この記事をまとめると
■日産から新型フェアレディZが登場
新型フェアレディZの型式は「Z34」のまま! フルモデルチェンジでも型式が変わらない「謎」に隠れた「日産の良心」
■2022年1月にプロトスペック、4月にその他のグレードが発表となった
■それぞれの違いやおすすめグレードについて解説する
標準仕様とバージョンSが推奨グレード!
フェアレディZは2022年1月に特別仕様車のプロトスペックを発表した。価格は696万6300円で、この発表時点では、一般グレードの価格は明らかにされていなかった。欲しいユーザーは、上記の価格でプロトスペックを契約した。
ところが4月に一般グレードの価格が公表されると、ほぼ同じ内容のバージョンSTが、646万2500円で設定されていた。プロトスペックに比べて約50万円安い。プロトスペックとバージョンSTの違いは、一部のパーツの色彩が異なる程度だから、プロトスペックが50万円の上乗せではかなり割高になってしまう。
仮にプロトスペックが割高でも、早いタイミングで契約したぶんだけ納車も早期に行われれば、不満が多少は薄れるだろう。他人が所有していない新型フェアレディZをいち早く乗りまわすことで、注目されるメリットもあるからだ。日常的な使い勝手などを動画サイトにアップすれば、閲覧数を伸ばせるかも知れない。
しかし販売店によると「2022年8月上旬時点で、フェアレディZの納車は、まったく始まっていない。プロトスペックと一般グレードでも、納車時期の差はほとんど生じないと思う」という。これではプロトスペックを購入したユーザーは、50万円に相当する満足感を得られない。フェアレディZは優れたスポーツカーだが、このような売り方をすると、すべて台無しになってしまう。
スポーツカーの場合、高価な特別仕様車を先行発売して、抽選により顧客を選別する売り方をすることも多い。スポーツカーのユーザーは、みなさん優しいから、文句も生じないのだろうが、メーカーがその厚意に甘えてはいけない。
こういった点も考慮すると、フェアレディZでもっとも買い得なグレードは標準仕様だ。価格は524万1500円だから、先に述べたプロトスペックに比べて170万円以上安い。とくに6速ATを選ぶ場合は、標準仕様で不足はない。衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、カーナビ、18インチアルミホイールなどは標準装着されているからだ。
6速MTを選ぶユーザーは、スポーツカーとしての走りに重点を置くだろう。このニーズでは、6速MT専用グレードのバージョンSも検討する。価格は606万3200円だから、標準仕様に比べて約82万円高いが、レイズ製19インチアルミホイール&タイヤ、4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキ、メカニカルLSD(リミテッドスリップデフ)がプラスされる。フェアレディZでは、標準仕様とバージョンSが推奨グレードだ。
それでもエンジンがV型6気筒3リッターのターボに変わり、安全装備や運転支援機能も充実したぶんだけ、先代型に比べると大幅に値上げされた。先代型のバージョンSは484万8800円だから、新型の同グレードは約122万円高い。先代型との価格差も視野に入れると、標準仕様の524万1500円は、さらに魅力的な価格に思えてくる。
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