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NISMO FESTIVAL 20th anniversary『ニスモフェスティバルの20年史を振り返る2006~2010』

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NISMO FESTIVAL 20th anniversary『ニスモフェスティバルの20年史を振り返る2006~2010』

開催10周年を迎えた2006年から “NISSAN RACING DNA”を掲げた2010年までを振り返る

自動車メーカー系が主催するモータースポーツファン感謝イベントとして最も古い歴史を持ち、熱いファンが大挙する「NISMO FESTIVAL」が2017年で記念すべき20回目を迎えた。今回はその歴史を振り返るとともに、この熱きイベントの裏舞台をクローズアップ。 今回のシリーズ3は「2006y第10回~2010y第14回」をお伝えしよう。

NISMO FESTIVAL 20th anniversary 『ニスモフェスティバルの20年史を振り返る1997~2000y』

700psを発揮する幻のマシン「R383」が駆け抜ける

【2006y 第10回ニスモフェスティバル】

記念すべき10回目を迎えた’06年。フィナーレのホームストレートにはこれでもか、といわんばかりに新旧マシンが並ぶ。 日産/NISMOのモータースポーツの歴史、参戦カテゴリーの広さ、グローバルでの活動を感じられた1日であった。

年に1度のファン団結式に過去最多のマシンが大集結

ついに記念すべき節目の10回目を迎えたNISMOフェスティバル。イベントタイトルも“10th Lap Special”とされた。ニスモスタッフによる運営でコツコツと続けてきた“ファン感謝デー”は、毎年多くのファンを集めた年末の人気イベントとして定着した。

‘01年ごろからは、前夜の11時あたりからメインゲート前に車列ができ、一夜をクルマの中で過ごす熱烈なファンも増えてきた。イベントは感謝デーの色を強め、オーナーカーによる走行枠を増加。 ’06年は歴代のニスモ製コンプリートカーオーナーによるパレードランで幕開け。270R、400R、Z-tune、マーチのS-tuneなどが富士を彩った。

また、昨年までのチューナーズバトルに代わって、この年にスタートし、3戦が行なわれた“Z-Car Challenge”の特別ラウンドが開催された。これは同レースに参加した一般のアマチュアドライバーによるレース。大観衆のいる富士スピードウェイのストレートを駆け抜ける快感を味わったに違いない。 また旧車レースに参加する愛好家を集めたカテゴリー混走模擬レースにはハコスカGT-Rや初代フェアレディZ、TS仕様のサニーなどが多数集結。キャブレター独特のサウンドをレーシングコースで響かせ、往年のレースファンを喜ばせた。

そしてメインイベントは実戦に参戦することなくお蔵入りとなった幻のレーシングー『R383』のドライブ。このマシンの走りを見たことがある人はそうはいない。伝説マシンの走りを目に焼付けたはずだ。





市販車/スーパーGT/ニュルテストカーを太っ腹展示

『2007y 第11回ニスモフェスティバル』

‘07年の東京モーターショーで復活を果たしたGT-R。『NISMO FESTIVAL』も当然第3世代のR35型が主役!デビュー前のR35型が惜しげもなく披露され、その脇を歴代のGT–Rが固める。富士スピードウェイはR一色に染まった。

スカイライン50周年の節目新時代の到来を感じさせた

平成19年(2007)年のニスモフェスティバルを待ちわびたファンも多かったことだろう。それは10月に新世代のR35型GT-Rが発表されたからに他ならない。東京モーターショーに展示されたR35型は見たが、実際に走る姿を見たことがないというのが大半だったはず。

となれば、『NISMOフェスティバル』でR35型の雄姿を見ることができるかもしれず、”もしかしたら翌シーズンを戦うR35型のGT500マシンも公開されるかもしれない”と、妄想を膨らませたに違いない。 そんなファン心理をあおるようにこの年のサブタイトルは“SCOOP2007”そしてポスターのメイン写真は誰が見ても新生GT-Rのテールランプとわかるものだった。

マーチカップ、Zマスターレースと続き、人気コンテンツのカテゴリー混走模擬レース1ではハコスカGT-R軍団が登場、そして第2レースではR32型/R33型/R34型の第2世代と呼ばれるスカイラインGT-Rのマシンが出場。いつになくGT-R色の濃い内容となっていた。 まさにタイムスリップの余韻に浸っていた大観衆を突如、現実から未来へいざなったのが、新生R35型GT-Rの登場だった。

“NISSAN GT-Rパフォーマンスデモンストレーション”と銘打った催しでは、ニュルブルクリンクサーキットでテストした車両を持ち込み、スーパー耐久レース仕様のフェアレディZとストレート上で真剣勝負を行なった。ブレーキング、0~200m加速、スラロームなど全項目で圧勝し、R35型の性能の高さをアピールした。そして、最後にGT500仕様のR35型が疾走。会場は盛り上がった。





ダットサン富士号が現代の技術で完全レストア

『2008y 第12回ニスモフェスティバル』

これまでサーキットで闘うレースカーを中心にラインアップし、その歴史を紐解いていた『NISMO FESTIVAL』。’08年は海外ラリー参戦50周年というテーマでラリーという新しい息吹が注入され、新たな楽しみが増えた。

日産歴代ラリー車が初登場。土の上での大活躍も紹介!

