現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【ランボルギーニを率いるヴィンケルマン氏に訊く】電動化を達成した先の未来と2025年のあるべき姿

ここから本文です

【ランボルギーニを率いるヴィンケルマン氏に訊く】電動化を達成した先の未来と2025年のあるべき姿

掲載 3
【ランボルギーニを率いるヴィンケルマン氏に訊く】電動化を達成した先の未来と2025年のあるべき姿

ヴィンケルマン氏を中心にキーマンが集結

2024年11月29日、東京新宿区の国立競技場をメイン会場に『ランボルギーニ・デイ・ジャパン』が開催された。当日は実に130台のランボルギーニが集結。アウトモビリ・ランボルギーニの会長兼CEO、ステファン・ヴィンケルマン氏による開始の合図を皮切りに都内をパレードし、国立競技場を目指した。

【画像】『ランボルギーニ・デイ・ジャパン』の様子と2023年夏に発表された『ランザドール』のコンセプト 全92枚

国立競技場の会場では2004年夏にカリフォルニアで発表された新世代スモール・ランボルギーニ、『テメラリオ』のアジア・パシフィック・プレミアが行われたばかりか、それが重要なイベントであることを証明するかのように、ヴィンケルマン氏を中心にランボルギーニのキーマンたちがゲストで参加。

ヴィンケルマン氏は、2016年に一度ランボルギーニのCEOを退任したものの、アウディ・スポーツ(就任時はクワトロ)、ブガッティのCEOを経て2020年に再びランボルギーニの舵を取ることになったのはご存知のとおりだ。ここではオフィシャルプログラムが始まる前に用意されたインタビューをお届けしよう。

電動化されたランボルギーニに対する市場の反応

―2024年夏にテメラリオが発表されたことで、レヴエルト、テメラリオ、ウルスと、ランボルギーニのプロダクションモデルはすべて電動化されることになりました。それに対しての市場の反応はいかがでしょうか。

「カスタマーからのフィードバックは、とてもポジティブなものであったと考えてよいでしょう。私の描いた中期的な戦略『コウ・タウリ』では、2025年までにすべてのプロダクトをHV化するという目標がありましたが、それは見事に達成することができました。

そして私は同時にカスタマーにひとつの約束をしました。新しいランボルギーニをデビューさせる時には、それ以前のモデルよりも必ずパフォーマンスを上げ、その一方で環境性能も上げることです。PHEVとして完成させたレヴエルトは成功するかどうか少し不安でしたが、結果的には現在2027年末の納車まで完売の状態です。

同じくウルスは2025年末、テメラリオに関しては、V型8気筒ツインターボエンジンに3基のエレクトリックモーターを組み合わせた新しいシステムを搭載したモデルですから、なるべく早くお客様のもとに届くように努力したいですね。もちろんその先には、スパイダーやペルフォルマンテといった派生モデルが誕生するプランも考えられています」

―コウ・タウリ戦略は、スーパーカー・シリーズにPHEVのメカニズムが採用されたことで、どのくらいの進捗状況まで達したのでしょうか。

「HV、PHVに続く3つ目のステップ、フル電動化については、2030年までにそれを実行したいと思います。レヴエルトとテメラリオのPHEVは、なるべく長く、具体的には2035年頃までその生産を続けていきたい。混合燃料など、まだまだ新しい技術の追求が残されていますからね。

最初にデビューするBEVは、おそらくはウルスがベースになるのではないでしょうか。こちらもBEVが社会的に受け入れられるようになるよう、もう少し時間が必要だというのが実感です」

第4のモデル『ランザドール』

―最近では、レヴエルト、テメラリオ、ウルスに続く、第4のモデルの存在が強く噂されています。

「よりGT的なキャラクターを強く打ち出した、2ドアモデルのランザドールですね。このランザドールは、弊社のBEV戦略にとっても最も重要な、正しい方向を向いたモデルになると思います。
私はウルスをデビューさせる時、それはランボルギーニの販売台数を2倍以上に躍進させるゲームチェンジャーになると語りました。結果はそのとおりになり、カスタマーの多くはウルスで想像していたよりも良い走りに感動したのです。

