施主の多様な趣味を円形状の家が包み込む
写真の2台以外にもリフトアップしたスズキ ジムニーを所有しており、ガレージには2台のオフロードバイクと1台のオンロードバイク、1台のマウンテンバイクも……。他にも釣りやキャンプの道具が収まる壁の収納を見れば、施主が様々なアウトドアを楽しむ趣味人なのだと想像がつく。
さらにオーディオやラジコンなども大好きだという。「竣工時点ですでに、多彩な趣味を楽しまれている方でした。今後も新しい趣味を楽しんでいかれるようです」と建築家の藤原慎太郎さんは言う。
そんなバラエティ豊かな趣味をすべて楽しめ、さらに自宅でバーベキューができて、愛犬を走らせることもできる家、というリクエストに対し、藤原さんが提案したのが円形のガレージハウスだ。「円形にすることで、屋上をラジコンのサーキット場にできると考えました。
それに円形なら敷地の四隅に余白が生まれます。その余白がバーベキュースペースや愛犬のドッグランになります」余白の使い方は、これだけ多彩な趣味を楽しむ施主のことだ、新たな"遊び"を思いつくかもしれない。敷地の四隅だけでなくガレージ前にはイスを並べて友人と語らう程度の広さもある。 また、ガレージ内も後から自在に棚などを備えられるようにしてあるし、照明の位置も自在に変えられる。そんな具合に、あちらこちらに"余白のある家"なのだ。今後の施主の遊び心の変化にも柔軟に対応できる円形のガレージハウス。その中央には中庭がある。各部屋へ風や光を届けるのはもちろんだが、バーベキューを楽しめるもう一つの場所でもある。
「キッチンで作った料理をサッと持ち出して、好きな場所で食べて、お酒を飲みたい」という施主の願いを叶えるため、 特にキッチン~中庭~玄関が一直線になるようにこだわったという。出来立ての料理を中庭のウッドデッキでも、外の芝生の上でも好きな場所で味わえる。中庭にあるタラップを上れば、屋上で星空を眺めながらお酒も飲める。
夢を100%叶えるプランを練り上げるまで、施主とは1年以上もやりとりを交わしたという。おかげで施主の遊び心を家全体に表現できたと藤原さん。
「こういうケースはなかなかありません」。たいていは妻の要望が優先され、夫の夢は縮小を余儀なくされるからだ。そんな妻の広い心があったからこそ叶えられた"秘密基地"。円形という見た目よりも、もしかしたら「夫の夢を100%叶えられた」ことの方が珍しいかもしれない。 ■所在地:徳島県板野郡藍住町■主要用途:専用住宅■構造:木造軸組構法■敷地面積:319.69 平方メートル■建築面積:170.01 平方メートル■延床面積:168.41 平方メートル■設計:藤原慎太郎・室喜夫(藤原・室 建築設計事務所)■TEL:06-6761-5577
※カーセンサーEDGE 2021年6月号(2021年4月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています 文/籠島康弘、写真/矢野紀行(矢野紀行写真事務所)
藤原・室 建築設計事務所【EDGE HOUSE】他のガレージハウスを見てみるカーセンサーEDGE.netはこちら
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みんなのコメント
金があり余るので色々な物に金をかけているだけだ。
家が欲しいがコロナの影響で収入が激減している一般人には、全く関係ない記事だ。