この記事をまとめると
■新車時は1000万円以上したのに数年後には捨て値のような価格になっている高級車がある
めちゃめちゃタマ数少ない激レア車なのに安い! 人と被ったらむしろ奇跡な中古車3台
■そんな魅力的な中古モデルが存在するメーカーや車種を紹介
■ただしパーツ代やメンテナンス代は高級車価格のままなので注意が必要だ
新車時は数千万円でも中古車になったら半額以下!
クルマを買うのにディーラーの値引きや下取り価格を気にする方には信じられないかもしれませんが、あえてリスクを冒してでも欲しいクルマを手に入れたいというユーザーも少なからずいるのです。
たとえば、新車で買えば数千万円という高級車でも、登録から数年とか走行距離10万キロなんてタマは安値どころか捨て値みたいなもの。怖いもの見たさなのか見栄っ張り? はたまたクルマ好きの真髄を極めているのか。ま、どうでもいい気もしますが、そうした高級車の中古車って果たして手を出していいものなのか、ちょっと探ってみましょう。
ベントレー
クルマの門外漢にとって、新車からの値落ち率の高さはちょっとしたミステリーに違いありません。なにしろ「登録した瞬間に半値」とまで噂されていますから、5年落ちや10年落ちはプリウスの新車より安いこともザラにあります。
経済合理性からいえば、ブランドバリューに対する需要と市場の(バブリーか否か的な)雰囲気を勘案すれば、至極まっとうな値動きにほかなりません。だって、ベントレーに乗ろうなんて方は新車にこだわるはずで、ディーラーの認定中古車だとしても「売り場にいるところ絶対に見られたくない」なんて見栄っ張りが少なくありませんからね。
で、機械的な考察を巡らせてみると、セダンもクーペも「重くて、熱い」のが弱点かと。V8だろうとW12だろうと、これらのエンジンは大きく重く、パワーを出す分だけ発熱量もハンパないのです。高速道路をそこそこな速度で巡航するならエンジンルームの熱はさほどこもりませんが、青山通りをちょいちょいアクセル開けるくらいでは十分な排熱はままなりません。
また、熱の発生源はエンジンに限らず、オルタネーターも発電中はバッチバチに熱くなることも見逃せません。エンジンルームの高熱は百害あって一利なく、あらゆる補器類に悪影響を及ぼします。エアサスやエアコンのタンク、あるいは各シーリングやOリングなども人間だったら「助けてー」と悲鳴を上げているはず。
なので、手を出すとしたらそのあたりを理解して、一般道はもちろん、高速道路も排熱を意識してぶっ飛ばす! これに勝るソリューションはありません。そもそも、ロールスやベントレーは大金持ちが誰よりも早く証券取引所に着くためのハイパワー。グズグズ走る方にはそもそも向いていないのですね。
マセラティ
こちらもベントレーと似たような雰囲気ですが、やっぱりフェラーリからのリバーステクノロジーという恩恵なのか弊害を受けているため、熱害以外にも警戒すべきポイントがあるようです。たとえば燃料系のトラブルはちょい古マセには付き物で、やれスロットルボディが壊れたとかライニングがダメになったとか、枚挙にいとまがありません。
前述のとおり、フェラーリ(厳密にいえばマニエッティ・マレリ)からヒョイっとトスされたダイレクトイグニッションやアクセルバイワイヤーなどが多用されているため、故障率も、またパーツ価格もマラネロ値段。かのフェルッチオ・ランボルギーニが、フェラーリに自社のトラクター用クラッチプレートが使われているのを知り、調べたところ部品単価は10倍だったというくらいですから、我々庶民にとっては悪夢以外の何物でもありません。
とはいえ、このランボルギーニのトラクター用パーツの例にあるとおり、「流用」という知見がかなりのレベルまで積み上げられていること、ご存じだったでしょうか。この手は決してディーラーでは通用しませんが、例えば3200GTのスロットルボディはディーラー価格60万円ほどですが、某社のパーツがほぼポン付けできて、価格はおよそ10万円!
こうした知見や技術を携え、しかもお手頃価格で乗れるようにしようというファクトリーは想像よりも少なくありません。ならば、SNSやネットでそうした情報が簡単に得られるいま、ちょい古マセは「買い」の一手! もはや、マセラティは特権階級だけの乗り物ではなくなったのです(笑)。
高性能スポーツカーや高級車なら国産車でも狙えそうなモデルあり
レクサス IS F
レクサス品質とかなんとか高いところから宣伝していますが、やっぱり古くなると壊れるのは論理的な帰結にほかなりません。ただ、輸入車と違うのは、いいのか悪いのか「すぐ走れなくなる」ような故障ではないところ。
たとえば、よくいわれるのがナビ、マルチファンクションシステムの故障。モニターが映らなくなることから始まり、チラチラするとか、なにがしかの機能だけいうこと利かないとか、クルマ屋というより電気屋の受け持ちですね。
ディーラーに持ち込むと、たいていはデンソーの担当子会社に送られ修理されるのだそうですが、ひと声10万円ほど。それでも補修部品があって直ればいいのですが、古いクルマですから欠品パーツもあったりして、入荷待ちや最悪のケースはアッシー交換となり、数十万円の手痛い出費を覚悟しなければなりません。
よくサーキット走行を重ねた過走行車は要注意などといわれますが、むろんIS Fも同様です。が、さすがの「レクサス品質」ですから、ハード系のリフレッシュはたいていの場合は可能なはず。なので、電気に詳しいとか、ナビとかモニターは要らん! という男っぷりのいい方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。
センチュリー
先代モデルは国産車で唯一V12エンジンを搭載していた名車の誉れ高い一台。中古車として出まわっているタマのほとんどは法人使用車両というのも狙いやすい理由かもしれません。10万キロを優に超える過走行だとしても、定期的な整備やその記録簿がしっかり残っているタマが少なくないですからね。で、記録簿を見せてもらうと、たいていフルコースで、定期点検は言うに及ばず、車検の際もひと通りのパーツが交換されていたりして、丁寧に扱われたタマの多いこと!
もっとも、前述の通り12気筒エンジンはさほどクセの強いものではなく、弱点といえるポイントも取り立ててはないようです。あえて挙げれば、ごく低速での走行が比較的多いことや、アイドリング状態で待ち時間が長かったなどの使い方による熱害。ラジエーターファンの不具合はよそでも取り上げられていますし、ヒーターバルブからの冷却水漏れ、そしてヘッドガスケット漏れは12気筒エンジンでは典型的なトラブルかと。
それぞれの修理コストはそれなりに値が張るものですが、先に述べたとおり定期点検などしっかり整備されてきたタマなら致命的な故障に達するケースはさほど多くありません。
センチュリーを日常のアシにしたいという方は、記録簿や来歴のはっきりした中古車を選びさえすれば「大けが」は少ないはず。ビックリするほど丈夫で快適なシートなど、ファミリカーとしても優秀なので、そこらのミニバンに飽きた方にはもってこいではないでしょうか。
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何処で作られた車だろうともいえます。