鈴鹿サーキットで12月6日に始まったスーパーフォーミュラの合同/ルーキーテスト。初日午前中のセッション1から、最終盤は予選さながらのタイムアタック合戦が繰り広げられたが、ここで2番手以下を大きく引き離すセッション最速タイムをマークしたのはKids com Team KCMGから参加している関口雄飛だった。
既報のとおり、この18号車は2日目には福住仁嶺がドライブする予定となっている。実質的に関口と福住によるオーディション的な意味合いを感じさせる状況のなか、2023年シーズンに苦闘が続いた関口は、限られた乗車機会に好パフォーマンスを示す形となった。
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関口本人も「すごくいい感じでした。アウティングごとにフィーリングも改善していったし、タイムもちゃんと上げることができた。自分自身、もともとあった自信を再確認できたという感じでした。そこに関しては、今日走らせてもらってすごく良かったです」と表情は明るい。
午後のセッション2終了間際には、ニュータイヤを履いてアタックに向かったものの、アウトラップのデグナーでコースオフしフロントからバリアへとヒット。フィーリングが良かっただけに、関口はこの終わり方を悔やんでいるようだった。
「ちょっと狙いすぎました」と関口は振り返る。
トラフィックを避けるためにピットで少し待機してからコースへと向かった関口は、『アウト→アタック』という、コースイン翌周のタイムアタックを予定していた。それでもピットアウトすると前方にはトラフィックがあり、間隔を空けるため通常よりもペースを落として走っていたという。
「デグナーに入るあたりでそろそろプッシュしないと、と思ったのですが、スペースを空けている間に自分の感覚とタイヤの温度が想像以上にズレてしまって。普段だったら3倍・4倍のスピードで走っているのでデグナーのあたりでは温まっているのですが……」
関口は「この世界に“タラ・レバ”はないので」と多くを語らなかったが、アタックできていれば午前と同様に好パフォーマンスを見せられていた可能性は高そうな雰囲気だった。
チームを率いる松田次生監督によれば、今回Kids com Team KCMGでは小林可夢偉の7号車で2024年から導入される共通ダンパーをメインとした各種テストを行っていたという。一方でこの日の18号車は、タイムを追求するセットアップを施していった。
「関口くんがすごくいいフィードバックをしてくれたので、クルマのセットアップもすごくいい方向に行きました」と次生監督は一日を振り返る。
「(関口は)一発の出し方もすごくうまかったですし、セットアップの持って行き方、エンジニアとのコミュニケーションもすごく良かったと思います。(エンジニアと)うまく連携をとって、自分好みのクルマに仕上げて行っていたので、そこは安心して見ていられましたし、そういった部分も含めて改めて良いドライバーだと思いました」
「最後はちょっと狙いすぎてニュータイヤがうまく使えませんでしたが、トップを獲れるぐらいのクルマであることが分かったのでチームとしてはすごくポジティブです。明日、仁嶺くんが乗るのもすごく楽しみですね」
「一方で可夢偉くんの方は、タイムを求めるというよりは来年に向けたデータ取りがメインでしたが、それでもリザルトがすごく悪いわけではないので、明日しっかりと合わせ込んでいければと思います」
共通ダンパーの導入に関しては、「僕らとしてはチャンス」と次生監督。2台それぞれが別のメニュー/ベクトルで手応えを掴んだKids com Team KCMGは、テスト2日目もさまざまな意味で注目の存在となりそうだ。
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