平成20(2008)年シーズンから第3世代のR35型GT-Rによるレース活動が始まった。そのデビューイヤーのスーパーGTで見事チャンピオンを奪還。9戦7勝という圧倒的な強さでシーズンを締め括ったとなれば、その年のニスモフェスティバルも当然GT-Rが主役。

“NEW LEGEND OF RACING GT-R”のサブタイトルを掲げ、日本モータースポーツ史で数々のドラマを刻んだ歴代GT-Rが一堂に会した。なかでもフィナーレ直前の”GT-Rスペシャルバトル”はこの日のメインコンテンツとして、熱い視線が送られていた。 また、’08年は日産が海外のモータースポーツに進出して50年の節目にあたる記念すべき年。昭和33(’58)年、日産は豪州ラリーに2台のダットサン210を送り込み、1台がクラス優勝を成し遂げた。当時、初の国際ラリーでのクラス優勝は日本国内を大きな反響の渦に巻き込んだ。その時の優勝ドライバーがニスモの初代社長である難波靖治氏(故人)。

“海外レース参戦50周年パレード&ファン感謝セレモニー”では難波元社長のドライブするダットサン富士号のほか、サファリラリー優勝の510型ブルーバードSSS、初代フェアレディ240Z(モンテカルロラリー参戦車)、S110型シルビア(サファリラリー参戦車)、N14型パルサーGTI-R(RACラリー参戦車)などラリーの日産時代を象徴するマシンたちがレストアされて富士のレーシングコースをパレードした。ラリーカーが同イベントを走るのは’08年が初めてであり、往年の活躍を知るファンも楽しめた。



新たにグループAマシンが復活。人気は色褪せない

『2009y 第13回ニスモフェスティバル』

‘96年のル・マン24時間レース以来のGT-Rによる海外挑戦表明を受けて、‘10年は再びGT-Rをフューチャー。国内では見ることができないFIA GT1車両を3台持ち込んだ。ファンに向けてチャンピオン獲得を誓った!

5.6ℓV8を搭載するR35型、欧州のGTレースに挑戦

12月6日に行なわれた第13回のテーマは“CHALLEGER R”。R35型による新しい挑戦とは何なのか? それは世界への参戦であった。 世界を舞台に戦ってきたGT-Rとして、’91年のスパ24時間レースに参戦し、総合優勝を果たしたグループA仕様のZEXELスカイラインのレプリカがお目見えした。レプリカといっても中身は正真正銘のグループA。実走可能なカルソニックスカイライン同様、21世紀に生まれた新車のグループAマシンである。

もう1台は、’96年のル・マン24時間レースに挑戦したクラリオンカラーのNISMO GT-R LMだったが、こちらは走行しなかった。 そして2009年、最も注目されたマシンが、FIA GT1仕様のR35型GT-R。この年からFIA GTシリーズにミハエル・クルム選手のドライブでテスト参戦した’09年仕様のほか、前日にシェイクダウンテストを終えたばかりの2台の’10年度にフル参戦する本番仕様のマシンも富士に持ち込まれた。

国内を戦うGT500マシンに比べ、生産車に近い姿はそのまま公道用として販売されてもいいくらいな仕上がりだった(エンジンはVR38型ではなく、5.6ℓのV8を搭載)。国内ファンにとっては、初めて目にするFIA GT1仕様のR35型GT-R。 その走る姿に来場者は目が釘付けとなった。一方、新たなコンテンツとして企画されたのが“オールスタードリームバトル”。これは事前にホームページ上で行なったファン投票によって組み合わせが決まるドライバー2名によるミニ耐久レース。ファン投票1位は星野一義/一樹、2位は柳田春人/真孝の親子ペアだった。



FIA GT1クラスに参戦。日産レーシング魂は色褪せない

『2010y 第14回ニスモフェスティバル』

例年にも増してヒストリックカー企画が目白押しとなった第14回。日産/NISMOの歴史を存分に味わえた。掲げられた”NISSAN RACING DNA”のテーマはこれ以降の『NISMO FESTIVAL』の不変のものとなった。

直4/直6/V8/V12のサウンド協奏曲にうっとり

第14回目は、12月5日に“NISSAN RACING DNA”というテーマを掲げて開催された。そのテーマの通り、国内外のレースで各時代に活躍したレースカーが一堂に会した。

まずは、’69年JAFグランプリで初優勝を飾ったハコスカGT-R。’80年代に当時の若者を熱狂の渦に巻き込んだシルエットフォーミュラと呼ばれたグループ5仕様のトミカスカイラインターボやシルビアターボ。そして今回レストアされた近藤真彦監督が乗ったマーチスーパーシルエットも披露された。

’90年代からは’91年スパ24時間で優勝したグループAのR32型スカイラインGT-R。そして、日本はもちろん世界で隆盛を極めたグループCのR92CPと最後のCカーであるNP35、さらにはル・マン24時間レースで活躍したR390GT1、R391など、数え上げたらきりがないほどのマシンが登場した。

これらのマシンが一同にコースに整列しエンジンを始動。4気筒、6気筒、V8、V12などグランドスタンド前には独特のエキゾーストノートが木霊し、脈々と受け継がれる“NISSAN RACING DNA“を強烈にアピールした。最終的にはコース上に100台以上のマシンが集結し、走る姿を見せた’10年の二スモフェスティバル。第1回の参加車両が10台にも満たなかったことが嘘のようだ。

一方、スタンド裏のイベント広場では、ニスモ大森ファクトリーが行うRB26型エンジンの分解・組み立て実演が大人気であった。同ブースは、カメラ片手に真剣な眼差しでその作業の一部始終見守る熱心なファンで溢れていた。GT-R人気は不滅だ。

[リポート:GT-Rマガジン編集部]

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