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2019年最初の大規模クラシックカー・オークション 27台の名車たち 前編

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2019年最初の大規模クラシックカー・オークション 27台の名車たち 前編

夢のクルマを見つける

2019年のはじめにパァッとお金を使いたい人に朗報だ。今週、米国アリゾナ州スコッツデールにはフェラーリ、ポルシェ、メルセデスなど多くの名車が集められ、今年最初の大きなクラシックカー・オークションが開催される。

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貴方が夢のクルマに入札する機会を逃さないように、われわれがボナムズやRMサザビーズ、グッティング&カンパニー、ワールドワイドといったオークション・ハウスのカタログを読み漁って見つけた、クールでレアで美しい最もエキサイティングなクルマをいくつかご紹介しておこう。幸運を祈る。

1993年製 ブガッティEB110GT

560psのV12クワッドターボを搭載するブガッティには、もちろん大枚を投じる価値があるだろう。後継となったヴェイロンに負けず劣らず美しいというだけでなく、EB110はまったく同じように驚異的なクルマだった。グッティング&カンパニーのオークションでこの1993年モデルを手に入れ、家まで乗って帰ることができたらどんなに素晴らしいだろう。

わずか84台しか製造されなかったGT仕様の1台であるこのシルバーのEB110は、長い時間を日本で過ごしてきた。落札価格は80万ドル(約8700万円)を超えることが予想される。

1993年製 ジャガー XJ220

110の次は220。この新車同然で残っていたジャガーの限定生産スーパーカーは、同じ1993年製の驚くべき1台だ。

1991年に発表されてから僅か275台しか製造されなかったXJ220は、161km/hまで7.9秒で加速し、そこからさらに約322km/hまで到達。

「世界最速の量産車」という称号を得ていた。少なくともマクラーレンF1に破られるまで。

今回出品される個体は左ハンドルで、新車時から9,000kmしか走行していない。木曜日(1月17日)に行われるRMサザビーズのオークションでは40万~50万ドル(約4400万~5500万円)での落札が予想される。

1964年製 フェラーリ275GTBプロトタイプ

スコッツデールにはたくさんの夢のクルマが集められるが、中でもこれは最上級の1台。フェラーリ 275GTBの生産1号車である。

フェラーリのファクトリーで所有し、テストや開発に使われたこのワンオフのV12レーサーは、丁寧に扱われたわけではなかった。

1966年のモンテカルロ・ラリーのためにフェラーリの実験部門が用意したこの269psの素晴らしいマシンは、雪の降る山道を横になって走り抜けた。

その後は個人オーナーの手に渡り、最近の25年間はひとりのオーナーが人目に触れさせずに保管し続けていたという。グッティング&カンパニーによる予想落札価格は600万~800万ドル(6.5億~8.7億円)の間だ。

1963年製 メルセデス・ベンツ300SLロードスター

夢のクルマを挙げていくならメルセデス300SLの名前は欠かせない。グッティングのオークションに出品されるこの1台は特に注目に値する。

新車時から3人のオーナーしか経ていないだけでなく、アロイ製エンジンとディスクブレーキを備えるこの仕様は僅か210台しか製造されていない。だが、その魅力は一目見ればわかるはず。非常に美しく、253psを発生するエンジンも同じくらい素晴らしい。

確かに、この個体は伝説的なガルウイング・ドアのモデルではない。しかし、屋根を開けてアウトバーンを疾走すれば、これに勝る歓びはほとんどないはず。

ただし、175万~225万ドル(1.9億~2.5億円)という予想落札価格を払うことができればの話だが。

1963年製 ポルシェ356Bカレラ2 GS カブリオレ

132psのドロップトップに5万ドルは確かに高い。いくらハンサムなクルマといっても。しかしこの時代、カレラ2 GSといえばポルシェ最速の市販車で、いうまでもなく最も高価格なモデルだった。

生産台数は僅か300台ほど。しかも鮮やかな赤で塗られたこのボナムズによる出品車両はオリジナル度が極めて高く、ひとりのオーナーが30年間所有していたという。予想落札価格は110万~130万ドル(1.2億~1.4億円)。

1934年製 メルセデス・ベンツ500K

85年前の非常に美しい高性能車を求めている人へ。この勇ましいメルセデス500Kは、スーパーチャージャー付き5.0ℓエンジンと特別注文によるアルミニウム製ボディ、そして四輪独立懸架を備えた1934年製のクルーザーだ。

そんな豪華なクルマの落札価格を、ボナムズは100~140万ドル(1億~1.5億円)と予想している。お買い得。

1958年製 BMW 507ロードスター・シリーズII

このクルマはBMWをほとんど破産に近い状態に追い込んだ。しかし、このドイツ・メーカーが作った1950年代のロードスターは本物の美人だ。しかも生産台数は僅か252台と間違いなく稀少でもある。

例えばこのコンクール・コンディションの1958年製シリーズIIは、5速ギアボックス、同時代のエンジン、純正ハードトップと完璧に揃っており、300万ドル(約3.3億円)というRMサザビーズの予想落札価格にも希少価値が表れている。

1964年製 ポルシェ904GTS

オリジナルのボディワーク、シャシー、サスペンション、一時代を築いたレースにおける輝かしい戦績、魅力的なグリーンのペイント。

これよりレアで素晴らしいポルシェのレースカーがどれほどあるだろうか? しかもこのクルマは、かつてハリウッド・スターのロバート・レッドフォードが所有していたこともある。

