20代会社員120回ローンでモデナを買って4年目
20代の会社員、つかぽんさんが120回ローンを組んでフェラーリ360モデナを購入して4年が経過した。
【画像】つかぽんさんの「2023年フェラーリ関連行事」を振り返る 全6枚
AUTOCAR JAPANでは購入から丸1年が経過した2020年12月から毎年、つかぽんさんとモデナの1年を振り返ってもらってきた。それももう今回で4回目となる。2023年はどのような1年だったのか? 先日お話を伺ったところ、驚きの返事が返ってきた。
なんとつかぽんさん、会社を辞めて「個人事業主」になっていたのだ。何がきっかけだったのだろうか? また、モデナは手放すことなく所有できているのだろうか?
「今は脱サラして個人&法人向けに、写真&映像撮影をしています。そこから派生して、法人さんのウェブサイト構成の検討や、SNS運用などもさせて頂いています。いつかは脱サラしよう。という思いは常に心の中にありました。
これもフェラーリと深く関係しています。モデナを買うよりもはるか前は『いつの日かフェラーリが買える人生だったらいいな』程度に思っていましたが、いざモデナを手にして、フェラーリのコミュニティに参加してみると、これまでにないような出会いがたくさんありました。
フェラーリ・オーナーの皆さんは会社経営をされていたり、独自の事業をされていたりする方ばかりでいきいきしてらっしゃる。独立して事業を営んでいる皆さんのお話を聞いているうちに『自分もいつかは会社員を辞めて、もっと高みを目指したい』と思うようになっていました」
確かに最初に取材した時からつかぽんさんは「いつか会社員をやめて独立したい」と話していた。そのタイミングが2023年だったようだ。
フェラーリ本社を訪れて覚醒?
会社を辞めて独立…背中を押したのはマラネロのフェラーリ工場などを訪れる「ヨーロッパ訪問」だった。
「モデナがきっかけで知り合えたある経営者の方から『ヨーロッパの国々を1週間で回りませんか?』とお誘いを頂き、ブルゴーニュワインの産地やシュトットゥガルト、フェラーリの本社のあるモデナ(地名)やマラネロなどに行く機会に恵まれました。
マラネロ訪問は、まさに天国! 今回はイギリス/ドイツ/スイス/フランスなどを回って、最後にイタリアに来ましたがフェラーリ・ファンとしては、このためだけにイタリアに来た甲斐があると思えたくらい、素晴らしい体験でした! 訪れた場所は以下の4か所です。
1.フェラーリ・ファクトリー(マラネロ)/本社&市販車組み立て工場&F1チームの本拠地
2.ミュゼオ・フェラーリ(マラネロ)/本社の向かい側にある、フェラーリのレーシングカーやスペチアーレモデルの博物館
3.ミュゼオ・エンツォフェラーリ(モデナ)/フェラーリ本社から車で30分の場所にある、エンツォフェラーリの生家を利用した博物館
4.リストランテ・カヴァリーノ(マラネロ)/本社の向かい側にあるレストラン よくエンツォがランチしていたと言われています。
もう一つの聖地である、フィオラノ・テストトラックも上から見ることができました。」
旅を始めて6日目、マラネロの地でつかぽんさんは会社員をやめることを決意した。「このタイミングでやめなかったら、多分一生辞められない」と思い、帰国して本当に速攻で会社を辞めた。
フェラーリが維持できなくなるなら、そんな仕事辞めちまえ!
フェラーリ本社で覚醒したつかぽんさん。会社をやめた後はどうしていたのだろうか。
「しばらくは知人や友人からの紹介仕事で持ちこたえていましたが、常に考えていたのは『モデナをいつまで維持できるだろうか?』ということ。毎日、そればかり考えていたように思います」
そんな時、つかぽんさんは親しい友人から衝撃のアドバイスを受ける。
「フェラーリが所有できなくなるなら、そんな事業辞めちまえ。やる意味があるのか?」
「これは衝撃でした。弱気な気持ちになるたび、その言葉を思い出しました。そして、これまで4年間、フェラーリを所有している事実は会社員時代はもちろん、独立してからも、自分の中での大きなモチベーションであることを再認識したんです。フェラーリがあったからこそ、これまで頑張って来られたんじゃないか!って。だから、どうしてもローンが払えなくなるまでは、絶対にできる限り維持してやろう!という思いが強くなっていきました」
つかぽんさんは、ツーリングやイベントにも「もう次は参加できなくなるかも」と思い、積極的に参加していったという。
「最も印象に残っているのは、フェラーリだけ100台規模のツーリングです。個人オーナー主催のイベントで約100台のフェラーリが一緒に走る姿は本当に感動的でした」
フェラーリだけで100台…さぞかし壮観だっただろう。
1年間でかかった費用は? 2023年のトラブルは何があった?