ランザドールはセグメントとしてはニッチに属するモデルで、GTであるから車高も高く、ドアも2枚しかありません。これまでにないランボルギーニのビジネスに大きく貢献してくれることは間違いないでしょう。もちろんライバルモデルもたくさんありますから、それらの検討をすることも重要です」

―カスタマーがランボルギーニに望むクルマのキャラクターとして、やはりエモーショナルという言葉は欠かせないと思います。BEVの時代が訪れても、たとえば魅力的なサウンドやポジティブな意味での振動を、ランツァドールやウルスで作り出すことはできるのでしょうか。

「サウンドはすでにリサーチやテストも行っており、これから最終的にその中からエモーショナルなものを選択していく作業に入ります。振動に関してもそれは同様です。ただスポーティーなだけではなく、たとえば快適性をどのように演出するか、これはなかなか難しい問題ですね」

日本のディーラーとカスタマーの関係性

―日本のディーラーとカスタマーの関係を、どのように考えていらっしゃいますか。

「非常によい友好関係を築いていると思います。ディーラーとカスタマーの関係は、ただクルマを納車して終わりなのではなく、そこからいかに刺激的な、あるいはお金で買えない体験を提供していくかにもあると思います。たとえば今日のようなビッグイベントなどはその好例でしょう。

現在では、ランボルギーニを買える層、すなわち購買層は確実に増加しています。ディーラーはそれぞれのカスタマーに合わせた魅力的な経験を届ける、いわばアンバサダーでなければならないのです」

『ランボルギーニ・デイ・ジャパン』には、ヴィンケルマン氏だけでなく、以下のメンバーがゲストとして参加した。
ミィティア・ボルケルト氏(デザイン・ディレクター)
パオロ・ラチェッティ氏(プロダクトライン・ディレクター)
フェデリコ・フォスキーニ氏(チーフ・マーケティング&セールス・オフィサー)
アレッサンドロ・フェルメスキ氏(アフターセースル・ディレクター)
フランチェスコ・スカルダオーニ氏(リージョン・ディレクター・オブ・アウトモビリ・ランボルギーニ・アジア・パシフィック)
ダビデ・スフレコラ氏(ヘッド・オブ・アウトモビリ・ランボルギーニ・ジャパン)

これにスケジュールの都合で出席が叶わなかったルーベン・モール氏(チーフ・テクニカル・オフィサー)の姿があれば、それはまさに期待のニューモデル、テメラリオの開発と販売に関連するフルメンバーといえたほどで、それは日本市場への期待を表すものであろう。

2025年のランボルギーニも期待に満ち溢れる

2024年もさらなる成長の勢いを止めることがなかったランボルギーニ。唯一残念なニュースといえば、2024年からエントリーしていたWECのレギュレーション変更により、同シリーズからの撤退を余儀なくされたことだろうが、同様にSC63をエントリーさせるIMSA、そしてGT3やスーパートロフェオといったカテゴリーでは、これからもその圧倒的な強さを見続けることができることがすでに発表済み。