そんなクルマがボナムズのスコッツデール・オークションに出品されるという千載一遇の機会がやって来る。

ただし、この魅力的なシュトゥットガルト製マシンを手に入れるためには、140万ドル(約1.5億円)以上の資金を用意して、カリフォルニアで他の落札希望者と競り合わなければならない。

1958年製 アルファ・ロメオ 1900スーパー

アルファ初の量産車である1900は、このイタリアのメーカーが設計したシャシーに当時の名だたるデザイン・ハウスがボディを架装した。

その結果、上品なツアラーから純粋なスポーツカーまで、多彩な形状やサイズのモデルが作られることになった。

グッティングのオークションに出品されるこの稀少で魅力的な1900SSクーペは、アウトテクニカ・デル・ラリオによるワンオフのオール・アルミニウム製ボディを持つ。

同時代に作られた多くのモデルと同様、この2.0ℓエンジンを搭載するマシンは斬新で印象的。40万ドル(約4400万円)あれば自分の物にできるかもしれない。

1967年製 アストン マーティンDB6 Mk I ヴォランテ

スコッツデールのオークションに出品される豊富なエキゾチックカーの中には、多数の英国車も含まれる。魅惑的なEタイプから珍しいオースティン・ヒーリーまで見つけることができるが、このDB6の持つ気品溢れるGTの魅力に抗える人はいないだろう。

グッディングが出品するこの1台は、140台しか製造されなかったヴォランテと呼ばれるコンバーチブルで、美しいブラックのペイントがよく似合っている。もちろん、われわれはトリプル・キャブレターを備えた4.0ℓエンジンにも大いに惹かれるが、100万ドルのMk1で238km/hという最高速度を試してみる度胸はない。貴方にはあるだろうか?

1964年製 シトロエンDS19 デカポタブル

スタイリッシュで控えめな、非常にフランスらしいこの1964年製の個体は、シトロエン DS19の楽しいドロップトップ仕様。

スコッツデールのオークションに出品されるクルマの中では最も価値が高いというわけでは全くないが、最もチャーミングな1台であることは間違いないだろう。

時代を先取りした流線型のシェルにセルフ・レベリング機構付きのサスペンションを備え、フラミニオ・ベルトーニがデザインしたボディワークは、同時代のありふれたクルマとは一線を画す。

ボナムズによる1月17日のオークションで15万ドル(約1630万円)の落札価格が予想されているこの個体は、レストアが施されており新車当時のように美しい状態だ。

1958年製 フェラーリ250GTツール・ド・フランス

ここ数年に開催されたオークションの結果を振り返ってみると、そのうえ位には必ず何台かのフェラーリ250GTを見つけることができるはず。それはほとんどあまりにも予想通り過ぎる結果だが、それでもこのツール・ド・フランスを見れば、興奮せずにいられない。

1950年代後半のGTの中でも最高に高性能なV12エンジンを搭載し、スカリエッティが手掛けたゴージャスなアルミニウム製コーチワークを纏うこのツール・ド・フランスは、20世紀半ばのモータースポーツにおけるツール・ド・フォース(力作)でもある。この個体も例外ではない。

新車としてベネズエラのオーナーに納車されたこのクルマは、当時のレースに定期的に参戦し、近年ではコンクール・デレガンスやヒストリック・ラリーおよびレースの常連だった。

オリジナルのボディ、シャシー、ドライブトレインを備え、大量の書類や領収書も付属する。今回のオークションにおける予想落札価格は、575万~650万ドル(約6.3億~7.1億円)とされている。

1946年製 フィアット1100Cスパイダー

イタリア人デザイナーのピエトロ・フラウは、マセラティやAC、BMW、フィアット、ランチアのために全力でペンを走らせた。そんな伝説的なコーチビルダーによる最初の作品は何か、ご存じだろうか? それは1946年に製作され、翌年のヴィラ・デステでデビューしたカスタム・ボディのフィアット1100だった。

ユニークでゴージャスな、本当に唯一無二のこのクルマに搭載されているのが、53psの1.1ℓエンジンと聞いてもときめくことはないかもしれない。しかし、自動車デザインの歴史における習作としては比類なき存在だ。ボナムズはその落札価格を65万~85万ドル(7100万~9300万円)と予想している。

1951年製 マセラティA6G/2000スパイダー

これもフラウの作品。思わず口を閉じるのを忘れて眺めてしまうこのマセラティはミッド・センチュリー時代におけるイタリアン・エレガンスの習作だ。

聞いた話によると、このクルマはフラウがA6/2000のプラットフォームを使って3台だけ製作したスパイダーのひとつで、1960年代にこれを購入したヨーバという人物は数年ほどレースに参戦した後、この2.0ℓの名車を仕舞い込んでしまったという。

そして月日が流れて1997年、あるコレクター達のグループが食事をしようと入ったレストランで、偶然にもヨーバ氏の娘がウェイトレスとして働いていた。この失われたフラウの名車とのその再発見についての逸話は、われわれが雑誌で特集したこともある。しかし、2000年になるまで、この見事なクルマは新しいオーナーの手に渡らなかった。

後に専門家のアドルフ・オルジ博士がその過去を調べ上げる一方、このマセラティは最高のレストアを受け、今日の素晴らしい状態となった。ボナムズによると、予想落札価格は280~340万ドル(約3億~3.7億円)とのこと。

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