今どきは、やれプラグインだ、イーブイだと、街角でハイテクモデルをよく見かけるようになった。しかし中年カーマニアにとっては、テクノロジーの詰まった最新マシンより、若い頃に憧れ、初恋のように夢中になった旧車にこそ、心震えるものがある。
そこで、これまでにさまざまなマニアック旧車を購入してきた自動車ライターの小鮒康一氏が、中年世代のカーマニアを代表して、街で見かけたい旧車、見かけたら絶対に見逃せない旧車をピックアップ。それら旧車がオヤジの胸をキュンとさせるポイントについてレコメンドしていく!
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文/小鮒康一 写真/ホンダ、マツダ、三菱、トヨタ、日産、いすゞ、スズキ
【画像ギャラリー】オヤジ世代が心躍らせる懐かしの旧車たち
「リトラ」や「リアスタイル」に萌える1980~1990年代のマニアックカー
最近のクルマは次世代パワーユニット的な話が主となっておりますが、その一方でエクステリアに関しては空気抵抗を考慮したデザインはほぼ正解が決まってしまっており、どのクルマも似通ったフォルムとなってしまいました。また、大切な要素ではありますが、歩行者保護の観点からも、あまり奇抜なデザインを採用しにくくなってしまったということも挙げられるでしょう。
そう考えると、まだ各メーカーが試行錯誤を続けていた90年代くらいまでの懐かしい旧車のほうが特徴溢れる見た目をしていたとも言えます。今回は、街中で見かけたらいまだに胸がときめいてしまう旧車と、その胸キュン萌えポイントを独断と偏見だけでピックアップしました!
■ホンダ CR-X/リアまわり
1983年にFFライトウェイトスポーツ「バラードスポーツCR-X」が発売。1987年には「バラードスポーツ」の呼称が取れた2代目へとモデルチェンジする
ただでさえコンパクトだったシビックのホイールベースをさらに縮め、申し訳程度のリアシートを備えたホンダ CR-Xは、そのクイックなハンドリングから多くの(当時の)若者を熱狂させた1台です。
全体のフォルムだけでも胸キュンしてしまうところですが、特に萌えるのが、そのスッパリと切り落とされたリアデザインでしょう。
コーダトロンカとかカムテールとか言われるそのリア形状は、空気抵抗を低減する効果があると言われており、後方視界が悪化することも厭わないその姿勢には拍手を送りたいところ(2代目では窓が追加されましたが)。
2003年に登場した2代目プリウスが同じようなリアスタイルを持って登場しており、「ああ、本当に空気抵抗を減らす効果があったんだ」と思ったのも感慨深かった記憶があります。
■マツダ サバンナRX-7/リトラクタブルヘッドライト
初代RX-7(SA22C型)は、コスモスポーツの意思を継ぐかたちで1978年に誕生。「サバンナ」と呼ばれて人気を博し、1985年まで販売された
スーパーカーブームを経験した中年であれば、リトラクタブルヘッドライト=スーパーカーという刷り込みは未だに強いハズ。1980年代にはリトラクタブルヘッドライトブームが到来し、スポーツカーのみならず、コンパクトハッチバックからセダンまで、幅広い車種に採用されたことがありました(バイクにもありましたね)。
そんなリトラクタブルヘッドライトを備えたクルマのなかでも、やはり最もスーパーカーらしいルックスを持っていたのは、サバンナRX-7ではないでしょうか。一部では「プアマンズポルシェ」とも揶揄されましたが、ポルシェに匹敵する動力性能とルックスを持ち合わせていたと好意的に考えましょう。
街中でリトラクタブルヘッドライトが上がっている姿を見ることは稀でしたが、信号待ちなどで熱視線を送っていると、運転手が気付いてライトをパカパカしてくれた、という思い出をお持ちの人も多いのでは?
そんな国産車のリトラクタブルヘッドライトも、2002年8月にRX-7が終売になったのとともに消滅。日本でもロービームの常時点灯が義務化されることから、新たに登場する可能性も限りなくゼロに近くなってしまいました。
「ライトオンとオフで2つの表情が楽しめるクルマがあったんだよ」という昔話をする時代がもうすぐやってくるのだと思うと、時代の流れを感じて思わず胸がキュンとなってしまうのです。
名門パジェロはやっぱり「あのパーツ」!
