
交通事故ゼロは、多くの自動車メーカーが将来の目標として掲げています。その理念に共感するからこそ、自分自身も可能な限り事故を起こさないようにしたいと考えています。ですから衝突被害軽減ブレーキを、クルマ選びにおいてもっとも重視する機能としているのです。
正直、青春時代を思い出す90年代のネオクラシックモデルに魅かれる部分もあるのですが、衝突被害軽減ブレーキをマストと考えると、中古車であっても2010年代半ば以降のモデルが中心となります。こうした先進運転支援システムは日進月歩ですから、おのずと最新モデルがマイカー選びにおけるメインの対象となってきます。
クルマを“ステイタスを示す記号”として捉えない
新車をターゲットに次期愛車を考えるときの基準として重視しているのが「そのクルマに乗っている自分の姿を想像できるか」です。もちろん、ただ運転席に座っているだけであれば、どんなクルマでも予想はできます。ここでいうのは、そのクルマがある生活、カーライフが自分にとってポジティブなものと想像できるかどうか、という話です。
たとえば、過去にザ・ビートルカブリオレという4名乗車のオープンカーを所有していたことがあります。このときは子どもが就学前で「屋根を開けた状態で後席のチャイルドシートに座らせるのは動線として良さそう」と想像したことが購入のきっかけとなりました。子どもがクルマに酔いそうになったときも、スイッチひとつでキャンバストップを開ければ空気が入れ替わるのでいいのでは? という想像もありました。
とはいえ、年齢や環境、家族構成に応じてライフスタイルは変わるものです。特定のモデルにこだわりを持つのも悪くないと思いますが、自分としては生活の中でストレスなく楽しめることを重視しています。さらにいえば、そのクルマに乗ることで生活が変わる可能性にも期待している部分があったりするでしょう。
現在、乗っているエブリイバンにしても、家族で気ままな車中泊ドライブを楽しみたいというライフスタイルを求めての選択です。ある意味、新型コロナウイルスによる新しい生活様式に対応した選択ともいえます。
そして、もっとも重視しているのは「クルマは見栄を張るための道具ではない」という点です。ともすれば、本音の部分で「高級車・高価格車に乗っていれば偉い」と考えてしまうクルマ好きもいるかもしれませんが、ステイタスを示す記号としてクルマを捉えないよう意識しています。
過去にクラウンを乗っていたこともありますが、けっして「いつかはクラウン」と思って購入したわけではなく、そのクラウンに搭載されていた3.5リッターV6エンジンに惚れて乗っていたというのが正直なところ。実際、クラウンからビートルカブリオレに乗り換えていますし、現在は軽バンに乗っているくらいですから。
もちろん、自動車にそうした部分での価値があることは否定しませんが、自分のクルマ選びとしては、見栄といった要素には、あえてこだわらないのが方針です。
また、特定のメーカーやカテゴリーに限定すると、選択肢が狭まってしまいます。仕事柄、常に視野を広くすることにも気を付けています。
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大笑いを通り越してあきれるわ。