独BMWは12月9日、来年末に発売される新型電動SUV「iX」のウインターテストの模様を公開した。
BMWの第5世代EVとして、電動車用モジュラープラットフォームを初採用して登場するiXは、軽量化と優れたエアロダイナミクスを兼ね備えたクロスオーバーSUV。先月、ミュンヘンにおける「#NEXTGen 2020」でデザインの全貌が初公開されたが、開発はメカニカル面での詰めのテストにさしかかっているようだ。
そのフィールドは北欧ラップランド地方のラフロード。北極圏に近接し、気温が零度を下回る厳しい環境で、プロトタイプはドライブトレーンやサスペンション、そしてモーターやAWD機構といった重要コンポーネントが完璧に動作するか、綿密なチェックを受けている。その中には、特に低温に弱いとされるバッテリーや充電系統も含まれ、独自のヒートマネジメントシステムにより、極地での日常使用にも耐えうることが繰り返し確認されるのだ。こうした万全の備えは、100km当たり21kWh以下という電費、WLTP基準で600kmを超える航続距離といった野心的な開発目標の実現にも貢献を果たしていくこととなるだろう。
車両にとって極地の環境が過酷なのは、低温だけが理由ではない。降った雪が踏み固められ、摩擦抵抗が極小になったアイスバーンも走行を著しく困難にする。だが、iXはそうした状況下でもEVならではの繊細な出力コントロールによって、万全のトラクションを確保できるよう、エンジニア達によるチューニングが進められている。ツインモーターによって500hpの最高出力を目指すiXだが、パワーだけでなくSUVらしい走破性の高さにも期待してよさそうだ。
今回耐久テストの模様が公開されたことで、量産化に向け他のBMW車と同様に徹底した走り込みを行っていることが明らかになった。こうして得られた貴重なデータは、iXはもちろん今後登場する次世代EVにフィードバックされるとのこと。BMWの電動モデルからしばらく目が離せそうにない。
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