7月21日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された『2024 FIM世界耐久選手権(EWC)”コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会』の決勝レースにて、ヨシムラSERT Motul(渥美心/アルベルト・アレナス/ダン・リンフット)が3位表彰台を獲得した。
表彰式を終え、ライダーが記者会見でレースを振り返った。鈴鹿8耐では、エースライダーとしてテストからチームを牽引した渥美心は、決勝レースを振り返りこう話す。
Team HRCが最多220周を走破し3連覇達成。ホンダ30勝目&高橋巧の最多勝更新となるメモリアルウインに/鈴鹿8耐
「初めての鈴鹿8耐の表彰台なので、素直に嬉しいです。昨年のボルドール24時間からヨシムラSERT Motulに加入して、第4ライダーとしてチームの仕事を見たり、冬の間は開発をしたりしてきました。(開発兼第4ライダーとしての仕事は)うまくいっていたのですが、なかなかレース出走の機会はありませんでした。ただ、鈴鹿8耐は走らせてもらえる予定だということだったので、ここに向けてすごく準備をしてきました」
「今回のメインの敵は、YARTの皆さんでした。ここまでは(ヨシムラSERT Motulが)ランキングトップだったので、それをなんとか(最終戦の)ボルドールまでに離されないようにするというのがメインの目的でした」
「今回で逆転されてしまいましたが、それでもYARTさんが2位で、僕らが3位を取れて、ボルドールにうまく繋げられたと思います。チームのこと信じてやってきて、本当によかったです」
決勝レースでは終始DUCATI Team KAGAYAMAと3番手争いを展開。スピードで勝負するDUCATI Team KAGAYAMAに対し、ヨシムラSERT Motulは1スティントの周回数を伸ばしてピットインの回数を減らす作戦に出た。
「20~30秒差くらいをキープしていたら、最後Ducatiがピットに入るというのはチームから知らされていました。なので、それに向けて、ひたすら2スティント目、3スティント目と頑張っていました」
だが、5時間半が経過した頃、ピットアウト時のタンクキャップつけ忘れという痛恨のミスにより、ヨシムラSERT Motulにライドスルーペナルティが科される。
「ずっとサインボードでDucatiとの差は出してくれていました。ダン(・リンフット)がライドスルーを受けて、そこからは全然差がわからなかったので、どうなるのかなと思っていました」
想定外のペナルティで作戦が崩れたと思われたが、最終スティントを任された渥美は諦めなかった。
「とりあえず最終スティントでは、もうひたすら毎周プッシュして走っていました。差が結構開いているとボードに出ていたのですが、突然ハフィス(・シャーリン)選手が自分の目の前に現れて、これはかなりチャンスだなと思ったんです」
「水野選手が出てくると予想していたので、『ハフィス選手ってことはダブルスティントだな』と思い、きっと体力的にも厳しいと考えました。なのでとりあえず1周後ろでどういう走りをするのか見てタイムをチェックして、冷静に抜きに行きました」
渥美はシャーリンを抜いても気を抜かず、チームのベストラップを更新する快走でリードを広げた。
「その後もひたすらプッシュして。10秒ぐらいに差を広げてからようやく安心し始めましたが、とりあえず最後までその差を守り切りたかったので、ひたすらプッシュしてさらに20秒差にまで広げました。そしたらボードに『COOL』と出たので、これだったら大丈夫かなと思ってペースを下げました」
EWCフル参戦チームであるヨシムラSERT Motulだが、鈴鹿8耐の布陣においては、レギュラーライダーはダン・リンフットのみ。日本ラウンドである今回のみ第4ライダーの渥美をライダーブルーとして起用、そしてテストで負傷したグレッグ・ブラックの代わりにMoto2ライダーのアルベルト・アレナスを招集することとなった。
「アルベルトは今回、練習日は全然走れないという問題がありましたが、彼は決勝で走るかどうかわからない中で、しっかりと準備をしてくれました。スティントを突然任されてもしっかり仕事をしてくれて、本当に素晴らしいライダーだなと思います。さすがMoto2ライダーです」
「ダンに関しても、ずっと一緒に今シーズンやってきて素晴らしいライダーだと思っています。彼のペースにほぼ助けられたので、なんとか最後僕が逆転できてよかったです」
「怪我をしてしまったけど、グレッグと、CNチャレンジのエティエンヌにも感謝しています。次のボルドールではふたりとも戻ってきて、チャンピオンに向けてのレースになると思うので、しっかりと頑張りたいです」
ブラックの欠場を受け急遽チームに加入したアルベルト・アレナスは、ビザ取得の関係で水曜日のテスト走行に間に合わず、金曜日の公式セッションからの走行となった。決勝ではレース後半で1スティントを担当した。
初めての耐久レースの感想を、アレナスはこう話す。
「初日からチームがとても歓迎してくれたんだ。僕はここで走ったことがまったくないから、新しいタイヤ、新しいバイクで、タイトルを争っているチームに突然やってきたわけ。そのプレッシャーというのはかなりのものだったが、チームがウェルカムしてくれて、非常にサポートしてくれたので、心から感謝したい」
「素晴らしいチームメイトに恵まれ、表彰台に上がることができてただただ嬉しいよ。僕はラッキーだ。ヨシムラSERT Motulに感謝の気持ちでいっぱいだよ、ありがとう」
ヨシムラSERT Motulは、ランキング首位のYART – YAMAHAと6ポイント差のランク2番手で、9月に行われる最終戦・ボルドール24時間を迎える。
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みんなのコメント
最終盤にヤマがあったね。旧マシンであるがさすがヨシムラ。ガチでドゥカを仕留めてぶっちぎってポディウムをもぎ取った!最高でした。
コレが有るからヨシムラと耐久は切っても切れない。
1位2位3位が日本メーカーじゃないか。オオタニサ~ンみたいに日本に元気をくれた
最高のレースでした。
いや~ココロ、最高!!