現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ストリートでの意外な扱いやすさがあった!『手の内にある超絶』をもう一度[250cc 4気筒 vs 2気筒 #04]

ここから本文です

ストリートでの意外な扱いやすさがあった!『手の内にある超絶』をもう一度[250cc 4気筒 vs 2気筒 #04]

掲載 12
ストリートでの意外な扱いやすさがあった!『手の内にある超絶』をもう一度[250cc 4気筒 vs 2気筒 #04]

【復刻記事】トルクがないなんて気のせいだった?

4気筒250cc烈伝[#01エポックメイキングな機種編]他メーカーにないものを本気で追い求めた’80~’90年代

0-1000m全開加速対決に続き、ここでは4気筒CBR250RR(MC22)&2気筒CBR250RR(MC51)で街中やワインディング、高速道路といった一般公道での使い勝手やハンドリングを検証した。“低中速トルクに勝る”とされる2気筒が優位かと思いきや、4気筒が大健闘! ふたりのテスターがその性能を総括した。

再び来る!? ニーゴー4気筒時代

丸山──さて、JARIのテストコースを出て、街中、ワインディング、高速道路といった、いわゆる一般公道でもたっぷり試乗してみました。車両はホンダの2台ですが、どうでした?

伊丹──正直、MC22は厳しいだろうなと思っていました。ピークパワーはある一方、トルクは明らかに不利。 若い頃ならそれも気にならなかったでしょうが、今の感覚で乗るとピーキーに感じられてガッカリするんじゃないかなと。ところがですね……。

丸山──そう、全然普通(笑)。もちろん、2気筒と比較するとスタートに気は使うんだけど、それはクラッチの問題であって、トルク自体はちゃんとある。スロットルの動きに対して、ビュンと回転が上がるからなんとなく神経質な気がしてしまうだけなんだよね。

―― 令和の時代にあらためてニーゴー4気筒に触れ、その完成度の高さを再確認したふたり(伊丹/丸山)。ただ振り返るのではなく、「30年前にこれほどのモノを作れたのだから、今ならもっと……」と、未来にも期待したくなる試乗になった。

伊丹──慣れるとアイドリングからでもスッとスタートできるほどフレキシブル。反面、1万数千rpmでミートすることも許容してくれるわけで、使える範囲はめちゃくちゃワイドです。

丸山──問題があるとすれば、低回転もそれなりに使えると分かっていても、ついつい高回転まで回してしまうところ。なにせ楽しいから仕方がない。特に1万rpm付近を境に音質とスロットルレスポンスが一気に高まるから、それに釣られてテンションまで上がるんだよね。昔とは時代も環境も違うから、いろいろと気をつけなきゃいけないことが増えた。でも、どうしても4気筒の魅力にあらがえない自分もいて、ワインディングで自制心を保つのは本当に大変(笑)。こんな素晴らしいエンジンがなぜなくなったのか、今にして思えば不思議だよね。

―― サスペンションのストローク感やスタビリティに時代を感じるものの、MC22の走りは爽快だ。

伊丹──2ストロークの250ccと4ストロークの400ccが盛り上がり過ぎて、当時のこのクラスはその狭間に埋もれていたことは否めません。ニーゴー4気筒でレースをしても世界GPはもちろん、全日本ロードレースにも繋がらなかったため、ちょっと中途半端でしたよね。

丸山──昔は2ストロークがスポーツの象徴だったけれど、ニーゴー4気筒を回し切った時に分泌されるアドレナリンも相当なもの。みんな、いつの間にか2気筒のドコドコ感に慣れて、それが基準になっていると思うんだけど、若いライダーもぜひ4気筒を体験してほしいな。“こんな楽しい乗り物を隠してやがったのか!”って驚くんじゃないかな。

伊丹──もちろん2気筒にもいいところがあって、操作が簡単で静かで燃費もよく、明確に伝わってくるトラクションは安心感の塊。日常的に乗る場合はもちろん、長距離性能にも秀でています。その意味で高速道路は2気筒の独壇場かと思いきや、ここでも意外に4気筒がよかったという(笑)。

―― MC51は今時のモデルらしく、高い重心位置から倒れ込むようにシャープなハンドリングを見せる。

丸山──街中にも通じることなんだけど、MC22はライポジが超安楽。足着きはベタベタで、前傾も少なく、走行中の振動も少ないから、実はツアラーとしても優れた資質を持っている。6速・100km/h巡航時のエンジン回転は9000rpmを指していて、それだけ聞くと高い印象なんだけど、対するMC51も7000rpmと驚くほどの差はない。カウルが大きく、ウインドプロテクションに優れていることもあって、MC22も充分実用的。

伊丹──なんだかニーゴー4気筒が非の打ちどころがない理想のバイクに思えてきましたね。

丸山──MC22とMC51のスペックを比較していくと、あながち否定もできないんだよね。軽くてパワーがあって、オールラウンドに使えて、なにより乗っていて楽しい。現代のバイクは、ABSが標準装備されていたり、サスペンションがしっかりしていたりと安全性では確実に優れているでしょ。だからこそ、今の技術で新しいニーゴー4気筒を開発してくれたなら。そう思わずにはいられないよね。コストだけの問題ではないのだろうけど、MC22には手間ひまが掛かっていて、それがちゃんとフィーリングに反映されている。“昔はよかった”と振り返るだけでは、あまりにもったいない技術だと思う。

伊丹──時代は繰り返されるものですから、その先陣を切ってくれるメーカーの登場に期待したいです。

―― 【後席下は大容量スペース】MC22(左)のシート下スペースはご覧の通りの大容量。レインウェアはもちろん、一泊分程度の着替えなら収納OK。開口部にはヒンジが備えられるなど、極めて高い実用性が確保されている。

―― 【体格を選ばないコンパクトな車体】MC51のシート高が790mmあるのに対し、MC22は735mmという驚異的な低さを誇る。燃料タンクの全長は長めで少し前傾姿勢となるが、ハンドルは高めで、ツーリングに使用してもライポジは安楽そのものだ。(身長168cm/体重61kg)

こんな記事も読まれています

20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
カー・アンド・ドライバー
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
くるまのニュース
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
くるまのニュース
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
くるまのニュース
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
Merkmal
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
ベストカーWeb
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
AUTOSPORT web
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
AUTOSPORT web
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
ベストカーWeb
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web

みんなのコメント

12件
  • すごい音を出して近づいて来るのだがなかなか近づいて来ず、ジェット機のような音を出しながら目の前をゆっくり通り過ぎていく。FZ250はそんなバイクでした。
  • V型エンジンを積んだスカイラインは
    もはやスカイラインじゃないように
    直4じゃなきゃCBRじゃないな
    と偏屈言ってみる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村