テメラリオの生産が本格化することもあり、2025年は生産台数や売上高、そして利益においてもさらに魅力的な数字が記録されることになるだろう。ランボルギーニの2025年は期待に満ち溢れているのである。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【2025年のクルマ世界に思うこと】マルチパスウェイで本当に自分の好きなクルマを探したい
【2025年のクルマ世界に思うこと】マルチパスウェイで本当に自分の好きなクルマを探したい
AUTOCAR JAPAN
クルマ業界はどうなる? 2025年のニュースを大予言!(ウソ) F1、新型車、噂のあの人…
クルマ業界はどうなる? 2025年のニュースを大予言!(ウソ) F1、新型車、噂のあの人…
AUTOCAR JAPAN
【ロータリーが450台も集結】26回目の『SEVENSTOCK』 アメリカのロータリーファンは想像以上にアツかった!
【ロータリーが450台も集結】26回目の『SEVENSTOCK』 アメリカのロータリーファンは想像以上にアツかった!
AUTOCAR JAPAN
【2025年もJDMはアツい予感】 SEMA SHOW 2024に出展されたとっておきのJDM 10選
【2025年もJDMはアツい予感】 SEMA SHOW 2024に出展されたとっておきのJDM 10選
AUTOCAR JAPAN
生々しい感覚のスーパースポーツ マスタングとヴァンテージが輝くのは公道? BBDC 2024(5)
生々しい感覚のスーパースポーツ マスタングとヴァンテージが輝くのは公道? BBDC 2024(5)
AUTOCAR JAPAN
【コルベットとエッセが混走!】楽しく安全にモータースポーツを楽しむTBCCのススメ
【コルベットとエッセが混走!】楽しく安全にモータースポーツを楽しむTBCCのススメ
AUTOCAR JAPAN
【昭和の青春的ホットハッチの世界】最後のルノー・スポールと寸止めゴルフGTI!
【昭和の青春的ホットハッチの世界】最後のルノー・スポールと寸止めゴルフGTI!
AUTOCAR JAPAN
2024年もいろいろ大変だった 自動車業界ニュース振り返り(欧州編) EV低迷、関税、価格競争…
2024年もいろいろ大変だった 自動車業界ニュース振り返り(欧州編) EV低迷、関税、価格競争…
AUTOCAR JAPAN
次期メルセデス・ベンツCLA EQテクノロジーへ先行同乗 ツインモーターで約380ps 1.5L HVも
次期メルセデス・ベンツCLA EQテクノロジーへ先行同乗 ツインモーターで約380ps 1.5L HVも
AUTOCAR JAPAN
気軽なメルセデス・ベンツ540Kを夢見て クーリエ・キャデラック(1) 社長のワンオフ
気軽なメルセデス・ベンツ540Kを夢見て クーリエ・キャデラック(1) 社長のワンオフ
AUTOCAR JAPAN
「眠れる獅子」が目覚めたSUV プジョー3008(Mk2) UK中古車ガイド 2017欧州COTY受賞
「眠れる獅子」が目覚めたSUV プジョー3008(Mk2) UK中古車ガイド 2017欧州COTY受賞
AUTOCAR JAPAN
「マジか…」記者が震えた 2024年最も印象に残ったクルマの記事 3選
「マジか…」記者が震えた 2024年最も印象に残ったクルマの記事 3選
AUTOCAR JAPAN
誰もが称賛! 「圧勝」を決めたマクラーレン・アルトゥーラ BBDC 2024(8) 10台の得点は?
誰もが称賛! 「圧勝」を決めたマクラーレン・アルトゥーラ BBDC 2024(8) 10台の得点は?
AUTOCAR JAPAN
四輪駆動による革命! アウディUrクワトロ UK版中古車ガイド(1) 売れるほど赤字が増えた?
四輪駆動による革命! アウディUrクワトロ UK版中古車ガイド(1) 売れるほど赤字が増えた?
AUTOCAR JAPAN
【高級車ならぬ高旧車が流行中】一時代を築いたトヨタ・セルシオと日産シーマは国産高級車の文化遺産!
【高級車ならぬ高旧車が流行中】一時代を築いたトヨタ・セルシオと日産シーマは国産高級車の文化遺産!
AUTOCAR JAPAN
「100% BEVに」と宣言したメーカーと現在の戦略…「君子豹変す」は褒め言葉ですよ!!
「100% BEVに」と宣言したメーカーと現在の戦略…「君子豹変す」は褒め言葉ですよ!!
ベストカーWeb
充分に濃い「旨味」 ケータハム・セブン CSR 20へ試乗 213psと5速MTに620kg 過去1番に快適!
充分に濃い「旨味」 ケータハム・セブン CSR 20へ試乗 213psと5速MTに620kg 過去1番に快適!
AUTOCAR JAPAN
実験的「F」の終止符 レクサスRC F アルティメット・エディションへ試乗 魅惑的なV8の音響体験
実験的「F」の終止符 レクサスRC F アルティメット・エディションへ試乗 魅惑的なV8の音響体験
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

3件
  • *****spr
    自然吸気V12を残してくれるのは本当にありがたい。
    また、今のスーパーカーはコールドスタートでモーターで動き出し、市街地を抜けてエンジンを起動するという次世代のスーパーカーになりつつある。
    CA在住のCEOもクレームでウラカン売ってマクラーレンの変えてた。
    レヴエルトの説明を聞いた際も世界的に始動の音の問題って深刻、という話がありました。
  • tnw
    ランボルギーニのコンサルタントは私には出来ないが、創業者の話は色んな場面で掲載されているが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2868.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2670.06880.0万円

中古車を検索
ウルスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2868.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2670.06880.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村