中国のBYDが、日本の乗用車市場へ参入する。2023年1月上陸予定の「ATTO 3(アットスリー)」に、小川フミオがひと足先に乗った!
予想以上のクオリティの高さ
中国からBEV(バッテリー式電気自動車)の「ATTO 3(アットスリー)」がやってくる。大手自動車メーカーBYDが手がける同車は、本国で2022年2月に発売されたばかり。豪州、シンガポールなどに次いで日本でも展開する。スタイリング(とくにインテリア)は斬新であるが、乗ると重厚感があって、期待以上によく走る。好感の持てる出来だ。
アットスリーは、全長4455mm、全高1615mmのボディに、最高出力150kW、最大トルク310Nmを発揮する電気モーターを搭載した前輪駆動。58.56kWhのバッテリーを組み合わせて、航続距離は485kmに達するという。
乗りこむときのドアの開閉からして、予想以上のクオリティの高さ。いやそんな表現をしては失礼だろう。ドイツ車並みに“ガチャリ”と開き、“バスン”と閉まる。下手な日本車よりはるかに出来が良い。
車内のデザインは独特だ。スポーツジムと音楽スタジオがデザインソースという。たとえばドアマウントされたスピーカーには、ギターの弦を思わせるラバーコードが張られているという具合。“装飾過多”と思う人もいるかもしれないが、マジメな日本の自動車界に一石を投じるかもしれない。
スイッチ類の感触や、シートの造型や表皮、それに座り心地は、短時間(約20分)しか乗れなかったため断言はできないものの、すくなくとも印象は悪くない。おもてなし感覚があって楽しかった。
重厚な乗り心地
始動ボタンを押して、シフトレバーでDを選ぶ。ドライブモードは「エコ」「スタンダード」「ノーマル」で、その橫に回生ブレーキの効き具合を選べる切り替えスイッチが設けられている。
ふつうの市街地を走るならエコで充分。速度が高めの合流地点でもたつくことはない。加速もよく、法定速度の範囲内で試したところ、キビキビと走り、交通の流れは簡単にリードできる。
回生ブレーキの効きはどちらかというとマイルド。「強めの制動をかけないほうが、アクセルワークでの速度コントロールがやりやすいと考えている」とBYDの日本法人では言う。
もうひとつ、私が感心したのは、乗り心地。大きなバッテリーを積むBEVの常として車重は重め。今回試乗したのは、右ハンドルのオーストラリア仕様(速度計はキロ表示だった)で、車重は1750kgと表記されていた。
いわゆるバネ上重量が重めのため、乗り心地は重厚感があり、一定速度での巡航は快適そのもの。段差越えのときのショックのいなしかたも上手だ。
アットスリーは全長4455mmで、レクサス「UX」(4495mm)、「カローラクロス」(4490mm)、スバル「スバルXV」(4485mm)などより小さく、BMW「X2」(4355mm)よりすこし大きい。比較的コンパクトなボディサイズだが、乗り心地も、期待よりはるかに上質であると感じた。
“バッテリーこそBYDの根幹の技術”というだけあって、アットスリーにはリン酸鉄リチウムイオンバッテリーによるブレードバッテリーというシステムを採用。モジュールでなく、最初からバッテリーパックとして作りあげるため、高効率で、省スペースで、かつ構造材の一部として使えるのも特徴だ。
対面販売で安心感を与えたい
「日中合作です」。試乗会場でインタビューさせてもらった、ビーワイディージャパン株式会社のリユ・シュエリアン(劉学亮)社長はそう語る。というのは、ボディの金型の製作は群馬県のTATEBAYASHI MOULDING社。高い技術力が自慢というだけあって、アットスリーのボディパネルは複雑なカーブがきれいに実現している。
スタイリングは、アウディやメルセデス・ベンツのヘッド・オブ・デザインを務めたドイツ人のウォルフガング・エッガー氏率いる深圳のBYDグローバルデザインセンターの仕事だという。
「日本の人は、成功するの? と、言いますけれど、BYDが日本に来てから20年が経ちます。そのあいだにバッテリーをはじめ、2015年から導入する電気バスはシェアが7割に達していますし、電動フォークリフトでも実績があります。そういう活動を知っていらっしゃる人なら『ついに乗用車も売るんですね』と、おっしゃるのではないでしょうか」
劉社長は自信をのぞかせた。
実際、広東省深圳市に本社を置くBYD(比亜迪股份有限公司)は携帯電話用電池で世界ナンバーワン、リチウムイオン電池ではナンバースリーの実績を誇る。同時に、2003年スタートの比亜迪汽車事業では早くから電動車を手がけ、電池やモーター、インバーターといった主要パーツの工作技術と制御技術において、高いレベルでノウハウを蓄積しているという。
アットスリーの発売は2023年1月を予定しているそうだ。そのときまでに、車内のインフォテインメントシステムも充実させたいと、BYDの日本法人は考えているようだ。なにしろ「EVは、したいと思ったことがすべて出来るプラットフォームです」と劉社長は述べる。
日本では、光岡自動車を入れれば9つの乗用車メーカーがあるし、海外ブランドも多い。そこに入ってこようというのは、かなりのチャレンジではないか。私でなくても、そう思うひとはいるのでは。
「私たちが無理やり日本市場に入ってこようというのではないのです。日本社会にニーズがあるはずだと思っているのです。多様化する市場において、私たちの乗用車もひとつの選択肢になり得ると信じています」
上記のインフォテインメントシステムの充実について、「家に帰りたくなくなるクルマ」と劉社長はなんともおもしろい定義をしている。まだ価格も未定であるが、出来るだけ買いやすい価格で出したいそうだ。
当面、日本全国で100店舗ぐらいのディーラーを作り、対面販売をおこなっていくという。「(ユーザーに)お会いすることで消費者に安心感を与えたい」(劉社長)そうだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
日本はやれエコじゃないとか、ハイブリッドの方が、とか言ってるまにとうとう攻めてきた。
迎え撃とうにも、出せるEVが無いw