便利でタフな走破性、ターボは走りも軽快
バックパッカーとは大きめのリュックサックを背負い、気ままに旅をしているように見える人たちのこと。そのバックパッカーが背負っているリュックサックを「バックパック」と呼ぶそうで、ズバリこれをコンセプトにクルマを仕立てたのがタフトなのだ。
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ちなみにバックパックに必要な条件は、丈夫で軽量=機動力が高いこと。つまり、たくさん荷物を詰め込めるけれど、体にフィットして軽快に動けるという機能性と、それを背負った人をワクワクさせるデザイン性が求められる。
これをクルマとして具現化するために用いられた手法は、5ドアクロスオーバーSUVの2+2モデルというものなのだが、思わず納得してしまった。これがジムニーのような3ドアだと、人の乗り降りと荷物の取り出しが不便になる。収納性と機動力の高いバックパックとなると、5ドアの必要性が出てくるというわけだ。
もはやクロスオーバーSUVは単なる流行ではなくなり、クルマのいちカテゴリーとして認識されてきている。そのイメージはセダンのようなオンロードでの快適な走りを実現しながら、たまには遠出して荷物満載でレジャーを楽しむクルマというもの。このバランスが重要となってくる。
その点、タフトはよく考えられた構造になっていて、まず後部座席は前席と色も変えられ、バックパックであることを主張している。その後部座席の背もたれを倒すと、完全にフラットなスペースが出現。もちろん、背もたれの裏側は汚れが拭き取りやすいワイパブル仕様になっている。ラゲッジスペース部分のフロアも、デッキボード部分もワイパブル仕様なので、汚れや水濡れをさほど気にせず積めるのがいい。
さらにネットやボックス、2段に仕切るバーなど、オプションも豊富に用意されているので自分好みのアレンジができ、DIYでイチから作る楽しみもある。
スカイフィールトップで抜群の開放感が味わえる
さて、そんな使い勝手のいいバックパックを背負う人のワクワク感の表現手法だが、その代表選手は運転席からも青空が眺められるスカイフィールトップだろう。ガラスルーフは通常、運転席ではあまり恩恵が得られない場合が多いが、こちらは抜群の開放感。いうまでもなくUV&IRカットガラスが採用されているので、紫外線も赤外線も心配無用。加えてシェードも装備されているので、パーソナル空間を楽しみたいときはクローズにすることもできる。
そして、このワクワクに応えてくれるのが、最近のダイハツ車のパワフルさである。タフトの場合も、発進時はもう少し抑えめでもいいんじゃない、といいたくなるほど、スタートダッシュがとても速い!
まぁ、遊びに出掛けるときにカッタルイのは楽しくないし、これだけトルクフルならば多少の荒れ地も行けるだろう。
DNGAベースのシャシーにより、見た目のイメージとは異なりフットワークがとてもいい。
結論、タフトのヒットの理由は「全身で機動力の高さを表現していること」である。
タフトヒットの真相
・見た人をワクワクさせる内外装の遊び心あるデザイン
・前席頭上のスカイフィールトップが圧倒的な開放感をもたらしている
・速くて軽快なフットワークを実現し、見た目とのギャップが実は斬新
■主要諸元
車名=タフト
グレード=Gターボ
価格=CTV 160万6000円
全長×全幅×全高=3395×1475×1630mm
ホイールベース=2460mm
トレッド=フロント:1300×リア:1295mm
室内 長×幅×高=2050×1305×1270mm
最低地上高=190mm
車重=840kg
エンジン=658cc直3DOHCターボ(レギュラー仕様)
型式=KF
内径×行程=63.0×70.4mm
圧縮比=9.0
燃料タンク容量=30リッター
最高出力=47kW(64ps)/6400rpm
最大トルク=100Nm(10.2kgm)/3600rpm
WLTCモード燃費=20.2km/リッター
(市街地/郊外/高速道路=17.9/21.9/20.3)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=165/65R15+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=4.8m
●エンジンはターボとNA、駆動方式は2WD(FF)と4WDから選択ができるが、このクルマのキャラクターを一番引き出せるのはターボ+4WDだろう。ロングドライブでもターボならストレスなくこなせるし、4WDなら行動範囲が広がる。ちなみに最低地上高は190mmと高く、アウトドアでのオフロードでも安心だ
たけおかけい:各種メディアやリアルイベントで、多方面からクルマとカーライフにアプローチ。その一方で官公庁や道路会社等の委員等も務める。レースやラリーにもドライバーとして長年参戦。日本自動車ジャーナリスト協会・副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
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