受注再開が待ち遠しいEV
日本における量産BEVのパイオニアとしてリーフを送り出してきた日産が、それまでの経験を活かし人気のSUVカテゴリーに投入したのがアリアである。
【画像】日産アリア 荷室/内装/デザイン【じっくり見る】 全88枚
初回限定の日産アリアB6リミテッドは2022年1月から先行発売され、カタログモデルのB6が5月12日から受注を開始していたが現在は注文を一時停止。
AWDのe-FORCE版と91kWh大容量バッテリーを備えるB9は追って発売される予定だ。
ここでは日産アリアの66kWhバッテリーを搭載した「B6(2WDモデル)」を、パッケージとラゲッジスペースに特化して検証してゆく。
ボディサイズ 競合と比較
まずはアリアのボディサイズを再確認したい。
全長4595mm×全幅1850mm×全高1655mmと、取り回しの良いミディアムサイズに収められている。
日産の同カテゴリーにあるエクストレイルと比べると、アリアは全長が65~80mm短いが、ホイールベースは70mm長く、オーバーハングの短い凝縮されたスタイリングが数値からもわかる。
直接のライバルと目されるのがレクサスUX300e(同4495×1840×1540mm)で、全長が少々短くなり、エンジン車との差別感は薄い。
またトヨタbZ4Xとスバル・ソルテラ(同4690×1860×1650mm、両車共同寸)は、全長が95mm長くなる。
輸入車では今秋以降に正式導入予定のアウディQ4 40 eトロン(同4590×1865×1615mm)がほぼ同じポジションとなる。価格もアリアB6の539万円に対し、620万円(12月以降の新価格)と近いところにある。
荷室を実測 フロア下に2WDのメリット
アリアはクーペ型のスタイリングを採用しオーバーハングも短いため、取材前のイメージでは荷室の広さをあまり期待していなかった。
実際にリアゲートを開いてチェックしてみると、ウエストラインが高いこともあり広大でスクエアなスペースが確保されていた。
またフロア下には有用な収納スペース(左右1010×前後660×深さ130mm)が2WDモデルのみに備わる。AWDモデルでは補器類が入る関係からこのスペースはなくなってしまう。
フロア面で前後方向が975mm、左右方向は最も広い部分で1387mm、ホイールアーチ部分で1105mm。床面から荷室カバー下までは410mmだった。地上から荷室床面までは682mmと低め。
後席のバックレストは60:40の分割可倒式とされている。座面はそのままにバックレストだけが前に倒れるタイプ。折り畳み時の床面は前上がりになるが、傾斜は緩やかだ。
バックレストをすべて倒せば、最も狭い部分で左右1010mmあり、進行方向で1901mm確保されており、開口部が低く段差もないので、大きな組み立て家具でも楽に積める。
サンプルのスーツケース登場
「どれだけ積める?」シリーズでは、単に荷室を計測した数字だけでは実感として理解しにくいため、実際に大小のスーツケースを積み込んで収容力を確認している。
積載チェックに使用するサンプルは、Lサイズのスーツケース(790×530×280mm:容量84L)、Mサイズのスーツケース(710×425×260mm:容量61L)を基本とする。
ここに機内持ち込みサイズのボードケース(550×400×200mm)と、パイロットケース(540×400×265mm)を組み合わせてどれだけ積めるかを確認している。
この4個のケースを使うことにより、ラゲッジスペースの大きさが実感として理解することができよう。
これまでも大型車ながら荷室形状によっては意外と積めないクルマがあった。逆に小型車でもきれいに収まりすべて入ることもあるので、試してみないとわからないものだ。
まず最も大きいLサイズのスーツケースは起こしては入らず、寝かせて進行方向に積むと簡単に入ってしまった。Lサイズのスーツケースを2個並べて積めるスペースがある。
続いてLサイズとMサイズのスーツケースを並べて置き、その上にボードケースとパイロットケースを載せることができた(写真)。ただし、この状態ではラゲッジカバーは所定の方法では取付けられなかった。
フロアボードなし 見た目以上に積めた!
今度はフロアボードを外してLサイズのスーツケースを寝かせて横に置くと、上にMサイズとパイロットケースが置け、右にボードケースが入る。
ラゲッジカバーは取付けられるものの、収まりが今ひとつ。
そこでボードケースを後席直後に置き、その手前にLサイズとMサイズのスーツケースを横向きで起こして入れると、横にパイロットケースが積めて収まりもよい(写真)。
さらにパイロットケースの手前にはショルダーバッグ程度を入れるスペースが残っており、ラゲッジカバーもレールに通して所定の方法で取付けることができた。
アリアの特設ウェブを見ると、電動システムとインテリアを中心にアピールされているが、ラゲッジスペースは簡単にしか触れていないのは惜しい限りだ。
アリアのラゲッジスペースは、オールラウンドに使われることが想定されるSUVにふさわしい収容力が確保されていることが確認できた。
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みんなのコメント
発売しましたって、言って直ぐに受注停止。
何やってんだよ。