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マクラーレン、LMDhマシンでのル・マン参戦計画が現実的に。規則延長で“余裕”生まれる「あとはタイミング次第」

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マクラーレン、LMDhマシンでのル・マン参戦計画が現実的に。規則延長で“余裕”生まれる「あとはタイミング次第」

 世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスとIMSAスポーツカー選手権GTPクラスで使用される、ル・マン・ハイパーカー(LMH)とLMDhのレギュレーションサイクルが2029年まで延長された。

 これによって1995年のル・マン24時間レース総合優勝の再現を目指すマクラーレンの野望は、軌道に乗ったようだ。

■LMDhマシンはLMHに勝てない? ル・マン24時間終えたキャデラック勢から「対抗するのは難しい」との声

 マクラーレン・レーシングのザク・ブラウンCEOは、スポーツカーレース最高峰への参戦は「いつか」から「いつになるか」ということになったと語った。

 2018年に現職に就いて以降、スポーツカーレース最高峰への挑戦を熱望してきたブラウンCEOは、現行レギュレーションの2年延長がマクラーレンに“余裕”を生んだという。

「全てのモータースポーツにおいてコストは極めて重要であり、この延長は社内で構築したビジネスモデルに間違いなく役立つ」

 ブラウンCEOはそう語った。

「(参戦するなら)先立って2年前から動き出す必要がある。仮に2026年なら、明日にでも決断しなければならない。(レギュレーション)最終年に参戦することはないだろう」

 ブラウンCEOは、1990年代のマクラーレンF1 GTRプログラム以来となるスポーツカーレース最高峰参戦について「あらゆるシナリオを検討している」と明かした。

「しかしスポーツカーレースに参戦するのであれば、ル・マンで勝ちにいきたいというのは明白だ」

 ブラウンCEOは以前、マクラーレンはLMDhマシンでWECにワークス参戦することを考えており、IMSAにもカスタマー供給する選択肢もあると語っていた。

 LMHが自由度の高い開発やデザインをゼロから行なうことができるというレギュレーションである一方、LMDhはIMSA旧DPiレギュレーションの後継として次世代LMP2シャシーをベースに開発するモノ。レギュレーションの範囲内で自由に選択できるエンジンに、標準ハイブリッドシステムを組み合わせ、LMHよりも比較的低価格で開発が可能だ。

 そしてブラウンCEOは「LMDhはより有利なカテゴリーだろう」と認めた。

 10年後、WECハイパーカークラスに別のメーカーが参戦する余地があるかどうかは分からない。グリッドは来年40台まで拡大されるものの、既に定員に達する可能性が高いのだ。

 マクラーレンは今年、ユナイテッド・オートスポーツと共にWECのLMGT3クラスに参戦しているが、これがハイパーカークラス参入への道を切り開く上で非常に重要な意味を持つとブラウンCEOは説明した。

「商業パートナーが必要であり、GT3で露出を得ることで、商業市場がどのようなモノで、どれだけのサポートが得られるかを知ることができる」とブラウンCEOは言う。

 マクラーレン・レーシングは現在、F1、インディカー、フォーミュラE、エクストリームEに参戦しており、LMDhプログラムがそれらの活動の妨げにならないことも重要だとブラウンCEOは説明した。

「もし別のプログラムに着手するのであれば、他の活動の妨げにならないようにしなければならない」とブラウンCEOは言う。

「F1チーム、インディカーチーム、電動チームを希薄化させること泣く、別のプロジェクトを引き受けることができると感じるには、そう遠くない」

「我々はレーシングチームとして利益を上げている。マクラーレン・レーシングは非常に健全で、あとはタイミングだけだ」

 マクラーレン・オートモーティブのマイケル・ライダーズCEOは、LMDhプログラムの可能性について、重要な技術的決定は何も下されていないと語った。

 その決定にはエンジン選択も含まれており、M840T市販車用V型8気筒エンジンが適していないことが、マクラーレンのプロトタイプ構想が保留となっている理由のひとつに挙げられる。

「まず、いつ、どうやってやるかを決めなければならない。そこからエンジンの話だ」とライダーズCEOは語った。

「市販車プログラムに沿ったエンジンがあれば完璧だ。それが夢だが、競争力を妥協することはない」

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