「大黒PAから埼玉のホテルまで次々とフェラーリたちが合流しながら向かったのですが、高速道路をタテ一列に並ぶフェラーリの車列は圧巻の一言でした! 私と同じ360モデナや近しい年代のF430、F355や458はもちろん、マツダコレクションの一台だった512BBから最新の812スーパーファストやSF90まで。
チャイルドシートをつけたフェラーリもあれば、あのフェラーリF40までさまざまな美しいフェラーリが集いました。赤/黄/青/白/黒/シルバーなど、色ごとに整列して駐車場にとまっている光景も感動的な美しさでした」
ところでつかぽんさんのモデナは初度登録から25年を迎えた。オドメーターの数は今年に入って7万kmを超えたそうだが、トラブル関係はどうだったのだろうか?
「エンジンチェックランプがついてしまいました。メカニックの方に相談したところ『ありとあらゆる故障が考えられる』と言われてしまい悪い妄想ばかりが広がっていきました。収入が不安定だったこともあり、毎月「モデナを手放すか?」を考えながらの日々を送るようになっていました。
しかし、ある時、テスターで原因(故障箇所)を探ってもらう機会があり吸気系のエアフロセンサーであることがわかりました。モデナを購入する前から『エアフロは定番の故障部品』と聞いていたので少しホッとしました。費用もそれほどかからない(ユニットごと交換で10万円程度)ため、近々修理をする予定です。エアコンは相変わらず効きませんが優先度が低いのでそのままにしています」
1分間で4万円? 痛恨のミスは?
そしてもうひとつ、痛恨のミスをおかしてしまう出来事もあった。
「エンジンかかったままインロックしてしまいました。4年間、モデナを所有してきて初めての出来事でした…鍵のレスキューに電話をして、30分ほど待って作業開始。1分もしないうちにドアが開きました。
普段からエンジンの音を聞きたくて窓を数センチ開けているのですがそのおかげで隙間から内側のドアノブめがけて、太くて硬い針金のようなツールを差し込んでドアが開いたんです。ほっとしたのもつかの間、せいぜい8000円くらい? で済みそうなイメージでしたが…作業代は4万円!! 1分で4万円なんて、人生で一番短い4万円の消え方だった気がします」(※損保の無料ロードサービスでキーとじ込みが対象になるとは思っていなかったそうです)
2023年は4200kmを走ったというつかぽんさん。2022年が2500kmだったのでいかに覚悟を決めて、積極的にツーリング等に参加したかがわかる。
2023年の出費を計算してもらった。
・自動車税/7万6400円
・オイル交換/6万4526円(コーンズにて)
・自動車保険/18万7320円(年間)
・インロック対応の4万円
・駐車場(一昨年から変更なし)
最初に取材した時「月々4万円/ボーナス月は+25万円/120回ローンを組んで購入/金利は2.9%前後/本体価格930万円に、金利込みで1060万円くらい」という支払い方法であった。2023年末にはその残債も580万円までになった。
「サラリーマン時代は乗れない日々が多かったものの、フェラーリが手元にあることが当たり前になりつつありました。会社を辞めて独立してからは改めて、フェラーリを所有できていることのありがたみを感じながら日々、走らせるようになりました。
ローンについては、購入当初に勤めていた会社員時代の名残で『ボーナス払い』をしているため、ボーナス月の返済が厳しかったですが、それでも多くの方の支えのおかげで乗りきることができました。
2024年は所有し続けていられるかわかりませんが、限界が来るまでフェラーリのある生活を楽しみたいと思っています。そして、いつかは新車でV12のフェラーリをオーダーできるようになりたいと思います」
SEE YOU NEXT YEAR AGAIN!
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みんなのコメント
維持費がどうとか、故障がどうとか、乗ってもない触ってもないバカなヤツらには、絶対味わえない経験をしている。
同じバカになるなら乗ってから言えだな。