■三菱 パジェロ(カンガルーバー)
1980年代、日本のクロカンブームの本流となったパジェロ。「カンガルーバー」は「グリルガード」とも呼ばれ、その名のとおり走行中に飛び出してきたカンガルーなどの動物から車体をガードするための装備だ
まだ「SUV」という言葉すらなかった80年代ですが、北関東の山奥に住んでいた筆者は山林に入っていくクロカン車を見かける機会が多くありました。恐らく林業の関係者や漁師といった関係者の車両だったと思うのですが、そのなかでも強烈に印象に残っている1台がありました。
それが、フロント周りにゴツいパイプのようなものを組み合わせたもの(カンガルーバー)を装着していたパジェロだったのです。当時は実際に山に入るために使われていた車両ということもあって、特別に施した装備とばかり思っていたのですが、それが純正品だったということを後に知ってさらに驚いた記憶が蘇ります。
■トヨタ カムリ(ボンネット)
その歴史は古く、1980年以来の長い歴史を持つカムリは、日米で人気のミドルセダン。1986年には質感を向上させた3代目モデルが発売されている
今やすっかりグローバルカーとしての風格が板についてきたカムリ。とはいえ基本的にはオヤジセダンであり、そこまでも萌えポイントはないだろう、と思われるかもしれません。しかし、筆者が非常に萌えてしまうのが3代目カムリセダンのボンネットです。
一見するとフロントグリルレベルからボンネットが開きそうなデザインでありながら、わざわざボンネット先端を別パーツとし、「そこから開くんかい!」という状態なのが非常に萌えるのです。
これはフロントカウルがガバっと開くレーシングカーや、ボンネットとともにライトも開いてしまう初代BMWミニ、ボンネットを開けると怖い顔になるアルファロメオGTVのように、いわゆるギャップ萌えと言えるのかもしれません。
珍名車X-90のミラーはユーノスロードスターと同じ!?
■日産 スカイラインセダン(GXiのタイヤ&ホイール)
スカイラインの本流とも言えるセダンモデル。R32型時代もさまざまなグレードの4ドアセダンがラインナップされた
R32型スカイラインと言えば、25年ルールで北米への輸出が事実上解禁となったことで、爆発的に価格がハネ上がったクルマとしても知られており、GT-Rはもちろんのこと、GTS-t系のターボモデルなども軒並み高騰しています。
そんなR32型スカイラインの中でもワタクシが萌えるのは、最もロアグレードだったGXi。2014年5月にダイムラー製の4気筒ターボエンジンがV37型に搭載されるまで、最後の4気筒エンジンを搭載したスカイラインであった同GXiは、わずか91PSのCA18i型エンジンを搭載した最下級グレードで、それだけでも萌えるのですが、最高なのがその足もとです。
なんとセンターのみのハーフホイールカバーの鉄チンに165SR14という、軽自動車なみの細さのタイヤが装着されていたのです。GT-Rが245幅のタイヤを装着したと話題になっていた一方で、こんな仕様が存在していたという事実だけでもたまりませんね。
ちなみに初代スカイラインGT-R(通称ハコスカGT-R)も純正タイヤサイズは165SR14であり、リアがドラムブレーキである点も共通。そういう意味ではスカイラインの伝統を色濃く受け継いだ仕様と言えるかもしれません。
■いすゞのOEM時代の乗用車/エンブレム
1983年から2002年まで販売されていた、いすゞの基幹モデルとなる4ドアセダン。2代目以降は他メーカーからのOEM車となる
今では屈指の働くクルマメーカーとなったいすゞ。しかし、過去には117クーペやピアッツァといった素晴らしい乗用車を多く送り出してきたメーカーでもありました。しかし1993年に乗用車の自社開発及び製造を中止し、その後は他メーカーからのOEMとなり、2002年には乗用車部門から完全撤退することになってしまいました。
この間、ジェミニとしてホンダからドマーニを、2代目アスカとしてスバルからレガシィを、そして3代目以降のアスカはホンダからアコードの共有を受けて販売しており、何気なく見かけた車両にいすゞマークがついていると、レアポケモンを見つけたかの如く興奮してしまうのです。これは晩年の「日本フォード」の車両でも同じ興奮が味わえるので、かなりオススメです。
■スズキ X-90/ドアミラー
1995年に発売されたスズキの2シーターオープンモデル。ルーフはTバー構造で取り外し可能になっており、独立したトランクも備える
“珍車”の話題になると、かなりの高確率で話題に上るのがスズキ X-90。エクスードをベースとした2シーターのタルガトップクーペで、まさに全部乗せ、まさに欲張りセットといったもの。残念ながら日本ではまったくもって不人気で1400台弱しか販売されませんでしたが、海外では一定の人気を獲得し、オーナーズクラブも存在するほどでした。
実際、街中で見かけたらそれだけで胸キュンしてしまいそうなレベルの激レア車ではありますが、実は筆者が昔バイトしていた中古車店に長期在庫車として存在しておりまして、「珍しいから仕入れたけど、珍しいだけじゃ売れないな~」と店長がボヤいていたのですが、ある日、日本在住の外国人が購入していったのを見て、本当に海外では人気だったんだ! と感動したのも良い思い出です。
そんなX-90の萌えポイントはドアミラー。なんと同世代のオープン2シーター車、ユーノスロードスターのミラーが流用されているのです。もしかしたら最大のライバルとなるかもしれない同ジャンル(?)の車両のパーツを流用しているなんて、非常に胸キュンしてしまいますよね。
◆ ◆ ◆
ということで、中年カーマニアが独断と偏見でピックアップした旧車の個人的胸キュン萌えポイント、いかがだったでしょうか。あなたも明日から街で見かけたクルマの萌えポイントを探してみると、何気ない移動が楽しいものに変わるかもしれませんよ。
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スズキとマツダの関係を考えれば自然な事じゃない?