2022年に入り各社から続々とEVの最新モデルが発売されている。ここからは編集部が厳選した注目の6台の実力評価をレポートします。
シトロエン『Ë-C4』
見た目はカングーそのものながら中身が激変した新型「カングー」4つの進化ポイント
快適な居住性を確保した5ドアハッチバック
操作性 ★★★★★ 実用性 ★★★★★ 爽快感 ★★★★☆
フランス車らしい上質感と実用性の絶妙なバランス
シトロエンが2022年1月に発売を開始したコンパクトサイズの5ドアハッチバック。EVのほかに1.2Lガソリンターボ、1.5Lディーゼルターボを同じボディーでラインアップしている。
特徴としてはフランス車らしく実用性と快適性を重視したモデルとなっている点。ICE車と共通のシャーシにするため、床下の電池は前席の座面下、後席の座面下、センターコンソールなどに分けて配されており、ICE車と同じ室内空間の広さを確保している。
唯一の違いは、車重増に対応するため、リアサスペンションのトーションビームにパナールロッドが追加されていることぐらい。
搭載されている電池の総電力量は50、最高出力が136PS、最大トルクが260Nmなので、スペック的には決して高性能とは言えないが、一充電の航続距離は400kmを超えている。実際に試乗した車両はすでに4000km走行していたが、95%の充電量で354km走行可能だと表示していた。
ドライブモードはセンターコンソール前部のスイッチでスポーツ、ノーマル、エコの3モードから選択する。スポーツは136PS、260Nm、ノーマルは110PS、220Nm、エコは82PS、180Nmの性能で走行する。
回生ブレーキはDレンジでガソリンエンジン並みの挙動、Bレンジはアクセルオフで強力な回生ブレーキがかかるが、車両を停止させるほどではない。走り出して、ノーマルモードでやや下回りの重さを感じた。アクセルオンでのモーター音もやや大きめだった。0→100km/hの加速も10秒なので、2Lガソリン車のスポーツモデルぐらいの動力性能か。
しかし、電費はエアコンをオンにしても航続距離はほとんど変わらず、回生モードを街中で使えば、走行状況によっては距離が伸びることもあった。実用性を重視した開発コンセプトは、確実に反映されている。
そしてこのクルマの最大の魅力は走りにある。特に高速道路を使ったロングドライブは、しなやかな乗り心地と、どっしりした操作性で、どこまでも走りたくなる。コーナーでのロールもしなやかだった。使い勝手のよさ、実用性の高さを求めている人におすすめしたい、スポーティーなEVだ。
水平基調のインパネデザイン。中央部に10インチのタッチスクリーン。日本のナビはオプションで装着することができない。
シトロエンの座席のコンフォート性は確保されている。生地裏の素材はボリュームアップされており快適そのもの。
センターコンソールの前部にあるシフト。中央の小さなレバーを使って、走行モードを選択する。意外と操作しやすい。
実用的な荷室容量。床面は上下2段階で変更可能。後席の背もたれはアームレストスルー付き。充電ケーブルは床下に収納。
取材・文/石川真禧照
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年5月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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