過剰競争が進む北米のピックアップトラック
いつの時代にも、過剰さを求める人が一定数はいる。近年は、北米のピックアップトラック同士で過剰競争が加熱しているようだ。ラムやシボレーといったライバルを圧倒するために、フォードは究極のF-150をリリースした。
【画像】過剰さが痛快な700ps フォードF-150 ラプターR 競合のピックアップ ヘネシー版も 全113枚
日本では馴染みが薄いフォードのピックアップトラックだが、英国ではレンジャーというハイラックス・サイズのモデルが販売されている。高性能仕様としてレンジャー・ラプターも用意され、島国の限られた原野を疾走することを可能にしている。
しかし、今回ご紹介するすのはフルサイズ・モデルのF-150がベース。5.2LのV型8気筒エンジンをスーパーチャージャーで過給し、最高出力700psを繰り出す、F-150 ラプターRだ。
外径37インチという巨大なオールテレーン・タイヤを覆うべく、車高が持ち上げられ、フェンダーは外へ膨らんでいる。全長は5908mm、全幅は2210mm、全高は2047mmと、かなり大きい。英国や日本の、一般的な駐車場には収まりきらない。
ステランティス・グループのライバル、ラム1500 TRXへの対抗心がむき出しといえる。こちらはダッジ・チャレンジャー・ヘルキャットが搭載する6.2L V型8気筒のヘミ・ユニットをボンネットに押し込み、派手なグラフィックでフォードを挑発する強敵だ。
0-100km/h加速は4.0秒 0-400mは13秒以下
フォードは昨年、F-150 ライトニングと呼ばれるバッテリーEV(BEV)のピックアップトラックを発売し、環境への配慮も忘れていないことを示している。モダンでクリーンで、一度の充電で515kmも走れ、近未来的に仕上げられている。 580psもあるが。
かたやF-150 ラプターRの黒光りするフロントグリルには、堂々とFORDと記され、オレンジ色のLEDデイライトが周囲で灯り強調する。メーカーの広告看板のように。テールには極太のマフラーが左右から突き出ている。戦車の砲身に見えなくもない。
フルサイズのピックアップトラックとして、通常のF-150のように実用性は高い。数人の子どもを2列目シートに座らせ、数台のマウンテンバイクや遊び道具を運べる。
最大牽引重量は3946kgもあり、キャンピングトレーラーやボートを積んだトレーラーを難なく引っ張れる。駐車できる場所を選び、バックは難しいかもしれないが、モンスター級の割に使い勝手は悪くない。
V8エンジンは、アクセルペダルを優しく傾けている限り、マスタング・シェルビーGT500と同じくらい従順。最大トルクが88.3kg-mへ増強されているため、唸りは重厚だが。
思い切り右足を蹴飛ばせば、2756kgある車重をものともせず、F-150 ラプターRは猛然と加速し始める。0-100km/h加速は予測値で4.0秒。0-400mダッシュは12秒台前半だという。
ちなみに、最高出力712psを誇るラム1500 TRXの0-100km/h加速は4.5秒。F-150 ラプターRの方が約300kgも軽いため、勢いは激しい。
知的で本格的な四輪駆動システム
アスファルトだけでなく、オフロードでの性能も並外れている。今回は限定的な環境でしか確かめられなかったが、恐らくライバルを凌駕するだろう。
筆者が試乗したのは、カナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州。林道の道幅は狭く、ひと回り小さいレンジャー・ラプターの方が走りやすいことは間違いない。
しかし広大な荒野では、F-150 ラプターRの330mm持ち上げられた最低地上高と、アダプティブダンパーが遺憾なく能力を発揮するはず。豪快に砂丘をジャンプしながら、短時間に駆け抜けるに違いない。
知的で本格的な四輪駆動システムを備え、路面状況に応じたドライブモードが選択可能。ドライバーが任意で各項目を調整できる、Rモードも備わる。
排気音の迫力も、4段階から選べる。クワイエット(静か)、ノーマル、スポーツに加えて、バハ・モードもある。これは大音量すぎるため、オフロードのみで利用できる事になっている。長時間聞いていると、難聴になるかもしれない。
北米ピックアップトラックの王者
F-150 ラプターRは、競争が激化する北米ピックアップトラックの王者といっていい。技術的にも優れており、最強を欲するドライバーなら、自宅の駐車場に1台並べておきたいと思うだろう。番犬がわりにもなりそうだ。
通常のF-150 ラプターから大幅に能力が向上しているわけではない。燃費は5.1km/Lと呆れるほど悪い。奔放に運転した場合、一度のエネルギー補給で走れる距離は、BEVのF-150 ライトニングの方が長いと思う。
とはいえ、フォードF-150 ラプターRは痛快で楽しい。完全な過剰状態だとしても。
フォードF-150 ラプターR(北米仕様)のスペック
北米価格:10万9145ドル(約1437万円)
全長:5908mm
全幅:2210mm
全高:2047mm
最高速度:183km/h
0-100km/h加速:4.0秒(予想)
燃費:5.1km/L
CO2排出量:−
車両重量:2756kg
パワートレイン:V型8気筒5163ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:700ps/6650rpm
最大トルク:88.3kg-m/4250rpm
ギアボックス:10速オートマティック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?